7月9日、2隻目は「標準モデル」を目指した

イトーコーポレーションと親会社の川崎汽船は7月9日、同社で2隻目となる電動タグボートの建造を発表した。建造は広島県福山市の本瓦造船、制御・推進システムの供給と統合は川崎重工業、陸上給電設備の設計施工は東亜建設工業が担う。完成予定は2028年7月である。

発表の核心は、単に「2隻目」ではない。1番船は横浜・川崎港の仕事を想定した199総トン級で、2027年5月竣工予定。2番船は全長37.2メートル、260総トン級まで大きくし、東京湾のより幅広い作業へ入れる高出力型とした。ダイトーと川崎重工は、将来のEVタグの標準モデルを目指すと明記した。

タグボートは大型船を横から押し、ロープで引き、低速で姿勢を制御する。速力の数字だけでは能力を測れない。重要なのは係留状態でどれだけ持続的に引けるかを表すボラードプル、瞬時の応答、どの方向にも推力を向けられる操縦性、そして故障時にも作業を安全に終えられる冗長性だ。

3.2MWh1番船と同じ公称リチウムイオン電池容量。
4,400PS連続最大出力。1番船の3,600PSから22%増。
52トン前進時の最大曳航力。1番船の48トンから8%増。
900kW陸上充電設備容量。1番船の600kWから50%増。

同じ電池で、船はどこまで強くなったか

川崎重工の仕様表は比較を可能にする。2番船は1番船より3.8メートル長く、0.2メートル広く、喫水は0.4メートル深い。総トン数の級は約31%増える。一方、最高速力はどちらも14ノット、電池容量も約3.2MWhで変わらない。

仕様EVタグ2番船EVタグ1番船変化
全長 × 幅 × 喫水37.2 × 9.8 × 4.4m33.4 × 9.6 × 4.0m船体を大型化
総トン数260トン級199トン級級別で約31%増
連続最大出力4,400PS3,600PS22.2%増
最大曳航力(前進)52トン48トン8.3%増
最高速力14ノット14ノット同じ
電池約3.2MWh約3.2MWh同じ
充電設備900kW600kW50%増

モーター出力はおよそ3.24MWに相当するが、モーターのPSをそのまま曳航力へ換算することはできない。プロペラ径、ノズル、船型、喫水、損失、海況で結果が変わる。公表された52トンという実用値が重要で、4,400PSという数字は、ダイトーが2009年以降に導入してきた通常型高馬力タグと同じ出力帯へ電気推進が到達することを示す。

この船の進歩は「電池を大きくした」ことではない。同じ3.2MWhから、配電、モーター、プロペラ、充電、運航管理を一体で設計し、より大きな曳航仕事へ広げた点にある。

「電動」だが、ピュアバッテリーではない

見出しの言葉を整える必要がある。主電源は大容量リチウムイオン電池で、岸から充電した電力でモーターを回す。しかし電池残量が不足すると補助発電機が自動起動する。公開資料は発電機の燃料、出力、台数を示していないが、化石燃料使用量を減らすと説明する以上、2番船は完全な無燃料船ではなく、電池を中心にしたハイブリッド電気推進船である。

この選択は言葉の後退ではなく、港の安全を優先した工学上の妥協だ。タグは定型の短い仕事が多い一方、入港遅れ、荒天、緊急援助、連続配船に備えなければならない。充電時間が取れない日でも大型船を途中で放せない。発電機は航続と予備を与えるが、運航中ゼロエミッションという主張には境界を引く。

対照的に、東京汽船とMarindowsが2025年に始めた別プロジェクトは、船上発電機を使わないピュアバッテリー式を掲げる。6.66MWhの船上電池、合計3MWの推進、2基の1MW充電器を検討し、横浜・川崎で2030年の商用開始を目指す。ただし2025年時点で最終建造判断はフィージビリティースタディー後とされていた。2028年のダイトー船と2030年構想は、競合する見出しではなく、信頼性と無排出性の異なる道筋だ。

