水素の未来を語る時、日本では海が主役になりやすい。海外でつくった水素を巨大船で運び、臨海部のタンクへ入れ、発電所や製鉄所へ供給する。川崎、神戸、鹿島――大きな水素計画は港を中心に描かれてきた。ところが滋賀県米原市が考えているのは、海から遠い。琵琶湖の東、伊吹山の麓、高速道路と鉄道が東海・近畿・北陸へ分かれる場所で、水から水素をつくり、その場で何度も使い切ろうという構想だ。
2026年7月30日、NEDOは新しい「水素社会モデル構築高度化技術開発・実証事業」で17件の提案を審査し、12件の実施予定先を決定した。その一つが「滋賀県米原市における地域産業と連携した水素製造・利活用に関する調査」である。中心となる実施予定先は関西電力、大和ハウス工業、名城ナノカーボン。千代田化工建設が水電解装置の検討を受託し、滋賀県と米原市が協力する。
この六者の顔ぶれだけでも、普通の水素実証とは少し違う。電力会社だけでも、自動車会社だけでも、自治体だけでもない。電気、水電解、先端材料、物流不動産、道路沿道開発、行政を一つの場所に重ねようとしている。そこに水素ステーション、カーボンナノチューブ(CNT)製造、物流拠点、養殖、温浴施設まで組み込む。
狙いは、水素を「つくって売る」だけではない。水電解装置から出るものを、できるだけ捨てないことだ。水素はまずCNTの製造工程で反応雰囲気を維持するキャリアガスとして使い、その後に別用途へ再利用して水素ステーションへ供給することを検討する。水電解で同時に生まれる酸素と、設備から出る排熱も、ビワマスなどの養殖や温浴施設へ回せないか調べる。
米原は昔から「何かを生産する場所」より「流れが交わる場所」だった
米原を水素拠点にする発想は、地図を見ると理解しやすい。市は自らを近畿・中部・北陸を結ぶ交通の要衝と位置付けている。古くは中山道、北国街道、北国脇往還を人、物資、情報が行き交った。現代では東海道新幹線、東海道本線、北陸本線、近江鉄道、名神高速道路、北陸自動車道が集中する。
東海道新幹線が1964年10月に開業して以来、米原駅は滋賀県唯一の新幹線駅であり続けてきた。道路では米原ジャンクションが名神と北陸道を分ける。名古屋方面、京阪神、北陸へ向かう流れがここで交差する。行政資料が何度も「東海圏、近畿圏、北陸圏への結節点」と書くのは宣伝文句だけではない。
今回の中心地は米原駅前ではなく、東へ離れた伊吹パーキングエリア周辺だ。市はここに伊吹スマートインターチェンジを設け、水素の製造・供給拠点、物流中継拠点、多様なサービス施設を組み合わせた「複合型エネルギーオアシス」を形成する構想を検討している。スマートICはまだ実現に向けた検討段階だが、水素計画は都市計画と物流政策の中にすでに書き込まれている。
海から運ぶのではなく、水と電気からその場でつくる
臨海型の大規模水素基地は、輸入水素の受入れに適している。一方、内陸型では大量の水素を長距離輸送すれば、その輸送コストそのものが事業を圧迫する。そこで米原モデルは、水電解による現地製造を軸に置く。水と電気を使って水素と酸素をつくり、できるだけ近距離で需要へ流す。
ただし、「米原でつくる=自動的にグリーン水素」ではない。グリーン水素と呼ぶには、電解に使う電力の炭素強度が低いことが必要だ。今回の公表資料は最終的な電源構成を確定していない。事業イメージには太陽光や水力などの再生可能エネルギーが描かれているが、具体的な調達方法、容量、年間稼働率は調査対象であり、決定事項ではない。
ここで米原には前史がある。市は2022年、環境省の第1回「脱炭素先行地域」26提案の一つに選ばれた。ECO VILLAGE構想では、公共施設やヤンマーの施設へ太陽光を導入し、小泉・弥高地区の耕作放棄地に合計2,000kWの営農型太陽光発電を整備する計画を進めてきた。再生可能電力を地元でつくり、農業や公共施設と組み合わせるという発想は、水素計画より先に始まっている。
水素はその次の段階だ。電気なら送電線で直接使える。しかし長距離トラック、特定の産業工程、長時間のエネルギー貯蔵では、電気を分子へ変える価値が生まれる可能性がある。米原は「余った再エネを水素にする」という単純な話ではなく、どんな時間帯にどれだけ電解装置を動かせば最も安くなるのか、地域の需要をどう束ねれば設備稼働率を上げられるのかを検証する必要がある。
