現在の東京計画:東京都は2026年6月19日、大阪・関西万博で運航していた水素燃料電池船「まほろば」をこの冬から東京港で運航する予定と発表した。運航ルートと乗船場所は現在調整中。東京都と岩谷産業が連携し、一般の乗船機会に加え、環境学習イベントや国際イベントなどで活用する。現在は8月31日まで一般から愛称を募集しており、都民投票を経て11月下旬に決定予定。ただし船舶として登録された船名「まほろば」を変更するものではなく、新名称は一般的な愛称として使われる。

万博には、未来を一時的に見せる装置が多い。半年間だけ動くロボット。閉幕後に解体されるパビリオン。期間限定の交通システム。そこで使われた技術が、本当に社会へ残るかどうかは、閉会式のあとで初めて分かる。

水素燃料電池船「まほろば」は、その試験を受けることになった。

2025年、大阪・関西万博の会場・夢洲とユニバーサルシティーポートを結び、乗客に「水素で動く未来の船」を体験させた。万博が終わった翌年、船は博物館へ入るのではなく東へ移る。東京都は2026年冬から東京港で運航し、水素エネルギーと港の役割を一般の人に伝える乗り物として使う。

それは単なる再利用ではない。万博では「未来を見せる船」だった。東京では、同じ船が予定通り運航し、乗客を乗せ、充電し、水素を補給し、整備し、冬の東京湾を何度も走る必要がある。

技術にとって、後者のほうが難しい。社会実装とは、世界初を一度成功させることではなく、その翌週も同じことをできるようにすることだからだ。

177総トン「まほろば」の総トン数
150人旅客定員
約130km設計上の最大航続距離
約3,000kWh水素+リチウムイオン電池で船が保有できるエネルギー相当量

「まほろば」はどんな船なのか

名村造船所の技術資料によれば、まほろばは双胴型旅客船で、総トン数177トン、旅客定員150人、航海速力10ノット、最大航続距離約130km。登録長29.5m、幅8.0m、深さ2.5mである。万博公式資料では全長約33mと案内された。

動力は、純水素を使う燃料電池とリチウムイオン二次電池を組み合わせたハイブリッド電気推進。船体にディーゼル主機を持たず、燃料電池とバッテリーから得た電力で左右の推進モーターを回す。

技術資料のシステム図には60kW燃料電池ユニット4基が示されており、燃料電池側の合計出力は240kW。左右に独立性を持たせた推進系統とし、一方のシステムが停止しても残る側で航行できる冗長性を持つ。燃料電池が止まっても、一定条件下ではリチウムイオン電池だけで航行できるよう設計された。

エネルギーは船尾の高圧水素と船内のリチウムイオン電池に分散する。名村造船所は、搭載電池に約1,000kWh、水素燃料電池システム側に約2,000kWh相当、計約3,000kWhのエネルギーを保有できるとしている。

水素は約70MPaの高圧で貯蔵し、船内で1.0MPa未満へ減圧して燃料電池へ送る。船の外から見ると静かな旅客船だが、内部では高圧ガス、電池、インバーター、モーター、制御装置が一つの電力システムとして動いている。

燃料電池だけではない――「プラグイン水素船」という考え方

東京都と大阪・関西万博の説明では、まほろばは燃料電池でつくる電気と「プラグイン電力」を組み合わせるハイブリッド船である。

つまり、水素だけで全エネルギーを賄うことを目的にしていない。岸で電池へ充電できる時は電気を充電し、航海中は水素燃料電池と電池を最適に組み合わせる。

この設計には経済的な意味がある。水素はまだ高い。すべてを水素から発電するより、港で安価な電力を充電できるなら、その分だけ水素消費を減らせる。逆にバッテリーだけでは航続や充電時間が不足するなら、水素が船上発電源として支える。

名村造船所の技術論文は、急速充電規格CHAdeMOに準拠した充電システムと、普通充電の両方を備えたと説明する。限られた停泊時間に大容量を充電する一方、急速設備がない場所でも充電できるようにした。

