ゆふいんの森、九州の旅を列車から始める
博多から由布院・別府へ。JR九州の観光列車「ゆふいんの森」は、移動そのものを旅の主役に変える、緑色の小さなリゾートである。
九州を旅するとき、列車は単なる移動手段ではない。JR九州の観光列車「ゆふいんの森」は、博多から由布院、別府方面へ向かう旅人に、目的地へ着く前から温泉地の空気を感じさせる。公式紹介では、由布院を豊かな自然に囲まれた温泉リゾートとして位置づけ、この列車をその魅力へ導くリゾート列車として紹介している。
「ゆふいんの森」という名前は、よくできている。列車名でありながら、目的地のイメージそのものでもある。森、温泉、山、静かな駅、旅館の湯気。車両に乗る前から、旅人の頭の中には物語が始まっている。
列車は、九州の前奏曲になる。
観光列車の強さは、景色をただ通過しないことにある。大きな窓は車窓を額縁にし、木の内装は乗客の気分を日常から少し遠ざける。到着地が由布院であれば、列車の中はすでに温泉旅の前室になる。駅で降りた瞬間から観光が始まるのではなく、座席に腰を下ろした瞬間から始まる。
日本の鉄道文化には、正確さ、利便性、通勤輸送という顔がある。一方で、九州の観光列車はそこに「物語」を加える。どの駅へ向かうのか。どの山を越えるのか。車内で何を食べるのか。どんな窓の外を見たのか。旅は、時刻表と記憶のあいだにある。
由布院へ行く列車、由布院をつくる列車。
由布院は、温泉だけでなく、散策、カフェ、宿、ギャラリー、食、山の景色が重なり合う場所として知られている。そこへ向かう列車が観光体験として設計されていることは、地域にとって大きい。旅人は駅に着く前に、すでに由布院の気分を受け取っているからだ。
観光地は、地図上の点ではない。そこへ向かう道、乗り換え、駅弁、車窓、駅名、雨の日のホーム、帰り道の余韻まで含めて観光地になる。「ゆふいんの森」は、由布院を目的地としてだけでなく、物語として編集している。
Japan.co.jp の読み方。
Japan.co.jpでは、「ゆふいんの森」を単なる鉄道紹介としてではなく、地方観光の編集方法として読む。車両デザイン、路線、温泉地、駅前の店、宿泊、地域の食、観光客の回遊。ひとつの列車には、地域をつなぐ多くの見出しが詰まっている。
日本を旅するということは、名所だけを回ることではない。移動中に見える田畑、山、川、駅名、車内の木の手すり、窓に映る自分の顔。そういう小さな要素が、旅を本当に覚えているものにする。
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出典・参考
本記事は、JR九州の公式ページ「YUFUIN NO MORI」、JR九州の列車紹介、JNTOによる九州の観光列車紹介などをもとに、Japan.co.jp編集部が要約・解説したものです。
参考リンク:JR KYUSHU / YUFUIN NO MORI / JR KYUSHU Train Varieties / JNTO / Scenic Trains in Kyushu