トヨタの燃料電池技術を「逆向き」に使う水電解
水素製造設備の検討を担う千代田化工建設は、トヨタ自動車と大規模水電解システムを共同開発している。興味深いのは、自動車で水素から電気をつくる燃料電池の技術を、水から水素をつくる方向へ応用していることだ。
トヨタと千代田は2024年2月に協業を発表し、トヨタの燃料電池セル・スタックの量産技術と、千代田の大型プラント設計・建設技術を組み合わせた。千代田が現在紹介している標準構想では、5~10MW級を一つの単位とし、設置面積約2.5m×6m、水素製造能力約100~200kg/時のモジュールを組み合わせる。トヨタ本社工場の水素パークで導入を進め、さらに大規模化する計画だ。
ただし、この数字をそのまま米原設備の仕様と読んではいけない。今回の調査で千代田が担うのは、水素需要量と設備規模を見ながら、水電解装置を検討すること。米原に何MWを置くかはまだ決まっていない。むしろ、需要が先にあり、それに合う大きさを決めるという順番がこの案件の重要な点だ。
最初の客は、燃料電池車ではなくカーボンナノチューブ
水素事業の典型的な失敗は、供給設備を先に造り、需要が後から来ることを期待することだ。米原は逆の順番を探ろうとしている。水素の最初の需要先として組み込まれているのが、名城ナノカーボンのCNT製造である。
単層カーボンナノチューブは、炭素原子のシートをナノメートル級の細い筒にした材料で、高い導電性、熱伝導性を持つ。名城ナノカーボンは2005年設立の企業で、高純度単層CNTの独自合成技術を持つ。関西電力グループは2022年に初回出資し、2026年4月にはK4 Venturesを通じて追加出資した。関西電力の資料によれば、同社CNTは蓄電池、水電解装置、半導体などへの展開を想定している。
CNT製造工程では大量の水素利用が見込まれる。米原の計画では、水素をCNT合成に適した反応雰囲気を維持する「キャリアガス」として使う。この用途が水素設備に毎日一定の基礎需要を与えられるなら、水素ステーションだけを客にするより設備稼働率を安定させやすい。
さらに面白い循環がある。水素を使ってつくるCNTは、将来、蓄電池や水電解装置の性能・耐久性を高める材料になり得ると関西電力は説明している。米原で製造したCNTが必ず同じ米原の電解装置へ戻るという計画ではない。しかし、「水素を使う産業」が「水素をつくる装置を高度化する材料」も生み出す構図は、水素経済が単なる燃料販売ではなく、新しい素材産業を伴う可能性を示す。
水素を一回で捨てない――「カスケード利用」が核心
今回の発表で最も重要な言葉は「カスケード利用」かもしれない。六者はこれを「水素を一つの用途で利用した後、別の用途で再利用すること」と定義している。水電解でつくった水素をCNT工程でキャリアガスとして使い、その後に水素ステーションへ供給するモデルを検討する。
通常、工場用ガスは「使ったら終わり」と考えやすい。しかし工程によっては、ガスがすべて化学反応で消費されるわけではない。回収、精製、圧縮、安全管理を経て再利用できる余地があれば、一キログラムの水素から複数の経済価値を取り出せる。これが供給コストを下げる可能性がある。
ただし、ここはまだ調査段階だ。公表資料は、CNT工程を出た水素の濃度、含まれる不純物、回収率、精製方式、圧縮条件を明らかにしていない。水素ステーションで車両用燃料として使うには品質仕様を満たす必要がある。したがって「同じ水素をそのまま車へ入れる」ことが決まったわけではない。技術的、経済的にどの程度再利用できるかを確かめること自体が調査の核心である。
酸素も熱も「副産物」と呼ばず、地域の客を探す
水を電気分解すると、水素だけでなく酸素も発生する。装置は熱も出す。通常の水素事業では、これらは中心商品ではない。しかし米原モデルは、酸素と排熱にも地元の需要先を探す。
公表された事業イメージには、ビワマス等の養殖施設と温浴施設が描かれている。酸素は養殖水の酸素管理に、排熱は水温管理や温浴などに使える可能性がある。どの副生成物をどの設備へ、どの温度・純度・量で送るかはこれから検討されるが、発想は明確だ。電解装置の収益性を水素だけで支えず、装置から出る価値を地域全体で回収する。