この「どちらか一つに賭けない」設計は、初期の水素市場には現実的だ。水素供給が不安定でも電池が助け、電池だけでは足りない場面を水素が助ける。

まほろばは「水素だけの船」ではない。水素と電気のどちらをいつ使うかを毎航海で考える、エネルギーマネジメント船である。

2021年から始まったのは、船ではなく「船+燃料補給所」の開発だった

このプロジェクトの重要な点は、最初から船だけを開発しなかったことだ。

2021年7月、岩谷産業、関西電力、東京海洋大学、名村造船所は、NEDOの助成事業として「商用運航の実現を可能とする水素燃料電池船とエネルギー供給システムの開発・実証」を開始した。

船体、燃料電池、水素タンク、電池を開発しても、港で水素を安全に入れられなければ商用運航はできない。だから同時に、水素ステーション、ディスペンサー、充填ホース、ノズル、専用充填アームなどを含む船舶用バンカリング設備を作った。

車の水素充填と船の水素充填は似ているようで違う。船は波や風で動く。岸壁との距離も変わる。30m近いホースが必要になる場合、塩害、腐食、ホース自重、船との接触、緊急離脱、漏えい検知を考えなければならない。

関西電力南港発電所の敷地には専用バンカリング設備が2023年度に完成。船の揺動条件を考慮し、ホースを送り出し固定する専用アームまで開発された。

水素船の発明は、船体の中だけでは完結しない。「港がその船に燃料を入れられる」というところまでが、一つの製品なのである。

実験船「らいちょうN」で、先に壊して学んだ

まほろばをいきなり建造する前に、開発チームは東京海洋大学の実験船「らいちょうN」で予備試験を行った。

これは非常に重要な開発手順だった。高価な旅客船が完成してから、水素配管の位置や充填方法に根本的な問題が見つかれば、改造費も時間も大きくなる。小さな実験船で先に機器の特性、安全性、冷却、バンカリング、通信、制御を試し、課題を本船へ反映する。

技術論文によれば、らいちょうNでは約70MPaの水素シリンダー3本、合計21Sm³(1.67kg)の水素を搭載した試験も行った。60kW出力で燃料電池を運転すると、約23分程度の運転時間に相当する条件だった。

水素バンカリングでも、まず自動車用タンクを実験船へ置き、陸上からの充填で起きる問題を洗い出した。船が動くこと、ホースが長くなること、海水による塩害があること。それらは自動車用水素ステーションでは見えにくい問題だった。

安全設計――危険場所を「小さく閉じ込める」

水素は軽く、漏れると上へ拡散しやすい。一方、可燃範囲が広く、着火しやすい。そのため船内では「漏れない」だけでなく、「漏れた時にどこへ行くか」を設計する。

まほろばでは、水素タンク周辺をESD(Emergency Shutdown)保護機関区域として設定し、水素ガス検知器で監視する。万一ガスが漏れても充満しないよう、水素防爆仕様の機動通風機で十分に換気する。

危険場所の配置も工夫した。名村造船所の資料では、水素タンクを双胴船の中央後方へ集約し、危険場所の範囲をできるだけ小さくしている。これによって2階客席甲板の船尾側に開放的な展望スペースを確保した。

安全設備が旅客スペースを完全に圧迫しないよう、リスク評価と船内デザインを同時に進めたわけだ。

HAZID(Hazard Identification Study)では、通常の旅客船に共通する危険に加え、水素燃料電池、水素タンク、水素配管など特有のハザードを評価した。安全は最後に付け足す装置ではなく、船の配置そのものを決める条件になった。

2024年、船級検査証書を先に取った

実験船での予備試験を踏まえ、まほろばは国土交通省海事局の「水素燃料電池船の安全ガイドライン」に対応して設計された。

技術論文によると、本船は2024年7月24日付で日本初の純水素燃料電池船として船舶検査証書を取得した。これは、「試験なら走れる」から「旅客を乗せる船として検査に通る」へ移った節目だった。

名村造船所は本船を軽合金製双胴型旅客船として建造。設計には名村造船所、岩谷産業、東京海洋大学などの知見が入り、NEDOプロジェクト全体では関西電力が充電・水素供給インフラとエネルギーマネジメントにも関わった。

2025年3月21日には大阪で披露式典が開かれ、4月から万博の営業運航へ入った。

万博では「海上のパビリオン」だった

大阪・関西万博の公式サイトは、まほろばを「海上のパビリオン」と表現した。

船はユニバーサルシティーポートと夢洲を結び、万博来場者が移動そのものの中で水素技術を体験できる設計だった。公式案内では、片道大人3,000円、往復5,000円。運航は大阪水上バスが担った。

