
土の中に「水の余白」 深谷で始まる実証
8月31日版 · ビジネス&ワーク
オレンジやバナナの皮などの作物残渣からつくる高吸水性ポリマーを土に施し、ニンジン畑で保水効果を確かめる。深谷市とEF Polymerの取り組みは、酷暑と少雨に向き合う農業資材を現場で測る試みだ。収穫は11月後半を見込むが、地域での効果はまだ示されていない。
長編を読む →まず読みたい4本
干ばつ対策、円介入、全米テニス、メーリアン
本日の16本
新着15本 + 今日の一作
ビジネス&ワーク
Business & Work · 01–03
土の中に「水の余白」 深谷で始まる実証
オレンジやバナナの皮などの作物残渣からつくる高吸水性ポリマーを土に施し、ニンジン畑で保水効果を確かめる。深谷市とEF Polymerの取り組みは、酷暑と少雨に向き合う農業資材を現場で測る試みだ。収穫は11月後半を見込むが、地域での効果はまだ示されていない。

名前を残す 人を残す 花巻の田んぼを継ぐ
JR東日本の子会社が、花巻市で稲作を担う農業法人を承継した。変わるのは株主と経営体制。社名、従業員、地域での営農は残すという。鉄道会社の人材とネットワークを田んぼへ持ち込む試みは、後継者不足の解決策になり得るのか。

15兆3,993億円 円を支えた介入 記録と限界
財務省が7月30日から8月26日までに実施した外国為替平衡操作は、月次で過去最大の15兆3,993億円に達した。少なくとも一部は米国との協調円買いだった。総額は判明したが、いつ、何回、何を売ったのか。その全容はまだ公表されていない。
大学&研究
Universities & Research · 04–06
助けた人だけでなく 助けられた人も見る 評判がそろう仕組み
協力した人の評判だけを更新する従来モデルに、協力を受けた人の評判も加える。神戸大学、Interdisciplinary Transformation University、理化学研究所の共同研究は、この「二重評判更新」が評価の食い違いを抑え、協力を維持しやすくする可能性を示した。ただし、同じ作用は排斥を増幅する恐れもある。

卵から色素へ 脂質の行き先を変える 小さな冬支度
長い夜を経験したナミハダニのメスは、産卵を止め、黄緑色から鮮やかなオレンジ色へ変わる。東京農工大学と帯広畜産大学の研究グループは、この二つの変化を結ぶ因子の一つとしてTuPLAT10を特定した。脂質を卵から色素へ振り分ける可能性があるが、経路の全容や防除技術はまだ確立していない。

胃を小さくすると 腸はどう変わるか 3次元で追った
スリーブ状胃切除術を受けた雄マウスでは、十二指腸の絨毛が短くなり、回腸のGLP-1産生L細胞が増えた。一方、十二指腸のGIP産生K細胞は減ったが、GIP分泌は維持された。組織透明化と3次元画像解析が、胃の手術後に腸で起きる部位別の適応を捉えた。
暮らし&社会
Life & Society · 07–09
1万4618頭を捕殺 それでも被害は 終わらなかった
2025年度、日本ではクマによる人身被害が216件、被害者238人、死者13人に達し、いずれも過去最多となった。同じ年度、許可捕獲された1万4741頭のうち1万4618頭が捕殺された。大規模な個体数管理を、人の生活圏への侵入防止、誘引物の除去、科学的な監視とどう結ぶかが問われている。

ヒアリ3000個体超 女王と羽アリも 水島港で確認
岡山県倉敷市の水島港国際コンテナターミナルで、ヒアリの働きアリ3000個体以上、羽アリ約100個体、女王アリ1個体、卵・幼虫・サナギ多数が見つかった。7月にも同港で2400個体超が確認されており、防除後の周辺調査と継続監視が定着阻止を左右する。

8地域18市町村 雇用目標1084人 鍵は「定着」
厚生労働省は、釧路市から奄美大島地域まで8地域の雇用活性化計画を採択した。対象は18市町村、雇用創出の目標は3年度計1084人。国が同じ処方箋を配るのではなく、各地域が産業と働き手のずれを埋める委託事業だ。
スポーツ
Sports · 10–12
坂本怜が錦織圭を破る 全米本戦の切符 最後の四大大会で
20歳の坂本怜が、全米オープン男子シングルス予選決勝で36歳の錦織圭に6-4、7-6(3)で勝った。坂本は初の同大会本戦へ進出。今季限りで引退する錦織は、2014年に決勝を戦ったニューヨークで最後の四大大会を終えた。

