音の出るボールを追い、相手の返球を読み、得点を重ねる。ブラインドテニスの競技機会を広げるには、選手の技術を発揮できるルールと、コートに立つまでを支える環境の両方が欠かせない。日本ブラインドテニス連盟(JBTF)の「第36回日本ブラインドテニス大会および広島オープン大会2026」の公表資料から、その仕組みを探る。
クラス別に広島とさいたまへ
実施要項では、B2・B3クラスを9月20日に広島県立総合体育館小アリーナで、B1クラスを翌21日にサイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)で行う日程を設定した。種目はクラス別、男女別のシングルスで、JBTFランキングポイントの対象。B4クラスは実施種目に含めていない。[1]
全国規模の大会は、日頃の練習を試合で確かめる機会になる。ただ、大会を用意するだけでは出場につながらない。選手が継続して練習でき、会場まで移動し、競技に集中できる条件を整えることも重要だ。
見え方に応じたルールで競う
JBTFの2026年度競技規則は、視機能に応じて競技クラスを設けている。クラスは技量の順位ではない。また、国内大会では、条件を満たせば視機能の分類とは別のクラスに出場できる規定もある。[3]
| クラス | 返球できるバウンド数 | 装着具 |
|---|---|---|
| B1 | 3バウンドまで | アイマスクまたはアイシェードを義務付け |
| B2 | 3バウンドまで | B1と同じ遮光具の義務はない |
| B3 | 2バウンドまで | B1と同じ遮光具の義務はない |
大会では、B2・B3の選手は黄色か黒色のボールを選べる。サーブを打つ選手が選択し、同じサービスゲームの途中では変更できない。[2]
音と触覚を競技の情報にする
競技には音の出るスポンジボールを使う。B1用コートでは、ベースラインなど規定の箇所にひもを通して凹凸を設け、位置を触って確かめられるようにする。[3] 観戦でも、ボールの行方だけでなく、選手が音から距離やタイミングを判断し、返球する技術に注目したい。
参加を支える仕事にも目を向ける
日本ケアフィット共育機構は、9月21日の大会に向けてボランティアを募集し、コート設営、ボールパーソン、選手の誘導、撤収を担当業務として挙げた。[4] 募集内容からは、競技を支える仕事が試合中だけに限られないことが分かる。
編集部の分析では、自治体や企業が支援を考える際は、用具の提供に加え、練習会場の確保、移動時の案内、運営を担う人の育成まで見渡す必要がある。何が必要かを選手本人に確かめることが出発点となる。
競技への入り口を広げ、参加した人が次も続けられる環境をつくる。全国大会をめぐる支援の価値は、当日の開催だけでなく、その先の練習や試合の機会にも表れる。