これはコージェネレーションの考え方に近い。発電所で電気だけを売り、排熱を大気へ捨てるより、熱まで使うほうが総合効率は高くなる。水素でも同じで、水素、酸素、熱を別々の顧客へ売れれば、電解設備の経済性は変わる可能性がある。
| 水電解・水素利用から出るもの | 米原で検討する用途 | まだ確認が必要なこと |
|---|---|---|
| 水素 | CNT製造のキャリアガス → 回収後、水素ステーションへ | 回収率、精製、品質、圧縮、実コスト |
| 酸素 | ビワマス等の養殖 | 必要純度・量、配管距離、養殖側の需要 |
| 排熱 | 養殖の水温管理、温浴施設など | 温度レベル、季節需要、熱輸送損失 |
| 水素ステーション | 物流車両などへの燃料供給 | FC商用車台数、日量、稼働率、価格 |
なぜ大和ハウスが水素案件にいるのか
大和ハウス工業の役割は、水素を製造することでも、水素を使うことでもない。伊吹PA周辺のレイアウトを調査することだ。一見地味だが、地域水素モデルでは極めて重要な仕事である。
水電解装置、貯蔵設備、水素ステーション、CNT工場、物流倉庫、トラック動線、養殖施設、温浴施設、再エネ設備を、一つの土地で安全かつ効率的につなぐ必要がある。水素の距離が長くなれば配管費が増える。排熱は遠くまで運ぶほど価値が下がる。トラックが水素を入れるために高速道路から大きく迂回すれば、物流拠点としての魅力が落ちる。
大和ハウスは全国で物流施設を開発してきた企業であり、この案件では「水素プラントの横に倉庫を置く」のではなく、エネルギーと物流を最初から同じ土地利用として設計できるかが問われる。伊吹スマートICが実現すれば、高速道路から物流拠点、水素ステーションへ直接近い動線をつくれる可能性がある。
大型FCトラックにとって、内陸の高速道路拠点は理にかなう
乗用車向け水素ステーションが苦戦してきた日本で、政策の重心は大型商用車へ移りつつある。トラックは一台当たりの燃料需要が大きく、運行ルートや基地が比較的予測しやすい。水素ステーション側から見れば、一日に何台来るか分からない乗用車より、契約された物流フリートのほうが設備稼働率を設計しやすい。
米原はその点で面白い。名神高速と北陸道、国道21号・365号、東海・近畿・北陸への物流が近い。伊吹PA周辺で物流中継拠点と水素ステーションを一体化すれば、長距離輸送の中継、ドライバー交代、休憩、積み替え、給水・給電・給水素をまとめる「エネルギーオアシス」になり得る。
ただし、これは水素トラックが必ず普及するという意味ではない。大型EVトラック、充電インフラ、バッテリー交換、合成燃料など他技術との競争がある。水素が選ばれるには、航続距離、積載量、補給時間、燃料価格、車両価格を含む総保有コストで優位性を示す必要がある。調査で水素ステーションの需要量を厳しく見積もることは、楽観的な普及台数を置くより重要だ。
NEDOが今回変えたもの――「大きさ」より「商売になるか」
今回のNEDO制度には、過去の地域水素実証への反省が明記されている。2021~2025年度の地域水素利活用事業では多様なモデルが生まれた一方、「現段階では経済性の確保に見通しが立てられない事業が少なくない」とNEDOは公募要領で認めている。
そこで2026年度からの新制度は、規模の大きさだけを追わず、2035年ごろまでの事業成立を意識する。調査フェーズは2年以内、制度上の事業規模は1件3,000万円以内、NEDO負担は原則3分の2以内。重要なのは、水素供給コストが下がるか、需要が本当にあるか、他地域へ横展開できるか、CO₂削減がサプライチェーン全体で成立するかである。
この条件は米原モデルに合っている。100万トン級の輸入基地ではなく、一つの地域で小さな需要を組み合わせ、価値を積み上げる。水素だけで採算が合わないなら酸素と熱も使う。水素ステーションだけで需要が足りないならCNT産業を入れる。単独の巨大需要家を待つのではなく、複数の「ほどほどの需要」を束ねる。
地方都市にとって、水素はエネルギー政策だけではない
