午後9時25分現在:レベル5大雨特別警報は解除されたが、安全宣言ではない。氷見市の公式まとめはレベル4土砂災害危険警報とレベル3大雨警報を掲示。気象庁は地盤が緩み、雨が小康状態の地域でも28日朝にかけて再び警報級の大雨となるおそれがあるとして、警報一覧キキクルの確認を求めている。

黒い警戒色が画面から消えても、災害は消えない。気象庁と国土交通省は27日午前6時20分、氷見市にレベル5大雨特別警報を発表した。午後にはレベル3大雨警報へ切り替えたが、同日午後4時の共同説明で「現在小康状態の地域でも28日朝にかけて再び警報級の大雨となるおそれ」があると強調した。

2026年5月に運用が始まった新しい防災気象情報では、「レベル5大雨特別警報」は警戒レベル5に相当し、重大な災害が切迫またはすでに発生している可能性が高いことを示す。これは市町村が発令する避難情報と同一ではない。気象庁の危険度情報を見ながら、自治体の避難指示や緊急安全確保に従う必要がある。

氷見の雨量は午後2時30分までの24時間で358.0ミリに達し、観測史上1位を更新した。朝の共同資料に記された12時間252.0ミリから、被害の全体像が見え始める午後まで雨はさらに積み上がった。国土交通省は午前10時時点で、阿尾川(あおがわ)、宇波川(うなみがわ)、上庄川(かみしょうがわ)で浸水を確認した。

358.0ミリ午後2時30分までの24時間雨量。観測史上最多。
4集落一部で孤立。市は安否に問題なしと確認。
77件消防への通報。午後3時までに救助等を完了。
180ミリ28日午後6時までの24時間予想雨量、富山県の多い所。

4集落の一部が孤立、住宅と道路に被害

氷見市が午後3時現在として公表した資料では、熊無(くまなし)、床鍋(とこなべ)、吉滝(よしたき)、味川(あじかわ)の各集落の一部が土砂崩れや倒木などで孤立した。正確な戸数と人数は未確定だが、市は安否に問題がないことを確認したとしている。

市道では土砂崩れ20か所、倒木4か所など24件、県道では道路損壊、冠水、土砂流入、倒木による通行止めや片側通行など33件を把握。日名田、中谷内、薮田、阿尾、余川では急傾斜地の崩壊が確認された。大野市営住宅で40戸が床上浸水、大浦市営住宅で2戸が床下浸水し、仏生寺と日名田では上水道の一部破損により約38戸が断水した。

消防への通報は77件で、午後3時までにいずれも救助等を終え、うち1件は救急搬送だった。市は搬送理由やけがの程度を資料で示していないため、本稿は負傷者数に換算しない。薮田、碁石、八代、速川、余川などでは同時点で約880戸が停電。指定避難所11か所に125人、自主避難所5か所に50人が身を寄せていた。

道路の解除と残る寸断、鉄道にも影響

能越自動車道の氷見インターチェンジ—七尾大泊インターチェンジは、土砂流出などの点検のため午後2時から通行止めとなった。その後、富山河川国道事務所は解除を公表した。一方、氷見市内では市道・県道の多数の規制が残り、解除された幹線道路が地域の移動全体の回復を意味するわけではない。

JR西日本は大雨の影響で氷見線などの一部区間に運転見合わせや大幅な遅れがあるとして、利用を見合わせるよう呼びかけた。道路も鉄道も、翌朝の運行は夜間の再降雨と点検結果で変わり得る。

「解除」は終わりではない

気象庁の午後4時資料は、前線が28日夜にかけてゆっくり南下し、北陸を中心に再び警報級の大雨となるおそれがあるとした。28日午後6時までの24時間雨量は富山県の多い所で180ミリと予想。すでに地盤が水を含んでいるため、通常より少ない追加の雨でも斜面崩壊や浸水、水位上昇につながり得る。

氷見市長の菊地正寛氏は、市民向けメッセージで特別警報の解除後も雨が続いているとして、斜面、冠水道路、川、用水路に近づかないよう求めた。警戒レベルの数字が下がったことは、新しい危険の発生可能性がゼロになったことを意味しない。

富山県は高岡、氷見、小矢部、射水の4市に災害救助法を適用し、27日午後4時30分に第2回災害対策本部員会議を開催。28日午前10時に第3回会議を開き、被害状況と今後の対応を再点検する予定だ。