岡本太郎(おかもと・たろう)が沖縄で撮影した写真と文章を紹介する「岡本太郎と沖縄 in Museum⁺205」が、川崎市役所本庁舎復元棟2階で開かれている。川崎市岡本太郎美術館による出張展示で、会期は11月8日まで。[2] 風土や暮らしを記録した写真を通じ、被写体となった沖縄と、それを見つめた岡本の視点をあわせて考える機会となる。

写真に写るもの、文章が語るもの

美術館によると、岡本が初めて沖縄を訪れたのは1959年。当時は米国の統治下にあった。展示は、著書『忘れられた日本─沖縄文化論』の文章と写真を組み合わせる。紹介作品には《那覇》(1959年)や《イザイホー/久高島》(1966年)が含まれる。[1]

写真と文章を並べて見ることで、何が写っているかと、岡本がそこにどのような意味を見いだしたかを読み分けられる。撮影年にも注目したい。異なる時期の記録を、ひと続きの旅の印象として受け取らないためだ。

岡本のまなざしを、沖縄の全体像と重ねない

美術館は、岡本が沖縄の風土や人々の暮らしに、日本文化の原点を見いだしたと説明している。[1] これは岡本の関心や解釈を伝える説明であり、沖縄文化そのものを定義する言葉として扱うべきではない。

編集部の視点では、この展示を読む際に大切なのは、記録としての写真の価値と、撮影者による選択の両方を見ることだ。何にカメラを向け、どの言葉を添えたか。その選択は対象への強い関心を示す一方、写された人々の経験をすべて語るものではない。

岡本が感じた魅力をたどることと、沖縄を変化のない伝統の世界として見ることは別である。写真の外側にある生活や歴史、当事者の語りへ関心を広げる入り口として受け止めたい。

本に戻り、展示の先を読む

中央公論新社が2024年に刊行した『ヴィジュアル版 沖縄文化論 忘れられた日本』には、岡本が撮影した写真76点が収録されている。出版社は1959年と1966年の滞在を扱う記録と案内している。[3] この収録点数は書籍のもので、今回の展示点数ではない。

会場で気になった写真や言葉を、より長い文章の中で読み直す方法もある。展示の抜粋から受けた印象を確かめ、撮影や執筆の時期を意識することで、岡本の思索の過程にも近づける。

会場は市役所のMuseum⁺205

本展は川崎市と那覇市の友好都市提携30周年を記念する。美術館の展示室が改修で休室する間、館外で作品や資料に触れる機会を設ける取り組みでもある。[2]

観覧案内(川崎市の公表情報)
会期2026年9月18日~11月8日
会場Museum⁺205/川崎市役所本庁舎復元棟2階
時間・料金9時~17時/無料
休館日月曜日(9月21日、10月12日は開館)、9月24日、10月14日、11月4日
アクセスJR川崎駅から約600m、京急川崎駅中央口から約400m。2階へはDエレベーターも利用できる。

訪問前には、下記の川崎市の案内で最新情報を確認したい。[2]

出典

  1. 川崎市岡本太郎美術館:岡本太郎と沖縄 in Museum⁺205
  2. 川崎市:Museum⁺205・展示情報とアクセス
  3. 中央公論新社:ヴィジュアル版 沖縄文化論 忘れられた日本
  4. 相模原市:岡本太郎(氏名の読み確認)