
大学が未来を組み立てる
細胞、気候、暗号、生命
神戸大学のiPS由来免疫細胞が患者由来大腸がんを攻撃する一方、研究者は希少網膜疾患、筋再生、脳血流、妊娠支援、ウイルス進化を追います。北海道のフィールド研究はナマコ、魚、コウモリ、ヒグマへ広がり、別のチームは恐竜時代の気候、廃熱、耐量子暗号を問い直します。新着15本、前日から選んだ科学記事4本、そしてスーラに着想を得た科学的点描です。
まず読みたい4本
免疫療法、女性と科学、大学発企業、気候
7月25日版から選んだ4本
認知、医療AI、がん、顕微鏡
本日のニュース:19本
新着15本+7月25日版から4本

8万倍の免疫兵をつくる——神戸大学、iPS由来γδT細胞で患者由来大腸がんを攻撃
約8万倍に増幅できるiPS由来γδT細胞を作り、患者由来オルガノイドとマウス移植モデルで抗腫瘍効果を確認しました。

網膜の「リサイクル工場」が止まるとき——京都大学、希少眼疾患をiPS細胞で再現
患者由来iPS細胞がリソソーム機能低下と沈着物、細胞死を結び、トレハロースが初期の治療候補として浮上しました。

筋再生の「鍵」を磨く——九州大学、HGFを強くする三硫黄化合物を発見
リポ酸三硫化物がHGFとc-Metの結合を2倍以上に高め、老化に関連するニトロ化から弱点を守りました。

同じ脳波、二つの物語——東大が示した「解析法」という見えないレンズ
一過性脳低灌流時の同じ脳波に二つの解析法を適用すると、画像もSEF95の推移も異なりました。

「うれしい」だけを正解にしない——7万3,518組が映す、妊娠の気持ちと支援の力
妊娠判明時の気持ち、2歳半時の支援、3歳時の発達スクリーニングを大規模データで結びました。

「G」が「D」に戻った日——デルタ株の復帰変異が問い直すウイルス進化
87万3,143件の配列解析でD614への復帰がデルタ株とBA.2に集中。進化と解析誤差を慎重に切り分けます。

ナマコは一匹ではない——北海道発「ホロビオント」が種苗生産を変える
3年の幼生微生物叢データ、250菌株、成長を促す候補BL28が、持続可能な種苗生産への道を示します。

左利きの魚は、襲う前から左にいる——鱗を盗む捕食者の作戦
AIを使った再解析で、左利きは獲物の左、右利きは右から攻撃を始める傾向が見つかりました。

夜空の狩りを初めて見た——ヤマコウモリは飛びながら渡り鳥を捕らえる
56回の追跡、22回の攻撃、6回の捕獲を視覚的に記録し、25年に及ぶ証拠の連鎖を完成させました。

森の端のトウモロコシ畑
学生が支えた6年の調査は、ミズナラの堅果と利用可能なデントコーンがヒグマの農作物利用を左右すると示しました。

恐竜時代の北極を暖めた「傾いた地球」
高緯度の大陸配置、巨大氷床の不在、温室大気が、地軸の傾きに対する北極の応答を増幅しました。

熱が半分に分かれるとき
高性能熱電材料は格子と電子の熱輸送が50対50に近づく傾向を示し、AIで使える材料設計の指標になりました。

36個の未知数、11日半
再設計したF4アルゴリズムが、従来記録より約4万7000倍難しいと見積もられるMQ問題を解きました。

6220社、その先の勝負
大学発スタートアップは過去最多。次の難題は、より多くの研究を持続可能な世界企業へ育てることです。

研究室の扉は開いた。だが、その先の梯子はまだ細い
大学学部生の46.1%は女性ですが、研究者では19.0%。歴史的・制度的な差はまだ埋まっていません。

京都大学、チンパンジー「アイ」の知性研究の遺産を記録
数字、色、記号、記憶の研究は、人間だけの知性という前提を問い、動物認知研究を変えました。

富士通AI、診療会話を構造化SOAPノートへ
記録作業を減らす可能性がある一方、誤り、責任、医療者の確認、患者のプライバシーが重要です。

順天堂大、大腸がん進展と免疫療法抵抗性を結ぶ機構を解明
腫瘍が免疫攻撃をかわしながら進展する分子経路が、新たな治療標的の可能性を示します。

日常に潜む「ミクロの世界」を探す全国写真コンテスト
葉、砂、布、食べ物、昆虫が拡大によって別世界となり、誰もが観察者になる入口を開きます。
20. 今日のアート
ジョルジュ・スーラ / 科学的点描

光を実験した画家
ジョルジュ・スーラは同時代の色彩理論を、分離した点の秩序ある画面へ変えました。大学特集では、その点が細胞、遺伝子変異、微生物、脳信号、方程式、研究データとなり、小さな観察が臓器、動物、風景、そして大きな科学の像へ結ばれます。
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