米原市がこの構想を都市計画へ入れている背景には、地方都市の人口・産業問題もある。市は2026年度の目標人口を3万7,800人としてきた一方、最新の人口ビジョンでは2026~2030年の5年間だけでも社会減が続くと予測している。交通の利便性が高いのに、通過されるだけでは地域経済に残る価値が小さい。
だからスマートIC、物流拠点、水素、先端素材、地域サービスを一体で考える。高速道路を走るトラックが米原を通り過ぎるのではなく、ここで燃料を入れ、荷物を積み替え、企業が立地し、雇用が生まれる仕組みに変える。エネルギー政策が産業立地政策になる。
市の都市計画マスタープランは、柏原地区で伊吹スマートIC、複合型エネルギーオアシス、物流拠点を一体的に整備する方向を示し、広域災害時にはエネルギーバックアップ基地としての役割も目指している。平時には物流と産業、非常時には地域のエネルギーレジリエンスを支えるという構想だ。
「水源の里」で水を水素に変える、その重さ
米原市は自らを「水源の里」と表現する。伊吹山や霊仙山の森林に蓄えられた水が姉川や天野川を経て琵琶湖へ注ぐ。水を電気分解する水素事業を、この地域で行うことには象徴性がある一方、資源管理の現実もある。
水電解には純水が必要であり、装置規模が大きくなれば水使用量も増える。日本では水不足が常態というわけではないが、水素だから環境負荷が自動的に小さいわけではない。水源、排水処理、土地、再エネ設備、生態系、農地転用を地域計画の中で評価する必要がある。
むしろ米原モデルの価値は、「脱炭素設備を別世界に置かない」ことにある。水素設備の横に農業があり、養殖があり、温浴があり、物流があり、住宅地と自然がある。だからエネルギー効率だけでなく、土地利用と地域受容まで含めて成功か失敗かが決まる。
港湾型と内陸型は競争相手ではない
川崎のような臨海型と米原のような内陸型は、どちらが正しいかを争うモデルではない。必要とする水素量と用途が違う。製鉄、化学、大規模発電のように年間数十万トン級へ向かう用途は、海外から大型船で運び、港のタンクとパイプラインで供給するほうが合理的になり得る。
一方、内陸の物流、先端素材、中小規模工場、地域サービスでは、遠くから水素を運ぶコストが重い。安い低炭素電力が地域で確保できるなら、現地電解と複数需要の組み合わせが競争力を持つ可能性がある。日本の水素網は、一つの巨大な全国システムではなく、港湾大規模拠点と内陸ローカルハブが用途別に共存する形になるかもしれない。
最大の敵は「技術不足」ではなく、設備が暇になること
水電解装置の経済性を考える時、装置価格だけでは足りない。年間何時間動くかが極めて重要だ。再生可能電力が安い数時間だけ運転すれば電気代は下がるかもしれないが、高価な設備が長時間止まる。逆に24時間動かせば稼働率は上がるが、電力価格や炭素強度が高い時間帯まで買う可能性がある。
だから需要側を組み合わせる意味がある。CNT工場が一定量を使い、物流車両が時間帯を変えて補給し、余剰水素を貯蔵し、酸素・熱の顧客が存在すれば、設備全体をより長く、高い価値で動かせる。米原の「カスケード」は、資源循環の美しい理念というだけでなく、設備稼働率を上げる経営戦略でもある。
それでも成立する保証はない。回収水素の精製が高すぎるかもしれない。酸素の需要量が合わないかもしれない。熱の温度が温浴施設に向かないかもしれない。FCトラックが予想より増えないかもしれない。スマートICの土地利用調整に時間がかかる可能性もある。
だからこそ、今は調査であることが重要だ。実証の成功を前提にするのではなく、どの条件なら失敗するかを数字で明らかにする。NEDOが新制度で求めている「事業性」は、きれいな完成予想図ではなく、その厳しい計算を意味する。
- 水素1kg当たりの実電力コスト:再エネ調達と電解効率を含む。
- 水電解装置の年間稼働率:設備を何時間、どの価格帯で動かせるか。
- CNT工程後の水素回収率:どれだけ再利用でき、精製にいくらかかるか。
- 水素ステーションの日販売量:FCトラック等の実需要が固定費を支えられるか。
- 酸素・排熱の販売または代替価値:副生成物が本当に収益改善へ寄与するか。
- CO₂削減量:電源、圧縮、貯蔵、利用まで含めた実排出量で評価する。
水素社会の未来は、巨大プロジェクトより「普通の地方」にあるかもしれない
