二つの東証上場から、人手不足、科学、復旧、アジア大会、文化の継承へ。
15本の主要記事、ニュース短信、本日のアート・土田麦僊。9月28日版から選んだ6本も掲載。

同じ9月29日、まったく違う二つの上場——オーリーズとクラサスケミカルが映す東証の複線化
9月29日、オーリーズはTOKYO PRO Marketへ、クラサスケミカルは東証スタンダードへ上場予定。同じ日、同じ東証でも、審査、投資家層、資本政策、株主形成は大きく異なる。二つの上場から日本の公開市場の複線化を読み解く。
記事を読む →2026年9月29日 火曜日
今日、読みたい4本
経済・科学・地域・アート
13本で読む、もう一つのニュースの流れ
東証の企業動向、東北大の研究、東京の廃食油回収、印旛沼復旧、神戸港の外来アリ、アジア大会、展覧会を短く紹介。
ニュース短信を読む →ビジネス・経済
2026年9月29日 火曜日
同じ9月29日、まったく違う二つの上場——オーリーズとクラサスケミカルが映す東証の複線化
9月29日、オーリーズはTOKYO PRO Marketへ、クラサスケミカルは東証スタンダードへ上場予定。同じ日、同じ東証でも、審査、投資家層、資本政策、株主形成は大きく異なる。二つの上場から日本の公開市場の複線化を読み解く。

資材は足りる、職人が足りない——建設現場を縛る「人手」という供給制約
国土交通省の最新調査では、主要建設資材7資材13品目は価格横ばい、需給均衡、在庫普通。一方、建設8職種の労働需給は8月に1.3%不足へ悪化した。資材ではなく人手が建設投資の制約になりつつある構造を、2024年の時間外労働規制や高齢化の歴史とともに読み解く。

WOWOWとドコモ、「Lemino」を共同事業へ——放送会社と通信会社が賭ける次の映像市場
WOWOWとNTTドコモは10月1日からLeminoを共同事業化する予定だ。WOWOWが51%、ドコモが49%を持つ新会社は、スポーツ、ドラマ、音楽を拡充し、約1億1,000万人のdポイント会員基盤と約2,000のドコモショップを活用する。放送と通信が融合する狙いを、dTVからLeminoへの歴史とWOWOWの加入者減少を踏まえて読み解く。
科学・技術
2026年9月29日 火曜日
携帯基地局が「地殻」を見る——ソフトバンク3,300基準点とGEONETで日本列島のひずみを高精細化
東北大学・北海道大学の研究チームが、国土地理院GEONET約1,300点とソフトバンク独自基準点3,300点超を統合。品質管理後の3,606観測点から、2019年11月~2023年12月の日本列島の地殻ひずみ速度場を従来より高い空間分解能で推定した。地震予知ではなく、内陸地震が起こる場の理解とハザード評価を精緻化する基盤研究だ。

前部帯状皮質から扁桃体へ——霊長類の「情動回路」を層ごとに描き直す
東北大学、京都大学などの研究者が、マカクザルで前部帯状皮質から扁桃体への投射をウイルストレーシングで詳細に解析。前膝部・膝下部・背側部から扁桃体基底核/副基底核へ向かう経路に、領域別・皮質層別の明確な違いがあることを示した。とくに前膝部から基底核へ向かう表層由来の経路は、従来モデルを見直す手掛かりになる。

速ければ速いほどいい、ではない——スクリーンリーダーの「ちょうどいい速度」を測る
産総研、筑波技術大学、東京大学の研究チームが、視覚障害者のスクリーンリーダー利用時に、文章の難しさと利用者自身の音声理解能力を切り分けて評価する手法を開発した。11人を対象に毎分150~500語、約6~27モーラ/秒で検証し、理解の境界はおおむね毎分250~300語付近に現れたが、最適速度には大きな個人差があった。
地域・社会
2026年9月29日 火曜日
線路だけ直しても列車は戻らない——内房線と県道287号を「一つの災害」として復旧する千葉
台風25号でJR内房線と並走する県道287号線が同時に被災し、姉ケ崎~木更津間は少なくとも3か月の運休見込み。JR東日本、千葉県、関東地方整備局、関東運輸局は9月25日に連絡調整会議を設置し、線路と道路を別々の工事ではなく相互依存する復旧事業として扱い始めた。

万博の「動くパビリオン」が東京湾へ——水素燃料電池船「まほろば」、実証から都市交通へ
大阪・関西万博で商用運航した水素燃料電池船「まほろば」が、この冬から東京港で運航予定。東京都と岩谷産業は、水素燃料電池と蓄電池のハイブリッド船を環境学習や国際イベントにも活用する。万博デモを一過性で終わらせず、都市の実装へ移せるかが次の焦点になる。

「遊び」を探究に変える——東京のすくわくプログラム、3,400園へ拡大
東京都の「とうきょう すくわくプログラム」は、幼稚園・保育所などの垣根を越え、子供の興味から始まる探究活動を支援する。2024年度の1,591園から2025年度は約3,400園へ拡大し、制度は普及段階から質の検証・園同士の学び合いへ移りつつある。
スポーツ
2026年9月29日 火曜日
BMXがアジア大会デビュー——中村輪夢が金、小澤きょうだいが銀で見せた日本の層
愛知・名古屋アジア大会でBMXフリースタイル・パークが初採用され、男子は中村輪夢が金メダル、小澤楓が銀。女子は小澤美晴が銀を獲得した。東京2020から五輪種目となった若い競技で、日本はスター一人ではなく複数世代の厚みを見せた。