公式資料では総トン数177トン、全長33m、全幅8m、旅客定員150人。単なる技術デモではなく、料金を払い、時刻表に合わせ、乗客を運ぶ商用運航だった。

船内では、水をテーマにしたデザインや、水素技術を感じられる演出が施された。目的地へ運ぶだけではなく、水素を一般の人へ「見える技術」にすることも役割だった。

2025年には「シップ・オブ・ザ・イヤー2024 小型客船部門 最優秀部門賞」を受賞。岩谷産業、名村造船所、東京海洋大学、瀬戸内クラフトが受賞者として表彰された。

大阪・関西万博東京港 2026年冬~
主な目的万博アクセス+未来技術の体験水素社会実装+東京港のPR+環境学習
船名まほろば登録船名はまほろば、一般愛称を公募
運航海域大阪港・夢洲周辺東京港(ルート・乗船場所は調整中)
利用有料の万博アクセス旅客運航一般乗船、環境学習、国際イベント等を予定
意味技術を見せるショーケース閉幕後も使い続ける「レガシー」の実証

「まほろば」という名前は残る――東京が募集しているのは愛称

東京都は2026年6月19日から8月31日まで、東京港で運航する船の愛称を一般公募している。

ここには少し面白い制度上の細部がある。船の正式登録名「まほろば」は変わらない。東京都が募集しているのは、東京で親しまれるための一般的な呼称である。

応募された名前から東京都が有力候補を選び、その後、都民投票で決定する。結果は11月下旬を目途に公表予定。

応募時にメールアドレスを登録した人から抽選で最大600人を先行予約乗船へ招待する。候補名に採用された応募者は、乗船時に操舵室へ案内される特典も予定される。

水素政策として見ると小さな企画に見える。しかし、社会実装では重要だ。技術が行政の所有物や企業の実験機ではなく、「あの船」と市民に呼ばれる存在になるかどうかを試している。

正式船名は「まほろば」のまま。東京が市民に委ねるのは、技術の名前ではなく、日常の中で呼びたくなる名前だ。

東京港は「社会科見学船」を昔から持っている

東京都がこの船を環境学習へ使うという計画は、港の広報文化とも相性がいい。

東京港は1941年5月20日に外国貿易港として開港した。江戸湊から近代港へ、戦後復興を経て、1967年には日本で最初のフルコンテナ船が品川ふ頭へ入港し、コンテナ化へ早く対応した。

現在は首都圏の生活と産業を支える国際物流拠点であり、東京都港湾局は「東京みなと丸」などの視察船や社会科見学船を運航し、港の役割を一般や児童・生徒へ説明してきた。

まほろばを「水素+港の学習船」として使うことは、まったく新しい発想ではない。東京港が昔から行ってきた「船上から港を理解してもらう」活動へ、水素という新しいテーマを加えることになる。

コンテナ化が1960年代の港を変えたように、脱炭素化は2020年代以降の港を変える。荷役機械、トラック、船舶燃料、倉庫、電力、燃料供給を低炭素化する「カーボンニュートラルポート」が全国で進む。

水素船の窓からコンテナターミナルを見ることは、東京港の過去と未来を一度に見せる教材になる。

東京での本当の試験は「冬」で始まる

大阪万博は4月から10月。東京の次の運航は「冬から」と発表されている。

燃料電池やバッテリーは温度条件で性能が変わる。冬は空調負荷も夏とは違う。水素供給設備、配管、乗客動線、荒天時の運航判断など、運用条件が変わる。

もちろん、東京都は現時点で東京ルートや詳細ダイヤを公表していない。大阪時代の航続距離130kmを、そのまま東京の一日の運航距離へ当てはめることもできない。

だから冬の東京運航で重要なのは、記録である。1日何km走ったか。水素を何kg使ったか。電池をどれだけ充電したか。どの運航パターンが最も効率的だったか。

万博のプロジェクトでは、関西電力や東京海洋大学などと協力し、水素と電力の充填・消費データを蓄積してエネルギーマネジメントを最適化した。東京運航でも、都市港の実運用データを積めるなら、次の船にとって価値がある。

