那覇の旅は、海だけでは始まらない。空港から国際通りへ向かう賑わいもあれば、首里の丘へ上がる静けさもある。坂道、石畳、赤瓦、城跡、遠くに見える那覇の街と海。その高台の都市リゾートが、2026年7月31日、「インフィニシス 那覇 首里城 by ヒューイットリゾート」として新しい名前で動き出す。

2026年7月31日リブランドオープン予定
328室16階建ての大型シティリゾート
松川40番地首里の丘に近い那覇市内立地
徒歩約15分首里城までのアクセス目安
INFINITY×OASIS新ブランド名のコンセプト
2027年改装を経て本格リニューアル予定

ニュースはリブランド、物語は「首里に泊まる」という選択

コアグローバルマネジメントは、那覇市松川に位置するホテルを2026年7月31日から「インフィニシス 那覇 首里城 by ヒューイットリゾート」として運営開始すると発表した。現ノボテル沖縄那覇をリブランドするもので、新ブランド名「INFINISIS」は「INFINITY」と「OASIS」を掛け合わせた造語。発表では、365日楽しめる屋内ウォーターパークを備えた全天候型シティリゾートとして、2027年にかけて改装を進める計画が示されている。

このニュースの面白さは、単に看板が変わることではない。那覇のホテル競争が、国際通り周辺の利便性、空港近接、ビーチリゾートへの入口という従来の軸から、首里の歴史、丘の眺め、家族向けの全天候型体験へ広がっていることにある。沖縄旅行は晴れた海の日だけではない。雨の日、台風の季節、子ども連れの午後、首里城を歩いた後の夜景。その全部を受け止める都市型リゾートが求められている。

沖縄のホテルは、海辺だけでなく、丘の上でも物語を持つ。首里に泊まることは、琉球の記憶に近づいて眠ることでもある。

数字で見る新しいホテル

NBIホールディングスの発表によると、リブランド後の施設名は「インフィニシス 那覇 首里城 by ヒューイットリゾート」、所在地は沖縄県那覇市松川40番地。那覇空港から車で約15分、那覇インターチェンジから車で約8分、首里城まで徒歩約15分とされる。敷地面積は10,961.94平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造・地下1階付き16階建て、延床面積は21,928.18平方メートル、客室数は328室である。

Traicyは、旧ノボテル沖縄那覇が1974年開業の沖縄都ホテルを前身とし、全面改修後の2018年9月にノボテル沖縄那覇として開業したと伝えている。レストラン、バー、テラス、屋外プール、フィットネス、宴会場、ラウンジなどを備えた大型ホテルであり、今回のリブランドは、既存資産を活かしながら新しい沖縄旅行のニーズへ合わせる「第二の転換点」と言える。

沖縄都ホテルからノボテルへ、そしてINFINISISへ

ホテルの歴史は、沖縄の戦後観光史と重なる。1974年といえば、沖縄が本土復帰してからまだ2年。沖縄海洋博を翌年に控え、本土からの観光、国際的な注目、インフラ整備が急速に進んでいた時代である。沖縄都ホテルは、そんな時代の那覇において、首里の丘の上で都市型リゾートの役割を担った。

2018年、全面改修を経てノボテル沖縄那覇として再出発したことは、沖縄観光の国際化を象徴していた。インバウンド、LCC、クルーズ、家族旅行、アジアからの短期滞在。那覇は単なる玄関口ではなく、泊まって歩く都市になった。そして2026年、再び看板が変わる。今度のキーワードは「全天候」「シティリゾート」「首里城」である。

なぜ首里なのか

首里は、那覇の中でも特別な場所である。琉球王国の政治と文化の中心だった首里城、王陵である玉陵、金城町の石畳道。ここでは沖縄は、ビーチリゾートのポスターではなく、王国の記憶として現れる。赤瓦、石垣、坂道、御嶽、泡盛、漆器、組踊。沖縄の奥行きを知るには、海を見るだけでは足りない。

2019年の首里城火災は、沖縄にとって深い傷だった。しかし復元は進み、2026年の沖縄旅行では、再建へ向かう首里城そのものが大きな関心を集めている。近くに泊まることは、朝の静かな時間に首里を歩き、夜に丘の風を感じることを可能にする。観光名所を訪れるだけでなく、その周囲の時間を持つ。ホテルの価値はそこにある。

全天候型リゾートという沖縄らしい発想

沖縄は晴れた日の楽園である。だが沖縄の旅は、雨とも台風とも付き合う旅である。梅雨、スコール、強い日差し、熱中症リスク、台風接近、子どもの体力。海が美しい場所ほど、天候に左右されやすい。だから屋内ウォーターパークを備える「365日楽しめる」ホテルという発想は、単なる遊びの強化ではなく、沖縄旅行の不確実性への答えでもある。

屋内施設が充実すれば、家族旅行は強くなる。チェックイン後に子どもが遊べる。雨でも予定が崩れない。海へ行けない日にも水に触れられる。高齢者や小さな子どもを連れた旅でも、ホテル内で過ごす選択肢が増える。沖縄観光が成熟するほど、ホテルは「寝る場所」から「天気に左右されない旅の保険」へ変わっていく。