米原の構想には、東京湾の巨大タンクも、海外から来る40,000m³の水素船もない。今のところあるのは、伊吹PA、水電解装置の候補、CNTという需要家、物流の可能性、養殖池、温浴施設、そして六者が同じ図面を囲む調査である。
だが、水素が本当に日本の産業へ広がるなら、最終的にはこうした場所が必要になる。港に着いた水素だけでは国土全体を変えられない。すべての地方へ高価な水素をトラック輸送するのも現実的ではない。地域ごとに、電気、水、産業、物流、土地、人材を組み合わせ、採算の合うサイズを探す必要がある。
米原は、昔から交差点だった。中山道と北国街道、東海道と北陸、新幹線と在来線、名神と北陸道。人と物を自分の中で生産するより、流れを受け止め、分け、つなぐことで価値を持ってきた。
次に交わるのは、電気と水、ナノカーボンと物流、農業とエネルギーかもしれない。水素を一度使って終わらせず、酸素も熱も捨てず、通過するトラックにも地域産業にも価値を残す。もしその計算が成立すれば、米原の水素拠点は「地方でもできる小さな水素実証」ではなく、大都市とは違うやり方で水素を商売にするモデルになる。
そして成立しなければ、それも重要な答えだ。水素社会に必要なのは、どこでも水素を使うことではない。水素が本当に役に立ち、資源とお金を無駄にしない場所を見つけることだからである。
古代~近世 中山道、北国街道、北国脇往還などが交わり、近畿・中部・北陸を結ぶ交通の要衝として発展。
1964年10月1日 東海道新幹線開業。米原は滋賀県唯一の新幹線停車駅となる。
2005年 名城ナノカーボン設立。単層CNTの開発・製造を進める。
2022年4月 米原市のECO VILLAGE構想が環境省の第1回脱炭素先行地域に選定。
2022年5月 関西電力グループが名城ナノカーボンへ初回出資。
2024年2月 トヨタと千代田化工建設が大規模水電解システムの共同開発で合意。
2025年 米原市の都市計画検討で、柏原地区に伊吹スマートIC、複合型エネルギーオアシス、物流拠点を一体整備する方向を明確化。
2026年2月 市の施政方針で伊吹スマートIC・水素製造供給拠点・物流中継拠点の調査を重点化。
2026年3月16日 滋賀県、米原市、関西電力、大和ハウス、千代田化工、名城ナノカーボンが基本合意。
2026年4月2日 関西電力グループが名城ナノカーボンへ追加出資。
2026年7月30日 NEDOが地域水素モデル12件を採択。米原調査の開始を六者が発表。
今後 カスケード水素、CNT、水素ステーション、酸素・排熱利用、物流・土地利用を組み合わせ、事業性を検証。
取材注記・主な資料
2026年8月9日午前0時50分(日本時間)までに確認できた公開情報を使用しました。本案件はNEDOの「調査フェーズ」であり、水電解装置容量、電源調達、水素ステーション能力、投資額、商用開始時期などは未決定または非公表です。公表図に描かれた設備を完成計画として扱っていません。また、CNT工程後の水素回収率・純度・精製方式も公開されていないため、本稿では事業化に必要な検証項目として記載しました。
- 滋賀県:米原市における地域産業と連携した水素製造・利活用に関する調査の開始(2026年7月31日)
- 関西電力ほか6者:NEDO採択・事業概要および各者の役割(2026年7月30日)
- NEDO:「水素社会モデル構築高度化技術開発・実証事業」実施体制決定(2026年7月30日)
- NEDO:水素社会モデル構築高度化技術開発・実証事業 概要・期間・予算
- 米原市:水素製造・利活用調査に向けた基本合意書(2026年3月16日)
- 米原市:2026年度施政方針、伊吹スマートIC・エネルギーオアシス構想
- トヨタ自動車・千代田化工建設:大規模水電解システム共同開発(2024年2月)
- 千代田化工建設:大規模水電解システムの技術概要
- 関西電力・K4 Ventures・名城ナノカーボン:資本業務提携(2026年4月2日)
- 環境省:第1回脱炭素先行地域、米原市ECO VILLAGE構想
- 米原市:ECO VILLAGE構想・営農型太陽光等の概要
- 米原市:第2次総合計画、交通・歴史・水源の里に関する地域特性