プラグイン+水素だから、「水素消費量を減らすこと」も成功になる

水素船のPRでは、水素をたくさん使うほど技術が普及したように見える。しかしエネルギーシステムとしては逆の場合もある。

岸で再生可能電力を安く充電できるなら、港湾内の短い航海ではバッテリーを多く使い、水素を節約したほうが効率的かもしれない。航続距離や急速充電時間が問題になる時だけ、燃料電池が支える。

まほろばの価値は、水素の消費量最大化ではなく、船の総エネルギーコストとCO₂を最小化することにある。

開発チームはTotal Energy Management System(TEMS)を構築し、船内だけでなく陸上バンカリング設備を含めた水素・電力の使い方を管理する構想を持った。

将来、水素が高価なままで電力が安い日には電池を多く使う。電力供給が不安定で水素在庫がある時には燃料電池を使う。ハイブリッドの賢さは、「水素船なのに水素を使わない時間」を選べることにある。

東京の水素は、どこから来るのか

東京都の6月発表は、まほろばの東京運航そのものについて、水素の具体的な製造場所、炭素強度、充填地点を公表していない。

したがって「東京で走るから再生可能水素を使う」とは断定できない。

燃料電池では、船上で水素から電気を作る際にCO₂を排出しない。しかし水素を天然ガスから作れば上流でCO₂が出る。再生可能電力による水電解なら低炭素化できるが、電源構成が重要になる。

東京都は「TOKYO H2プロジェクト」で官民連携による水素利用拡大を進めている。船の運航が長期化するなら、次の情報開示として見たいのは、船のスペックより「年間に使った水素の炭素強度」である。

万博レガシーで最も重要なのは、「壊さずに使い切る」こと

大規模イベントは、終了後に大量の仮設設備を残す。万博の環境性を語る時、会期中の再エネやEVだけでなく、設備をその後どう使うかが重要になる。

まほろばは船なので、建築物より移動しやすい。大阪の目的が終われば、需要のある東京へ持っていける。それ自体が大きな利点だ。

水素燃料電池、水素タンク、リチウムイオン電池、モーターという高価な設備を、一つのイベントのためだけに使うより、何年も運航し、データを取り続けるほうが設備当たりの社会的価値は上がる。

さらに東京で乗船した子供が水素を知り、港湾事業者が運航・充填を学び、自治体がイベント運用を学ぶ。技術だけでなく、人材と手順も次へ移る。

これが「レガシー」を本当にインフラへ変える条件だ。

一方、PR船で終わるリスクもある

東京都の事業目的には、水素の有用性や東京港の役割をPRすることが明記されている。環境学習として価値がある一方、技術政策としては厳しい問いも必要だ。

年間に何日運航するのか。何人を運ぶのか。運航コストはいくらか。水素と電力の比率はどうなるのか。既存の電気船と比べて何が優れるのか。将来、同型船を増やす経済性はあるのか。

もし年に数回イベントで走るだけなら、実質的には広報資産であり、海上交通の脱炭素モデルとは言いにくい。

逆に、定期的に一般乗船を行い、整備・燃料補給・充電を通常業務として回し、年間運航データを公開できれば、水素旅客船の社会実装にかなり価値のあるデータセットになる。

Japan.co.jpが東京運航で追いたい8つの数字
  • 年間運航日数:PRイベントではなく日常運航へ近づいているか。
  • 年間乗船者数:150人定員をどの程度活用できるか。
  • 水素消費量:1km・1航海当たり何kg使うか。
  • 陸上充電量:プラグイン電力と水素の最適比率。
  • 設備稼働率:高価な燃料電池と水素設備が年間何時間動くか。
  • 運航コスト:既存船・電池船と比較した実コスト。
  • 水素CI:使った水素のライフサイクル炭素強度。
  • 次の船:東京のデータを使って2隻目・3隻目の導入につながるか。

「国内初」の先には、別の水素船がすでにいる

日本の水素旅客船は、まほろば一隻だけではない。

商船三井グループのHANARIAは2024年から北九州で営業運航し、水素燃料電池、リチウムイオン電池、バイオディーゼル発電機を組み合わせている。2025年にはShip of the Year 2024を受賞した。