5戦全勝、54得点 女子日本代表 2027年ファイナルズへ
侍ジャパン女子代表は台湾・台南で5戦全勝。雨天順延で全試合が5イニング制、日程が3日間に圧縮される中、54得点、2失点でグループ首位となり、米イリノイ州ロックフォードで開かれる2027年の女子野球ワールドカップ・ファイナルズへ進んだ。

帰化選手らの制限を修正 リーグワンが特例 枠組みはなお存続
ジャパンラグビー リーグワンは、2026-27シーズンからの選手登録区分を一部見直した。旧制度を前提に日本国籍を取得した選手らをA-1に残す特別措置で、仮処分申立てを巡る協議は和解した。ただし、A-1・A-2の区分と試合日の人数枠は撤回していない。
音楽&文化
Music & Culture · 13–15
光は、作品の外から来る 多田美波の70年 没後初の大規模回顧展
東京都現代美術館で「多田美波―光、凛と ゆれる」が開幕した。絵画、彫刻、照明、建築造形など約70点と資料を通じ、美術館の外へ広がった仕事をたどる。現存しない作品の再制作は、空間と一体だった造形をどう継承するかという難題も映し出す。

山車が夜を進む 太鼓が音で競う 十和田の秋、3日間
令和8年度十和田市秋まつりは9月4日から6日まで、三本木大通りと官庁街通り周辺で開かれる。山車合同運行、流し踊り、神輿、十和田囃子競演会、薄暮・夜間運行が3日間を組み立てる。「ケンカ太鼓」と「南部駒踊」が何を指すのか、公式日程と文化資料から確かめた。

刺身でも、炊き込みでもない 焼いた真鯛を一皿に 東予の鯛めし、21店へ
愛媛県が「第3の鯛めし」として育成する「東予・洋風焼き鯛めし」に7店が加わり、提供店は21店になった。共通するのは愛媛県産真鯛、米飯、洋風の味付けという三つの条件。完成形を一つに定めない仕組みは、郷土料理を行政と飲食店がどう育てるかという実験でもある。
16. 今日の一作
Maria Sibylla Merian · Metamorphosis Insectorum Surinamensium

幼虫、蛹、蝶を一枚に メーリアンが描いた「変態」という時間
マリア・ジビーラ・メーリアンの『スリナム産昆虫変態図譜』は、植物画と昆虫観察を同じ画面で結び、成長の順序と生きる場所を同時に見せた。今日の一作は、1705年刊の第7図。西インドチェリーの枝に2頭の蝶、幼虫、蛹が集まる。
画像はマリア・ジビーラ・メーリアン『スリナム産昆虫変態図譜』第7図(1705年)に着想を得た編集用ビジュアル。参照作品はアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)が公開しています。
アート長編を読む →8月30日版から選んだ6本
企業統治、金融政策、環境、災害、中小企業、美術

廃炉の数字は誰が書き換えたのか 浜岡、費用請求の死角
中部電力は、浜岡原発1・2号機の廃炉工事で請負会社の報告書の写しを書き換え、実績と異なる情報をNuROへ報告したと認めた。少なくとも14件。金額、指示系統、影響範囲はなお公表されていない。

「急ブレーキ」を避ける利上げ 氷見野氏の時間軸
日銀の氷見野良三副総裁は、金融政策には長い時間差があるとして、インフレ昂進後の急な引き締めを避けるため適時に緩和度合いを調整する必要性を説いた。次回会合の予告ではなく、待つコストへの警告だ。

「放置すれば自然に戻る」は本当か 鳥が示す二つの未来
国内199か所の野外調査と4大陸の研究を統合すると、耕作放棄地は失われた湿地の代わりにも、農地性の鳥を追い出す場所にもなる。全国一律の「放置か再耕作か」では解けない。

警報が下がっても、道は戻らない 北陸豪雨、復旧の朝
富山県氷見市と石川県羽咋市で24時間雨量が観測史上最多となった。救助案件が一巡しても、土砂、倒木、堤防決壊、停電、断水が残る。警戒レベルの引き下げは災害の終わりではない。

機械がつくる「人手の余白」 1,176者の省力化計画
中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第6回公募で、1,841件の申請から1,176者が補助金交付候補者に選ばれた。製麺機、荷下ろしロボット、レーザー加工機、宿泊管理システム。申請計画が描くのは、単なる人減らしではなく、重い作業や反復作業から人を移し、品質や売り上げに振り向ける試みだ。

一つの点を、無限まで
前衛芸術家の草間彌生が97歳で死去した。松本の幻視と初期作品、ニューヨークの網と自己消滅、ヴェネチアでの再評価、東京で最期まで続いた制作から、反復という言語をたどる。
