愛知・名古屋アジア大会で、選手の宿泊と移動をめぐる不満が表面化している。ロイターの9月22日付報道によると、韓国選手団は具体的な再発防止策を要求。組織委員会側は全体として運営は機能しているとしつつ、バスの未到着を人為的なミスと説明した。[1]
選手にとって、宿泊先で休めることと、練習会場へ予定どおり移動できることは一続きの条件だ。部屋を確保しただけでは問題の解決とはいえず、変更後の送迎まで含めた確認が必要になる。
日本選手団も部屋割りを調整
日本選手団の水鳥寿思(みずとり・ひさし)副団長[3]は、部屋の割り当てを調整し、難しい場合は事前に確保した予備の宿泊施設を使うことを検討していると説明した。インディアン・エクスプレスが17日、ロイターの取材を基に報じた。選手とスタッフの同室など、人数だけでは処理できない部屋割りの問題があったという。[2]
この対応は日本選手団が用意した代替策であり、組織委が全選手団の問題を解消したことを意味しない。調整中の案件と、実際に移動が完了した案件も分けて把握する必要がある。
移動の負担は練習時間に及ぶ
インディアン・エクスプレスの17日付現地事情の報道では、インドの射撃関係者が、バスの遅れもあり練習施設まで約2時間かかったと話している。一方、同じ記事ではインド女子クリケットの指導者が宿泊やチェックインに満足していると述べており、選手団全体が同じ状況だったとはいえない。[4]
費用抑制の説明と、現場の改善は別に検証
AP通信の18日付報道によると、アジア・オリンピック評議会(OCA)は、大会後に大規模施設を持て余すことを避けるため、ホテル、客船、仮設宿泊施設を組み合わせる方式を擁護した。[5] その方針の是非と、実際の部屋割りや送迎の不備は、分けて点検する必要がある。
大会前の9月4日の交通マネジメント検討会資料は、高速道路を中心とする輸送ルートと、異常時の代替ルートの設定を示している。また、交通需要マネジメント(TDM)によって道路の混雑を抑える方針を掲げる。[6] これは事前の交通計画であり、今回の苦情を受けて追加された改善策ではない。
改善を判断する材料
編集部が重視するのは、部屋変更の完了件数、迎車の遅れや未到着の件数、練習への影響、担当窓口から回答までの時間である。いずれも検証のための指標案であり、組織委が公表した実績値ではない。
大会運営の評価には、当事者の訴えを受け付けるだけでなく、誰が、いつまでに、何を直したかを示すことが欠かせない。代替の宿と車両を手配した後に、選手が十分に休息を取り、予定した練習に参加できたかまで確かめたい。

