完成前の映画を、海外の上映や配給につなげられるか。第39回東京国際映画祭(TIFF)は今年、「TIFF-WIP(TIFF ワーク・イン・プログレス)」の二つのプログラムを実施する。撮影中や仕上げ段階の作品を業界関係者に紹介し、海外展開の足掛かりをつくる試みだ。[1]
作品紹介を行う「TIFF-WIP Pitch」の応募締め切りは9月25日正午(日本時間)。映画祭関係者向けの「TIFF-WIP Screening」は9月18日正午が締め切りだった。応募資格と、作品の進み具合に応じた違いを見極める必要がある。[2][3]
作品紹介と試写、異なる二つの接点
Pitchは8~10作品程度を選び、TIFFと併設マーケットTIFFCOMのパス保有者が参加できる形で開催する。一方、Screeningは5~6作品を選び、TIFFが招いた映画祭のプログラマーに見せる。前者は作品の説明を通じて幅広い業界関係者との接点を探り、後者は上映作品を選ぶ専門家に作品そのものを届ける仕組みとなる。[4]
対象は日本映画と、日本・東アジアまたは東南アジアの共同製作映画。応募は日本の製作会社からに限られる。アジアの未完成作品全般を対象とした募集ではない。[2][3]
企画書だけでは応募できない
Pitchは既に撮影が始まっている作品が対象で、実施時に約10分の撮影済み映像を上映し、監督またはプロデューサーが説明できることが条件となる。選出後は英語字幕付きの映像と、日本語・英語のプレゼンテーション資料の提出が求められる。Screeningでは、実施時点で未完成ながら、少なくともラフカット(仮編集版)を上映できる必要があり、上映素材の英語字幕は必須だ。[2][3]
いずれも劇場用映画で、完成予定の上映時間が60分以上の作品を対象とし、ドキュメンタリーやアニメーションも応募できる。国際的な紹介の場に出るには、制作の進捗に加え、作品を他言語で伝える準備も必要になる。[2][3]
出会いを契約につなげられるか
発表された枠組みの中心は、作品と映画祭・配給・セールスなどの関係者をつなぐことだ。応募料は無料だが、募集案内と応募要項には、採択に伴う制作費の給付や配給契約の保証は示されていない。選ばれることと、作品の完成資金や公開先が決まることは別の段階にある。[1][2][3]
TIFFは今年、日本映画を紹介する「Nippon Cinema Now」部門にも二つの賞を設ける。完成作品への評価と、完成前の作品への接点づくりを並行して進める構図だ。WIPの成果を判断するには、紹介された作品がその後、完成や海外上映、配給へどう結び付いたかを追う必要がある。[5]