なぜタグボートは電池と相性がいいのか

外洋貨物船は何週間も港を離れ、大量のエネルギーを積む。港湾タグはホームポートへ頻繁に戻り、仕事の時間と場所が比較的読める。待機、移動、短時間の高出力曳航が組み合わさるため、低負荷でディーゼルを回し続けるより、必要時だけモーターへ電力を渡す方式に利点がある。

電気モーターは低回転から大きなトルクを出し、指令への応答が速い。主機を常時回す必要が減れば、岸壁周辺の排ガス、振動、騒音も抑えられる。港で働く乗組員、岸壁作業員、近隣住民への便益はCO₂だけではない。

一方でタグの負荷は厳しい。最大曳航力を出す時間は短くても、出力ピークは大きい。電池は重量と容積を使い、冷却、防火、隔離、監視が必要だ。数分の遅れが充電枠を消し、複数隻が同時に戻れば系統接続がボトルネックになる。だから船だけを買うのでは足りず、配船表、充電器、受電容量、停電時の手順を一つのシステムとして作る必要がある。

直流の幹線に、電池とモーターをつなぐ

2番船は直流主配電盤を採用する。電池は直流で蓄え、永久磁石モーターはパワーエレクトロニクスを介して駆動する。途中で不要な交流・直流変換を繰り返さなければ、変換損失を減らし、電池、発電機、推進、船内負荷を柔軟につなげられる。

推進器は、永久磁石モーターと高効率プロペラを組み合わせた全旋回式「川崎レックスペラ」。ポッド全体が360度向きを変え、舵とは別に推力方向を作る。大型船の船首や船尾を横へ動かすタグには、直進の効率と同じほど全方向の制御が重要である。

効率化は自由な追加出力を生む魔法ではない。直流故障を選択的に遮断し、片系統の異常を全船停電へ広げない保護設計が要る。高電圧設備の絶縁、塩害、冷却、ソフト更新、予備品、訓練も新しい保守領域になる。機関室からディーゼルを減らしても、複雑さそのものが消えるわけではない。

900kW充電が変えるもの

公称3.2MWhを900kWで割ると、空から満充電までの単純な理論値は約3時間33分になる。実際には充電損失、温度管理、電池寿命を守る充電率制限、使用可能なSOC範囲、終盤の出力低下があり、この計算は時刻表ではない。それでも1番船の600kWに比べ、設備容量が50%増えた意味は大きい。

速い充電は、仕事と仕事の間に戻せるエネルギーを増やし、補助発電機へ頼る場面を減らし得る。逆に900kWは小さな工場に近い瞬間負荷だ。東亜建設工業が岸側を設計施工する理由は、ケーブル一本では済まないからである。受変電設備、インターロック、非常遮断、岸壁の潮位差に対応する接続、船との通信、防水・塩害、作業動線を設計しなければならない。

公表資料は充電場所、契約電力、電力の環境価値、定置電池の有無をまだ示していない。真の運航性能は、船のスペックより「次の配船までに何kWh入れられるか」で決まる。

運航データが発電機を動かす

CMS(コンディション・モニタリング・システム)は位置、電力使用、電池残量を統合表示し、実航海データを蓄積する。2番船はそのデータを補助発電機の出力制御に使い、必要以上の燃焼を避ける。配船側も、残量と仕事の距離・強度を見て、どの船を割り当てるか判断しやすくなる。

これは単なるダッシュボードではない。タグの仕事ごとの電力曲線が分かれば、充電時刻、必要予備量、電池劣化、船体汚損、機器異常を早く見つけられる。初号船の実績を2号船へ戻し、運用で設計を育てることが「標準モデル」への道になる。

ただし発表は人工知能を主張していない。データ活用をAIと呼び替えるべきではない。評価すべきなのは、制御則が安全側で、乗組員が理解でき、通信喪失時にも船内で動き、ソフト変更が検証されるかである。

全方位カメラとトリムまで、国費実証の対象

資源エネルギー庁と国土交通省海事局は2026年度の補助事業で、応募からダイトーの1件を採択した。実証項目は、発電機稼働の最適化、推進力と曳航力を両立する電気推進、全方位カメラによる離着桟効率化、トリム角調整による船体抵抗低減、直流配電と大容量給電である。