比嘉もえ・佐藤友花が銀——アーティスティックスイミング、日本の伝統は「新ルール時代」へ
愛知・名古屋アジア大会のアーティスティックスイミングで、比嘉もえ・佐藤友花組がデュエット銀メダル。日本はチーム・テクニカルでも2位につけ、最終フリーへ。長年アジアを牽引してきた日本は、難度申告、ベースマーク、男子参加など競技そのものが変わる時代に、再び中国を追う立場で戦っている。

「一人の強さ」を「チームの強さ」へ——日本フェンシング、女子サーブル銀・男子エペ銅で見えた現在地
愛知・名古屋アジア大会最終日のフェンシング団体戦で、日本は女子サーブルが銀、男子エペが銅。個人戦で金を獲得した江村美咲と加納虹輝を中心に、4人で戦う団体戦が日本フェンシングの厚みと課題を浮かび上がらせた。
文化
2026年9月29日 火曜日
宮中晩餐会は、外交をどう「見せる」のか——150年の食器、装い、ボンボニエール
霞会館記念学習院ミュージアムの秋季特別展「ようこそ!華麗なる宮中晩餐会の世界へ」は、明治から現代まで約150年続く皇室の饗応文化を、洋食器、ボンボニエール、ローブ・デコルテなどから読み解く。食事は単なる会食ではなく、近代日本が国際社会に自らをどう表現したかを示す舞台でもあった。

「売れなかった」からではない——書店から消えた37点が映す出版の失敗、回収、記憶
日本大学文理学部資料館の企画展「書店から消えた本 絶版回収本展示会」は、売れ行き以外の理由で新刊書店から姿を消した本や雑誌付録37点を集める。誤情報、盗用、関係者の不祥事、修正版との交換など、その消え方から出版の責任、流通、図書館保存、社会規範の変化を考える。

「残す」とは、もう一度つくれること——50領の縫箔が問い直す能装束の継承
群馬県立歴史博物館の企画展「現代によみがえる能装束―縫の精緻 箔の輝き―」は、山口能装束研究所が江戸期の素材と技法を研究し忠実に復原した縫箔50領を展示する。歴史的な装束そのものを保存するだけでなく、刺繍・摺箔・絹という“つくる知識”を現代へ渡すことの意味を、群馬の養蚕・製糸史と結び付けて考える。
本日のアート

今日の一作:土田麦僊《舞妓林泉》——日本画が西洋を見て、もう一度「日本」を描いた時
1924年、土田麦僊は南禅寺天授庵の庭と舞妓を一枚の縦長画面に閉じ込めた。《舞妓林泉(ぶぎりんせん)》は、イタリア・ルネサンス、セザンヌ、後期印象派へのまなざしと、やまと絵・桃山絵画の装飾性を緊密な構成へ溶かした。近代日本画が「西洋化」ではなく、自らの絵画言語を作ろうとした瞬間を読む。
記事を読む →9月28日版から選んだ6本
各記事の掲載時点の文脈で

NEC、Metaの「Petal」を構築へ 大西洋に1ペタビット時代、2コア光ファイバが変える海底通信
米国とフランスを約7,000kmで結ぶMetaの光海底ケーブル「Petal」。NECが全体設計・構築を担い、住友電工の2コア光ファイバで2029年の運用開始とペタビット級容量を目指す。

ヒトの骨格進化、遺伝子の「スイッチ」を地図化 京都大などが56万変異を機能解析
京都大学などの国際研究チームが、ヒト骨格系の進化に関わるシス制御変異アトラスを構築。56万超の変異を解析し、軟骨を支えるグリコサミノグリカン合成の広範な低下を見いだした。

片付け終えた町を、また水が襲った 関東で問われる「復旧の次」の水害対策
8月の千葉豪雨から約5週間後、台風第25号が千葉・神奈川を中心に再び大雨と浸水、土砂災害をもたらした。印旛沼の堤防決壊、長期浸水、鉄道寸断が突きつける復旧と流域治水の課題を追う。

日本男子、中国を3―2で破り60年ぶり金 アジア大会卓球、32年続いた中国の連覇を止める
愛知・名古屋アジア大会の卓球男子団体決勝で、日本が中国を3―2で破り、1966年バンコク大会以来60年ぶりの金メダル。中国の1994年広島大会以来8連覇、32年の王座を止めた。

17歳・大橋信、200m平泳ぎで世界新2分04秒83 日本競泳が再び「最速の系譜」へ
愛知・名古屋アジア大会の男子200m平泳ぎで大橋信が2分04秒83の世界新記録。秦海洋の2分05秒48を0秒65更新し、人類初の2分05秒切りを達成した。

ロケットも東京タワーも、糸で描いた 山鹿清華40年ぶり回顧展が京都で開幕
京都市京セラ美術館で「生誕140年記念 染織家 山鹿清華─宙翔ぶイマジネーション」が開幕。手織錦で伝統祭礼からロケット、東京タワーまで織り出した山鹿清華の仕事を40年ぶりに総覧する。
本日の主要15記事とアート特集の画像は、土田麦僊の日本画表現に着想を得たAI生成の編集用イラストです。記録写真や麦僊作品の複製ではありません。再掲6本は9月28日版の画像を使用しています。
