オニツカタイガー、アシックスから独立運営へ
アシックスは、高級ライフスタイルブランドとして成長するオニツカタイガー事業を完全子会社OT GROUPに移管する。レトロな日本発スニーカーは、より機動的な経営体制で世界展開を加速する。

アシックスは、急成長するオニツカタイガー事業を完全子会社「OT GROUP」に移管する計画だ。会社分割の目標日は2027年1月1日。意思決定を速め、ファッション性と世界展開に合わせた経営体制へ移す狙いがある。
ロイターによれば、オニツカタイガーの2025年売上高は前年比43%増の1,365億円となり、利益率は約38%とアシックスの主要カテゴリーで最も高かった。別のロイター記事では、2026年第1四半期の売上が約3分の1伸び、営業利益率は40%近い水準だったと報じられている。
なぜ分社化するのか
現在のオニツカタイガーは、競技用スポーツラインというより、ファッション主導のライフスタイルブランドとして動いている。売っているのは靴だけではない。歴史、東京らしさ、レトロなシルエット、そしてプレミアムな店舗体験である。
独立した子会社に移すことで、アシックスはブランドの店舗展開、商品設計、マーケティング、海外展開をより速く判断できるようにする。一方で、完全子会社であるため、親会社の統制下には残る。
これはアシックスとの離婚ではない。ファッションブランドと競技スポーツ企業は、違う時計で動くという認識である。
世界展開の賭け
ロイターは、オニツカタイガーが2027年初めにロサンゼルスで旗艦店を開き、東京、名古屋、上海、ミラノ、ソウルなどでも出店を進める計画だと報じている。レトロスニーカー人気を、一時的な流行ではなく、長期的な国際ブランド価値へ変えられるかが問われる。
旗艦店はブランド価値を高める一方、コストも大きい。流行に左右されるスニーカー需要は冷めることもある。オニツカタイガーが、日本文化への関心を長期的な価格決定力に変えられるかが次の課題だ。
Japan.co.jpの見方
スニーカーが文化輸出になる
オニツカタイガーは単に靴を売っているのではない。日本的なスタイルを小さな商品に凝縮して売っている。規律、レトロ、都市感覚、そして少しの個性。今回の分社化は、日本の消費ブランドが文化を資産として扱い始めていることを示す。ただし、文化は丁寧に管理しなければ、すぐに流行で終わる。
次に見るべき点
今後の焦点は、店舗採算、米国再展開、訪日客需要、価格維持、そして過剰出店を避けながらブランドの希少性を保てるかである。アシックスはOT GROUPを上場させる計画はないとしており、今回の分社化は公開市場への切り離しではなく、管理された独立運営といえる。