全方位カメラは夜間・悪天候時の周辺確認を助け、死角と操船者負担を減らすとされる。しかしレンズの雨滴、塩、逆光、暗部、映像遅延を試す必要がある。トリムは船首と船尾の沈み方の差で、仕事、燃料、電池、海水タンクに応じて変わる。わずかな姿勢調整でも抵抗を減らせる可能性があるが、曳航時の安定性と安全余裕を優先しなければならない。

補助金は「環境船を買った」ことへの賞ではない。技術を実航海で検証し、内航船へ普及できる形にするための公的投資だ。成功なら、測定法と失敗例を含む知見が業界へ戻る必要がある。

1952年から続く、東京湾タグの能力競争

ダイトーの歴史は電池から始まらない。会社は1934年、大東運輸として京浜港の港湾運送と川崎汽船代理店業務を始めた。曳船サービスは1952年に千葉港で開始。1957年にはフォイト・シュナイダー・プロペラ(VSP)を備えた「VSP大東丸」を導入し、360度に力を向けられる操縦性を採り入れた。

1968年、3,200馬力の「VSPくろがね丸」を竣工し、同社は当時「世界最高馬力の曳船」と記録する。翌1969年には新潟鉄工所と運航・技術面から共同開発したZPを2基備える「さち丸」が完成した。VSPより大きな曳押力を狙い、全旋回推進の国産化を進めた時代だった。

1986年の新「だいおう」は3,600馬力、2005年の「くろがね」は同社初の4,000馬力。2009年の「はやぶさ」、2014年の「きよすみ」、2016年の「かがやき」、2018年の「すずかぜ」、2019年の「だいおう」、2020年の「てんざん」、2021年の「あけぼの」、2023年の「くろがね」は4,400馬力級へ連なる。

だから2028年船の4,400PSは、過去を切り捨てる数字ではない。東京湾で主力として使ってきた能力帯を、電池中心の電気推進へ移す数字である。1969年に360度推力を国産技術で追求した会社が、今度は直流配電と全旋回電動推進を統合する。歴史の主題は一貫して、限られた船体から安全に力を出すことだ。

1番船が開いた、設計と金融の航路

ダイトーは2024年11月、3.2MWh電池を積む1番船の建造を決めた。ダイゾーが建造し、川崎重工が制御・推進を統合する。全長33.4メートル、199総トン級、14ノット、前進ボラードプル48トン。2027年5月に完成し、横浜・川崎港で働く予定だ。

川崎汽船は1番船について、船型改善、電動化、IoTによる需要制御と「グリーン電力」の充電を組み合わせ、従来タグ比でCO₂を約60%減らす見込みを示した。2025年3月には、みずほ銀行のグリーンローンで建造資金を調達。横浜市が作ったCNPサステナブルファイナンス・フレームワークを民間企業が使う国内初の案件となった。

ここで60%を2番船へ自動的に当てはめてはいけない。2番船の発表は個別のCO₂削減率を示していない。船体は大きく、出力は高く、仕事の構成と充電も異なる。1番船の推計は重要な基準だが、2番船は実測で証明する必要がある。

東京湾では、電動タグが一つの系譜ではない

船・計画方式と数字段階
東京汽船「TAIGA」2.486MWh電池のシリーズハイブリッド2023年1月就航、運航経験を蓄積
ダイトー EVタグ1番船3.2MWh、3,600PS、48トン、600kW充電2027年5月竣工予定
ダイトー EVタグ2番船3.2MWh、4,400PS、52トン、900kW充電2028年7月竣工予定
東京汽船・Marindows純電池計画6.66MWh検討、3MW、53トン、2×1MW充電FS後に最終判断、2030年就航目標

東京汽船の「TAIGA」は2023年1月、日本初の大容量電池搭載シリーズハイブリッド電気推進タグとして就航した。2025年の純電池計画は、その約2年半の運航経験から次段階へ進む構想である。