ヒューイットリゾートの文脈

ヒューイットリゾート那覇は、国際通り近く、ゆいレール安里駅徒歩圏の都市型リゾートとして知られる。コアグローバルマネジメントは、那覇中心部での運営経験を持つ。その経験を首里寄りの大型ホテルへ広げることは、那覇の二つの顔をつなぐ動きでもある。国際通りの賑わいと、首里の静けさ。買い物と歴史。夜の街と朝の散歩。その間に、新しいホテル導線が生まれる。

「by Hewitt Resort」という表記は、新ブランドINFINISISを独立した名前として打ち出しながら、既存の運営ブランドの安心感も残す。新しさと信頼性。沖縄のホテル市場では、このバランスが重要になる。観光客は驚きを求めるが、旅行中の宿には安心も求めるからだ。

NBIホールディングスのホテル投資

NBIホールディングスは、この施設の取得予定日を2026年7月31日とし、取得後に運営会社をコアグローバルマネジメントへ変更してリブランドする計画を公表している。発表では、地方創生、不動産投資、金融サービスを事業領域に掲げる同社が、ホテル・旅館などへの投資を進める姿勢も示されている。

日本のホテル市場では、建て替えだけでなく、既存大型ホテルの取得、改装、リブランドが重要になっている。人口減少が進む一方で、インバウンドと国内旅行は地域ごとに需要を作る。沖縄のように観光需要が強く、土地や建設コストの制約がある地域では、既存ホテルを磨き直すことが、最も現実的な成長策になる。

沖縄観光の中心は分散している

沖縄旅行と聞くと、多くの人は恩納村、名護、読谷、宮古島、石垣島を思い浮かべる。しかし那覇は今も沖縄観光の心臓である。空港、港、モノレール、国際通り、首里城、県立博物館・美術館、泊港からの離島航路。那覇に泊まることは、沖縄の複数の旅を組み合わせるための合理的な選択である。

その中で首里エリアは、中心部の喧騒から少し離れた「滞在の余白」を持つ。夜は街の明かりを見下ろし、朝は坂を歩く。空港や高速道路へも出やすく、本島南部や北部への移動にもつなげられる。都市ホテルとリゾートホテルの中間にある、その中間性こそがこのホテルの価値だ。

2027年の本格リニューアルへ

発表では、2026年7月31日のフェーズ1でブランド名称を変更し運営を開始、2027年に館内改装を行った上で全天候型シティリゾートとして本格始動するスケジュールが示されている。改装工事中も営業を継続する予定とされ、利用者にとっては、段階的に変化するホテルを体験することになる。

この段階性は、実はホテルの物語として悪くない。古いホテルの記憶を一気に消すのではなく、首里の場所性、既存の眺望、施設規模、運営のノウハウを引き継ぎながら、新しい体験を足していく。沖縄のホテルに必要なのは、コピーされた南国リゾートではない。その土地の歴史と気候に合った、沖縄らしい使いやすさである。

誰に向くホテルか

INFINISIS 那覇 首里城 by ヒューイットリゾートは、海辺で一日を完結させたい人だけのホテルではない。首里城を歩きたい人、那覇の夜も楽しみたい人、子ども連れで天候に左右されにくい旅を組みたい人、本島南部と北部をつなぐ拠点を探す人、沖縄らしい歴史と都市の便利さを同時に求める人に向く。

沖縄のホテル選びは、「海の近さ」だけでは決まらない。空港への近さ、雨の日の過ごし方、食事、家族の移動、城跡へのアクセス、夜景、朝の散歩。旅の質は、小さな選択の積み重ねで変わる。首里の丘にあるこの大型ホテルのリブランドは、その選択肢を一つ増やすニュースである。

旅の目的このホテルの使い方
首里城・歴史散策徒歩圏の利点を活かし、朝や夕方の静かな時間に首里を歩く。
子ども連れ屋内ウォーターパーク計画により、雨の日や暑い日の選択肢が広がる。
那覇観光国際通り、博物館、港、空港へ車や公共交通で組み合わせやすい。
本島周遊那覇I.C.に近く、南部・中北部への移動拠点として使える。
リゾート気分高台の眺望、プール、ラウンジ、改装後の全天候型体験がポイント。

沖縄の新しい「都市リゾート」のかたち

沖縄観光は、量だけを追う時代から、滞在の質を問う時代へ入っている。どこに泊まるか。何を食べるか。雨の日に何をするか。歴史とどう向き合うか。子どもが楽しめるか。地元に負担をかけすぎないか。こうした問いに答えられるホテルが、これからの沖縄では強い。

INFINISIS 那覇 首里城 by ヒューイットリゾートは、まだ完成形ではない。2026年のリブランドは第一歩であり、2027年の改装が本当の勝負になる。しかしその方向性ははっきりしている。那覇の街中で、首里の歴史に近く、天候に左右されにくく、家族にも使いやすいリゾート。海だけではない沖縄を、ホテルの中から提案する試みである。

旅人はしばしば、目的地を一つのイメージで覚える。沖縄なら青い海。那覇なら国際通り。首里なら城。だが良いホテルは、そのイメージを少し広げてくれる。海のない丘にも沖縄はある。雨の日にも旅はある。夜景の中にも、王国の記憶は残っている。

Sources and references

この記事は、コアグローバルマネジメント、NBIホールディングス、Traicy、Accor / ノボテル沖縄那覇、首里城関連の公開情報を参考にしました。ホテル名称、施設内容、改装予定、予約条件は変更される可能性があるため、宿泊前に公式発表を確認してください。