24男女合計出場チーム
各4男女の準決勝進出チーム
3―2星槎横浜が十六FGに勝利
10月25日準決勝・決勝予定

高校生も社会人も、同じ「団体日本一」を争う。宮崎の卓球台は、日本の選手育成の縮図だ。

宮崎で「団体日本一」を決める意味

社会人の実力者も、大学生も、高校生も、ジュニア代表も、同じ頂点に向かう。宮崎市のKING Sports Park(宮崎市総合体育館)で10月23日に開幕した2026年全日本卓球選手権大会(団体の部)は、男女各12チームによる団体日本一決定戦だ。24日に準々決勝を終え、男女それぞれ4強が決定した。大会最終日の25日は準決勝、決勝を予定。本稿は24日の確認済み記録までを取材資料としており、25日の優勝チームをまだ報じるものではない。

高校生が実業団王者を倒した

女子の準々決勝でひときわ注目を集めたのは、星槎横浜高校と十六フィナンシャルグループの対戦だ。高校の強豪が、実業団の王者を3対2で破った。星槎横浜は中心選手の牧野が2試合とも落とす苦しい展開。だが髙橋青葉と藤本が勝ち、2対2で迎えた最終戦で髙橋が山室に競り勝った。試合は最終ゲームのジュースにまで及んだと卓球レポートは記す。単純な「若さ対経験」では説明できない。個人の結果を5試合の順序でつなぐ団体戦の面白さがそこにある。

女子4強、それぞれ異なる勝ち方

中国電力ライシスは四天王寺高校を3対0で破り、枝廣瞳、枝廣愛、中森の3選手が続けて白星を挙げた。デンソーはジュニアナショナルチームに3対1で勝ち、永尾が2勝して道を開いた。サンリツは専修大学を3対0で退けた。星槎横浜の接戦と対照的に、3チームはチーム戦の先手を取り、相手に反撃の余地をほとんど与えなかった。25日の準決勝は星槎横浜対中国電力ライシス、デンソー対サンリツが予定されている。

男子は社会人3チームと明治大学

男子準々決勝ではファーストが愛知工業大学を3対0で退けた。高木和卓は第1試合で2ゲームを先行されながら逆転し、チームの流れをつくった。日鉄物流ブレイザーズも日の出医療福祉グループを3対0で下し、協和キリンは野田学園高校に3対0で勝利。明治大学はケアリッツ・アンド・パートナーズを3対1で破り、木方が2勝した。男子準決勝はファースト対日鉄物流ブレイザーズ、明治大学対協和キリン。勝者の名は25日の正式記録を待ちたい。

全日本の「団体」と個人戦はどう違うか

全日本卓球選手権には個人戦もあるが、この大会が問うのはチームが獲得する3点だ。1人が好調でも、別の選手が連敗すればチームは敗れる。相手のプレースタイル、オーダーの組み方、第一試合で流れを作れるかが重要になる。各組3チームの予選リーグを戦い、上位2チームが決勝トーナメントへ進む。男女それぞれ12チームから8チームが勝ち残り、準々決勝から一発勝負の舞台となる。プロリーグの順位争いとは別の緊張が生まれる仕組みだ。

実業団という日本のスポーツ文化

企業チームは日本の卓球を支えてきた独特の制度である。競技を続けながら所属企業の活動に参加する選手もいれば、競技に専念する契約や制度もある。練習環境や雇用条件はチームごとに異なり、すべての「実業団」を一様に説明することはできない。それでも、地域の学校と大学が選手を育て、企業が長期の競技継続を支える仕組みは、日本卓球の人材の流れを理解するうえで欠かせない。今回の出場枠が実業団、日本リーグ、大学、高校、地元選抜、ジュニア代表にまたがるのは、その縮図だ。

高校生と大学生に与えられる実戦

星槎横浜の準々決勝突破は、学校競技の優秀さを示すだけではない。試合の緊張、技術の対応、試合間の切り替えまで、普段の同世代との大会とは違う問いに直面する。男子でも明治大学が、社会人選手を擁するチームを破った。若手にとっては国内トップレベルへの距離を測る貴重な機会となり、企業側にとっても新しい戦術や勢いに備える必要がある。ただし、この一大会の勝敗をもって将来の国際的な成功を予言することはできない。

日本卓球の長い歩み

日本の卓球は、戦後の国際舞台で強さを示して以来、技術と育成の刷新を続けてきた。かつての世界選手権で日本が存在感を示した時代を経て、現代では中国など競争の厳しい国際環境の中で、学校、大学、企業、プロリーグの複数の道が交わる。卓球協会が男女のジュニアナショナルチームをこの大会に出場させるのは、国際大会だけが選手育成の現場ではないことを物語る。社会人と若い選手が同じ台に立つ意味を、歴史的にも考えたい。

宮崎の大会は2027年への準備でもある

開催地にとっても意味は大きい。宮崎市と県の案内によれば、大会は2027年の「日本のひなた宮崎 国スポ」の卓球競技別リハーサル大会に位置付けられる。競技会場の運営、観客導線、審判と大会進行、報道対応などを検証する機会になる。全国トップチームの大会を迎えることは、地元選手の経験だけでなく、地域の競技運営の蓄積にもつながる。ただし、実際の集客や経済効果については発表された実数を確認するまでは断定できない。

最終日、何を確かめるべきか

10月25日の予定は午前9時から男女準決勝、続いて決勝。取材で確認すべきなのは優勝チーム名だけではない。全試合のスコア、どの選手が何点を取ったか、5番勝負にもつれたか、若い選手の経験が勝敗にどう影響したか。優勝回数や「史上初」の表現は過去の公式記録との照合が必要だ。SNS上の速報や写真だけで得点と選手名を決めつけず、日本卓球協会の最終公式記録で確定させたい。

一つの卓球台に映る社会

卓球の球は小さく、勝敗はわずかな角度と回転で決まる。しかし、宮崎で見えてきたものは競技技術だけではない。高校生が実業団の王者を破り、大学が社会人チームに挑み、企業チームが選手育成の厚みを見せる。これは日本のスポーツがどこで人を育て、どのようにつなぐかという物語でもある。24日の時点で残るのは男女各4チーム。日本一の名は、25日のコートが決める。

出典・確認資料

2026年10月24日の準々決勝終了時点の結果に基づく。25日の準決勝と決勝の結果は未確認であり、10月26日の刊行前に公式記録の反映が必要。独自の現地観戦、インタビューは実施していない。

  1. 日本卓球協会:2026年全日本卓球選手権大会(団体の部)
  2. 日本卓球協会:大会開幕発表(10月23日)
  3. 卓球レポート:女子団体準々決勝(10月24日)
  4. 卓球レポート:男子団体準々決勝(10月24日)
  5. 宮崎市:国スポ卓球競技リハーサル大会
  6. 宮崎県:競技別リハーサル大会
  7. 日本卓球協会:沿革・組織図