ダイトーは別の学習曲線を作る。先に3.2MWh・48トンの1番船を営業へ入れ、その運航データを使いながら52トンの2番船へ広げる。東京湾は一つの派手な「日本初」より、複数社が異なる電池量、予備方式、充電戦略を実海域で比較できる場所になる。

世界はすでに、70トン級の電動タグを使う

ニュージーランド・オークランド港の「Sparky」は、Damenの70トンボラードプル全電動タグとして2022年に引き渡された。メーカーによれば、充電前に複数の作業を行い、約2時間で再充電できる。8つの電池パックを左右の温度管理室に分け、冗長性を持たせた。発電機は消防用と非常時の充電・推進バックアップを兼ねる。

この先例は、純電池という言葉にも補機があり得ることを示す。違いは通常運航で何を主電源にし、どの条件で燃料を使うかだ。船のラベルより、年間の岸電使用量、発電機時間、燃料、仕事量を比べる方が正確である。

また世界の数字をそのまま東京湾へ移せない。港の交通、潮流、岸壁、仕事の長さ、消防要件、電力料金、予備船、規則が違う。ダイトー2番船の価値は世界最大であることではなく、日本の通常業務と造船・舶用機器・港湾電力の制度に組み込まれることにある。

CNPは、一隻を「カーボンニュートラル」と呼ぶ制度ではない

国土交通省は2020年12月、水素・アンモニアなどの受け入れと港湾機能の高度化を通じ、港湾全体の温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルポート(CNP)の検討を全国6地域で始めた。日本の輸出入貨物の99.6%が港を通り、発電、鉄鋼、化学など国内CO₂排出の約6割を占める産業の多くが臨海部に立地するという問題意識が背景にある。

2022年の港湾法改正は、官民の脱炭素投資を港湾脱炭素化推進計画に位置付ける仕組みを整えた。川崎港は2023年9月に計画を策定し、2024年3月時点で40主体108事業を位置付けた。横浜港も港湾法に基づく計画と、民間投資をグリーンローンへつなぐ市独自の金融枠組みを進めてきた。

タグの電動化はその一部である。岸壁クレーン、トラック、倉庫、船への陸電、再生可能電力、水素・アンモニアの物流、臨海工場が同時に変わらなければ港全体はゼロにならない。「CNPに貢献」は正しいが、「このタグが東京湾をカーボンニュートラルにする」は誤りだ。

炭素は船尾から、電線の向こうへ移る

電池走行中、船上でCO₂、NOx、SOx、粒子状物質を燃焼排出しない。岸壁と居住地に近い港内では大きな局所便益になる。しかし充電電力の発電、送配電損失、電池製造、交換、リサイクルまで含めれば、排出はゼロとは限らない。補助発電機が動けば船上排出も戻る。

評価には二つの帳簿が必要だ。一つは船上のTank-to-Wakeで、燃料燃焼と電池走行を記録する。もう一つは電源・燃料の生産まで含むWell-to-Wakeで、購入電力の時間別・契約別の由来も見る。再エネ価値を証書で調達する場合も、物理系統の負荷と会計上の属性を区別して説明すべきだ。

騒音も測る価値がある。電気モーターは静かでも、プロペラ、ポンプ、冷却ファン、発電機は音を出す。水中音が生物へ与える影響と、船内・岸上の作業環境は別に測定する必要がある。

電池船の安全規則は、技術と同時に育っている

リチウムイオン電池は高密度だが、損傷、製造不良、過充電、冷却喪失から熱暴走へ進む危険がある。対策はセル監視、温度管理、区画分離、換気、延焼防止、消火、ガス検知、非常遮断、浸水・衝突を想定した配置で多層化する。充電接続では感電、アーク、誤接続を防ぐインターロックが要る。

DNVは大容量リチウムイオン設備に熱暴走伝播防止、換気、消火などを求める。IMOも2026年1月、船舶用リチウムイオン電池と交換式電池コンテナを含む安全規制の作業計画をまとめ、電池を主電源として扱えるSOLAS改正を2028年の節目に置いた。技術導入が国際規則の完成を待っているのではなく、船級・旗国規則とリスク評価で先行し、経験を世界規則へ戻す段階だ。

