3–1県決勝のセットカウント
28–26第4セットの接戦
23全国大会出場回数
1898相馬高校の創立年
県代表決定戦の結果であり、全国大会の成績ではない。

28対26、その一点が開いた全国への扉

10月28日、福島市の福島トヨタクラウンアリーナ。男子決勝の第4セットは、25点を先に取れば終わるような簡単な勝負にはならなかった。相馬と郡山北工業が譲らず、得点はデュースへ。相馬が28―26で競り勝ったとき、4年間遠ざかっていた「春高」への道が開いた。最終結果は相馬3―1郡山北工業。4年ぶり23回目の全国大会出場である。

セットごとに変わった試合の主導権

第1セットを相馬が25―22で先取。第2セットは郡山北工業が25―23で取り返し、試合を振り出しに戻した。第3セットは相馬が25―22と再び前に出る。第4セットの28―26は、流れが何度も揺れた決勝の締めくくりだった。福島テレビは、相馬の3年生ミドルブロッカー阿部智優選手がバックアタックも交えて得点を重ね、対する郡山北工業の3年生・志賀選手が攻撃をけん引したと伝えている。

「4年ぶり」の意味

数字だけなら4年という期間は短く見える。しかし高校スポーツで4年は、選手のほぼ一世代が入れ替わる時間だ。郡山北工業は4年連続出場を狙う立場にあった。相馬は、その相手を県決勝で下し、全国への切符を取り戻した。勝利を現在の選手だけの手柄としない姿勢も伝えられた。阿部選手は福島テレビの取材に、負け続けた先輩たちの思いを背負って戦ってきた趣旨を語り、全国ベスト16以上を目指す考えを示した。

勝敗を分けたのは、派手な一打だけではない

バレーボールは相手のサーブから始まる一本を、レシーブ、トス、アタックへとつなぐ競技だ。決勝での相馬の勝利を一人の得点者だけで説明することはできない。4セットを戦い切るには、失点後の切り替え、攻撃の選択肢、ブロックと守備の連携が欠かせない。ただし公開された記事と試合結果だけから、各選手の得点内訳やサーブレシーブ成功率を断定することはできない。詳細な技術分析には公式記録と試合映像の精査が必要だ。

県代表決定戦は、わずか2日間

第79回全日本バレーボール高等学校選手権大会の福島県代表決定戦には男女各8校が出場し、10月27日に初戦と準決勝、28日に決勝が行われた。相馬は初戦で会津ザベリオ学園を、準決勝では平工業を破って決勝へ進んだ。県内の頂点に立つまでの試合数は少なくとも、短い日程の中で相手に対応しながら勝ち抜く難しさがある。

1898年創立、相馬の学校が受け継ぐもの

福島県立相馬高等学校は1898(明治31)年に福島県第四尋常中学校として開学し、1948年の学制改革で現在の校名となった。学校が掲げる校訓は「至誠」。学業と部活動を両立させる「文武両道」の伝統を重んじてきた。2026年のバレーボールの勝利を、この長い学校史の中に位置づけると、単なる一大会の結果だけでは見えてこない地域の時間が浮かび上がる。

震災を経験した浜通りのスポーツ

相馬市は福島県浜通り北部にあり、2011年の東日本大震災と津波を経験した。相馬高校自身も教育活動に制約を受け、地域からの支援に励まされたと学校資料に記している。今回のチームの選手が当時の出来事を直接記憶していると推測することはできない。それでも、学校と地域社会が歩んできた15年間の延長上に、現在の運動部活動がある。復興を勝敗で測ることはできないが、若い世代が全国を目指せる環境の意味は小さくない。

全国大会の舞台は2027年1月

正式名称は「ジャパネット杯 春の高校バレー JVA第79回全日本バレーボール高等学校選手権大会」。日本バレーボール協会によると、全国大会は2027年1月4~7日と9~10日に東京体育館で開かれる予定だ。対戦組み合わせの抽選は11月29日に予定されている。11月1日時点では、相馬の初戦相手も勝ち上がりも決まっていない。県代表となることと、全国で上位に入ることは別の挑戦である。

次の目標はベスト16、その先へ

全国大会では都道府県予選とは異なる高さ、速さ、守備の緻密さを持つ相手が待つ。阿部選手が掲げたベスト16以上という目標は、意欲を示す一方で、実現には準備が必要な具体的なハードルでもある。相馬が県決勝で見せた粘りを全国で再現できるか。まず注目すべきは、組み合わせ確定後の相手分析と、12月までのチームづくりだ。

コートの外にも残る勝利

高校の全国出場は、選手だけでなく、指導者、保護者、卒業生、地域の人々にも受け止められる。しかし観客数、寄付金、地域経済効果などは確認できず、ここで数字を積み上げるべきではない。確かなのは、相馬高校が4年間止まっていた全国大会への歩みを再開させたことだ。10月28日の最終セットは終わった。けれども、相馬の新しい試合はこれから始まる。

出典・確認資料

県協会、主催者、学校の公開資料、地元報道を照合。試合取材・独自インタビューは実施していない。

  1. 福島県バレーボール協会/Fukushima Volleyball Association
  2. 福島テレビ・10月28日決勝報道/Fukushima TV final report
  3. 大会ハイライト/Official match highlight distributor
  4. 相馬高校・学校沿革/Soma High School history
  5. 日本バレーボール協会・第79回大会/JVA tournament
  6. 春高バレー・大会概要/Official tournament outline
  7. 福島テレビ・代表決定戦開幕/Fukushima TV preview
  8. 相馬高校・学校運営ビジョン/School educational policy