2027年には、日本郵船の東京湾レストランシップAMANEも水素燃料電池を搭載して就航する予定だ。

それぞれ設計思想が違う。HANARIAは水素・電池・バイオ燃料のハイブリッド。AMANEは東京湾のレストランサービス。まほろばは純水素燃料電池+プラグイン電池で、万博から東京港へ移る。

一隻だけなら「実証技術」だが、異なる造船所、船会社、都市、サービスで複数船が動き始めれば、部品、検査、保険、燃料、乗員教育の市場ができる。

東京湾は、次世代船舶の実験場になりつつある

東京湾では水素だけでなく、アンモニア燃料タグボート「魁」など、次世代燃料船の実証が進んできた。

港内船は外航船より小さく、毎日同じ地域へ戻るため、新燃料を試しやすい。燃料供給設備を一か所に集められ、故障時も支援を受けやすい。

国土交通省の政策では、水素燃料船は2027年から実証運航、2030年以降の商業運航実現を目標の一つとしてきた。まほろばは燃料「電池」船であり、大型水素燃焼エンジン船とは別系統だが、港が水素船を受け入れる運用経験は共通資産になる。

東京港のまほろばは、将来の17,500重量トン級水素燃料実証船と同じ答えではない。しかし、港湾の安全文化、水素補給、人材育成、社会受容を先に進めることはできる。

第二の船名より、第二の人生のほうが大事

2026年夏、東京都は船の愛称を募集している。名前は市民参加の象徴として楽しい。

しかし、この船で本当に問われているのは名前ではない。

万博で一度だけ注目された水素船を、その後も使い続けられるか。大阪で作った充填・安全・制御の知識を東京へ移せるか。冬の東京港で運航し、乗客を乗せ、データを取り、次の船へ知見を渡せるか。

「まほろば」は古事記に由来し、「素晴らしく住みやすい場所」を意味する言葉から名付けられた。大阪では、未来社会の象徴だった。

東京では、もっと厳しい役割が待つ。

未来を見せるのではなく、未来を普通に使うこと。

それができれば、この船の本当のレガシーは大阪万博の記念写真ではない。

東京港で何百回も静かに離岸し、誰かにとって「いつもの水素船」になることである。

1941年5月20日 東京港が外国貿易港として開港。

1967年 日本初のフルコンテナ船が品川ふ頭へ入港。東京港がコンテナ時代へ。

2019年 岩谷産業・東京海洋大学が純水素燃料電池旅客船の建造計画を具体化。

2021年7月 岩谷産業、関西電力、東京海洋大学、名村造船所のNEDO事業が採択され、船+エネルギー供給システムを開発へ。

2021年8月 国交省の水素燃料電池船安全ガイドライン改訂版を設計へ反映。

2022年 東京海洋大学「らいちょうN」で燃料電池・高圧水素・バンカリング等の予備試験を開始。

2023年度 関西電力南港発電所に船舶用水素バンカリング設備が完成。

2024年7月24日 本船が日本初の純水素燃料電池船として船舶検査証書を取得。

2025年3月21日 大阪で「まほろば」披露式典。

2025年4月~10月 大阪・関西万博でユニバーサルシティーポート―夢洲を中心に旅客運航。「海上のパビリオン」として水素を一般客へ体験させる。

2025年7月 Ship of the Year 2024 小型客船部門の最優秀部門賞を受賞。

2026年6月19日 東京都が、まほろばを冬から東京港で運航すると発表。愛称募集開始。

2026年8月31日 愛称応募締切。

2026年11月下旬予定 都民投票を経た愛称の発表。

2026年冬~ 東京港で運航開始予定。ルート・乗船場所は調整中。一般乗船、環境学習、国際イベント等で活用へ。

取材注記・主な資料

2026年8月9日午前0時50分(日本時間)までに確認できた公開情報を使用しました。東京都は東京港での具体的な運航ルート、乗船場所、ダイヤ、水素充填地点、水素の製造方法・炭素強度、年間運航日数をまだ公表していません。「約130km」は名村造船所が示す本船の最大航続距離であり、東京での1日運航距離を意味しません。万博公式資料の「全長33m」と技術資料の「登録長29.5m」は測定定義が異なるため併記しています。