発電機は航続予備であると同時に安全冗長性だが、存在するだけで安全とは限らない。電池故障、直流母線故障、推進器片系故障、充電器停止、岸電停電、CMS停止ごとに、残る曳航力と安全な離脱手順を検証しなければならない。

経済性は燃料代だけでは決まらない

電動タグは船価と充電設備の初期費用が大きい。対して電気モーターは可動部が少なく、主機の運転時間を減らせば油、フィルター、オーバーホールを抑え得る。電力と燃料の価格差、需要料金、電池交換、金利、補助金、残存価値を含む生涯費用で比べる必要がある。

利用率が低すぎれば高価な電池を眠らせる。高すぎて充電が追いつかなければ発電機が動き、削減効果が薄れる。最適点は、1隻の効率ではなく船隊全体にある。通常タグを予備に残すのか、EV2隻を交互充電するのか、岸電を複数バースで共有するのかで答えが変わる。

横浜市の金融枠組みが重要なのは、環境性能を資本コストへ結び付けるからだ。だがグリーンという名称は成果の保証ではない。融資期間中に、約束した用途、CO₂削減、電力調達、運航率を報告して初めて信頼が続く。

2028年以降、公開すべき成績表

竣工式の写真より、その後の運航データが重要になる。最低限、仕事1件・曳航トン時あたりの電力、岸電量、発電機運転時間と燃料、SOC範囲、充電時間、充電失敗、電池温度と劣化、稼働率、故障・縮退、整備時間を公開してほしい。

環境面ではTank-to-WakeとWell-to-WakeのCO₂e、NOx、SOx、粒子、騒音を、同等仕事の通常タグと比較する。運航面では52トンを出せたかだけでなく、荒天、連続配船、緊急時、低SOC時にどの能力が残るかを見る。CMSの効果は「データを使った」ではなく、発電機時間、空走、待機、配船の何%を減らしたかで示す。

事故や不具合を伏せないことも標準化の条件だ。小さな充電中断、センサー汚れ、通信断、誤警報、手動切替の記録が、3隻目を安全にする。成功率だけを公表すれば、同じ故障を各社が繰り返す。

標準モデルとは、同じ船を何隻も造ることだけではない。性能、故障、充電、炭素を同じ物差しで測れ、次の港が学べるモデルである。

東京湾の次の一押し

1952年に千葉港で曳船サービスを始めたダイトーは、VSP、国産ZP、高馬力、電子監視へ能力を積み上げてきた。2028年の2番船は、その系譜で初めて電池を中心に4,400PS級を標準化しようとする。革命的に見えるが、港の技術史としては、操縦性と安全予備を一段ずつ改善してきた次の一手である。

良い点は具体的だ。同じ3.2MWhで52トンへ引き上げ、充電を50%強化し、発電機をデータで必要最小限にする。未知も具体的だ。2番船のCO₂削減率、発電機仕様、充電場所、電力の由来、建造費、年間仕事量、電池寿命は未公表である。

2028年7月、船が完成しても記事は終わらない。東京湾で大型船を押すたびに、電池、岸壁、配船、乗組員、系統電力が一つのシステムとして試される。その記録が透明なら、2番船は「より強い電動タグ」を越え、日本の港が脱炭素を日常業務へ移した証拠になる。

出典・参考資料

編集注:2番船の公表仕様は2026年7月9日時点です。比率は川崎重工の1・2番船比較表から編集部が計算し、端数を丸めました。3.2MWh÷900kWの約3時間33分は損失も充電曲線も考えない理論値で、実充電時間ではありません。2番船は電池を主電源としますが、残量不足時に補助発電機が起動するため、ピュアバッテリー船・常時ゼロエミッション船とは表記していません。約60%のCO₂削減見込みは1番船についての川崎汽船公表値で、2番船へは適用していません。ヒーロー画像は編集イラストです。為替表示は本号指定値「1 US Dollar = 162.39 Japanese Yen」です。