2人2022年秋の部員数(地元紙報道)
県8強2026年秋季岐阜県大会
12月11日全国9地区の候補校発表予定
1月29日2027年・最終選考予定
取材方法:岐阜県高校野球連盟、学校公式試合結果・沿革、地元新聞の報道、国会資料による文書取材。学校・選手・指導者への独自インタビューは行っていない。2027年の21世紀枠出場校は未決定。

わずか2人から、県代表の候補校へ

岐阜県瑞浪市の麗澤瑞浪高等学校に、もう一つの春の甲子園への道が開いた。岐阜県高等学校野球連盟は11月5日、第99回選抜高等学校野球大会の「21世紀枠」県推薦校に同校を選んだと発表した。決め手の一つとなる競技成績は、今秋の県大会8強。だが推薦の意味を理解するには、勝敗表の数字だけでは足りない。2022年秋には部員が2人となり、他校との連合チームで大会に臨んだ時期があった。その学校が4年後、県内の推薦を受けるところまで歩みを進めた。少人数の苦境からどう立ち直ったのか。競技力と学校生活の両方を問う選考は、この歩みに光を当てた。

「推薦」と「出場決定」は違う

今回決まったのは、岐阜県からの推薦である。春の甲子園への切符が確定したわけではない。県高野連によると、12月11日に全国9地区の候補校が発表され、2027年1月29日の選考委員会で21世紀枠の出場2校が選ばれる予定だ。記事を読む際、県推薦、地区推薦、最終選出の三段階を混同してはならない。「甲子園出場決定」とする表現は現段階では誤りになる。県内で認められたことそのものに価値はある一方、競争はここからさらに厳しくなる。

2022年秋、連合チームを経験した

岐阜新聞が11月5日に報じたところによると、麗澤瑞浪は2022年の秋季大会時、硬式野球部の部員が2人で、連合チームに加わったことがある。少数部員の学校が試合に参加するための連合は、高校野球が人口減少や部活動の担い手不足と向き合ってきた一つの制度だ。ただし当時の2人の氏名、練習の実情、再建を主導した具体的な人物について、今回参照した学校と連盟の資料は十分な記述を示していない。個人の苦労や発言を想像で補ってはならない。確実なのは、当時の少人数と2026年の秋季県8強が、同校の歩みの異なる地点を示していることである。

8月、地区予選で初めての全勝優勝

復調の過程は今年夏の公式記録からたどれる。学校によると、8月10日の中津川工業戦を4―0、13日の多治見工業戦を5―3、15日の土岐商業戦を6―1で制し、秋の地区予選を3戦全勝で初めて制覇した。相手を毎試合無失点に抑えたわけではない。接戦を勝ち切る試合と、比較的余裕を持って試合を進める試合の両方があった。強豪校に勝ち続けたという単純な美談ではなく、県大会のシードを得る段階まで戦力を整えてきたという具体的な成果だった。

6―5、7―6、そして4―5

9月の第79回秋季東海地区高等学校野球岐阜県大会でも、楽な勝利はなかった。9月6日、多治見工業に6―5で勝利。次の帝京大可児戦は延長10回のタイブレークにもつれ込み、7―6で競り勝った。準々決勝の関商工戦では4―5、サヨナラ負け。学校が10月1日に公表した結果は、6年ぶり4回目の県大会ベスト8進出を示している。わずか3試合、合計で1点差の勝敗が続いた。勝ち切った2試合と、あと1点届かなかった1試合。2026年の麗澤瑞浪を説明するなら、この接戦の連続を抜きにできない。

21世紀枠はなぜ生まれたのか

春の選抜に21世紀枠が設けられたのは2001年の第73回大会からだ。夏の選手権が各地方大会の勝者を集めるのに対し、選抜には秋季大会の成績などから学校を選ぶ性格がある。この特色を生かし、限られた環境で努力を続ける学校、学業と野球を両立する学校、地域社会に貢献する学校などにも目を向けるために枠が作られた。衆議院の文部科学委員会でも2017年に、選考の考え方として少数部員などの困難の克服、文武両道、練習の創意工夫、校内・地域への好影響などが説明されている。ただし過去の説明と2027年大会の細則を無条件に同一視せず、最終の適用基準は主催者の最新資料を確認する必要がある。

「麗澤」が意味する助け合い

この学校の歴史をさかのぼると、瑞浪分校が開校した1960年に行き着く。1962年には麗澤瑞浪高等学校として独立し、1963年には全日制課程を開設した。現在は中高一貫教育と寮生活を特色とする学校で、2026年5月1日現在、高校の生徒数は360人。学校名の「麗澤」は中国の古典『易経』に由来し、互いに水を補い合う二つの泉のたとえから、助け合い切磋琢磨する姿勢を表すと学校は説明している。野球部の復活を教育理念の直接の成果と断定する根拠はない。しかし、チームを支えるとは何かを考えるうえで、校名の由来は興味深い。

練習環境と少人数の物語を両方見る

学校の部活動案内には、硬式野球部専用グラウンドや複数人が同時に打撃練習できる屋内施設があると記されている。したがって、施設面の制約まで含めた「何もないところからの奇跡」と描くのは事実を曲げる。2022年の部員不足は確かに大きな障壁だったが、その後の人数増加、指導体制、施設の活用、寮生の割合、練習時間などは、詳細な独自取材を通じて初めて説明できる事柄だ。苦境を強調する際ほど、現在の学校が持つ資源と支援も公平に伝える必要がある。

県8強の次に問われるもの

21世紀枠の候補校として評価されるのは、野球の強さだけではない。しかし、競技力が不要という制度でもない。麗澤瑞浪の県8強は実際の試合で獲得したもので、推薦の前提を支えている。一方、地域貢献や学業との両立などの具体的な評価理由については、県高野連の11月5日告知が詳述していない。学校側の発表と指導者への取材で、活動とその成果をさらに確かめたい。審査の中身を想像で美談に変えるより、確認できた努力を具体的に積み重ねる方が、推薦校を正当に伝えられる。

12月11日と1月29日、その先の春

次の節目は12月11日の地区候補校発表、その次が2027年1月29日の最終選考だ。どの学校が選ばれても、麗澤瑞浪がこの秋に残した結果は変わらない。部員2人で連合チームに参加した時代から、県大会で接戦を勝ち上がり、県の21世紀枠推薦校になるまで。春の甲子園を保証するものではないが、ひとつの地域の学校で野球を続けることの意味を考えさせる歩みだ。「推薦」を「出場」と取り違えず、その過程にある具体的な勝負と努力を見つめたい。

出典と取材方法

一次資料で試合結果、推薦日程、学校史を確認した。2022年の部員数は岐阜新聞の報道に帰属し、制度の歴史は国会記録などを参照。選考の評価理由は未公表の部分がある。

  1. 岐阜県高等学校野球連盟:第99回選抜高校野球大会 21世紀枠推薦校
  2. 麗澤瑞浪中学・高等学校:秋季県大会ベスト8・公式試合結果
  3. 麗澤瑞浪中学・高等学校:東濃地区予選初優勝
  4. 麗澤瑞浪中学・高等学校:概要・沿革
  5. 麗澤瑞浪中学・高等学校:部活動・硬式野球部
  6. 岐阜新聞:2026年11月5日の推薦報道(部員2人・連合チームの経緯)
  7. 日本高等学校野球連盟:大会運営・21世紀枠の公表資料
  8. 衆議院文部科学委員会:21世紀枠創設と選考の趣旨(2017年議事録)
  9. 学校法人廣池学園:学園のあゆみ
  10. Yahoo!スポーツ:麗澤瑞浪の2026年公式大会スコア参照