台風25号で被害を受けた千葉県内の鉄道は、復旧の進み方に大きな差が出ている。JR東日本は内房線の姉ケ崎―木更津間について、復旧まで少なくとも3カ月程度かかると見込む。一部で運転が再開しても、通勤・通学の経路を組み直す必要がある状況は続く。[1]

この記事は9月24日午後(日本時間)までに確認した公表情報に基づく。再開予定は確定した運転実績ではない。出発前に各社の最新情報を確認してほしい。

再開しても、通常ダイヤとは限らない

JR東日本の9月23日19時30分発表では、内房線の千葉―姉ケ崎間は朝夕に通常の2割程度、総武本線の千葉―榎戸間は6割程度の運転としている。土砂流入、線路冠水、倒木などが広い範囲で確認され、同社は可能な範囲でテレワークの活用も呼びかけた。[1]

外房線の千葉―安房鴨川間は24日の始発から再開する計画が示され、千葉市も住民に周知した。[4] 同日午後のJR運行情報では外房線は平常運転と表示されている。[2] ただし、接続先の路線まで元の状態に戻ったわけではない。

主な不通区間と復旧の見通し

以下は9月24日に確認したJR東日本の見通し。所要期間は発表時点の概算で、今後変わる可能性がある。[2]

路線・区間再開・復旧の見通し
内房線 姉ケ崎―木更津少なくとも3カ月程度
総武本線 榎戸―成東1カ月程度
成田線 佐原―銚子2週間程度
久留里線 木更津―久留里1週間程度
久留里線 久留里―上総亀山見通し立たず

内房線の木更津―安房鴨川間と成田線の新木―木下間は、9月26日の再開を見込む。上表のうち久留里―上総亀山間を除く4区間では、28日以降のバス代行輸送を検討中としている。実施や時刻表が決まったという案内ではない。[1]

小湊鐵道は道路被害も制約に

小湊鐵道の23日更新の案内によると、五井―上総牛久間は平常通り運行する一方、上総牛久―上総中野間は当分運休する。並行道路も被災し、27日までは代行輸送を行わず、28日以降も未定という。8月の豪雨被害を受けて組んでいた運行計画も白紙になった。[3]

鉄道の代わりにバスを走らせれば済むとは限らない点が、地域の移動確保を難しくしている。通勤や通学だけでなく、家族による送迎や通院の予定にも調整が必要になり得る。

学校と職場は、経路ごとの事情を

編集部の分析では、企業が勤務体制を考える際は「県内の鉄道が再開したか」より、従業員が利用する区間と時間帯を把握することが重要だ。現場勤務では在宅勤務への切り替えが難しく、始業時刻やシフトの調整も検討材料になる。

学校でも、通常の始業・下校時刻で移動できるかを経路ごとに確認する必要がある。列車の本数が少ない場合、行きの便だけでなく帰りの接続が問題になる。具体的な登校方法や授業の扱いは、各校からの案内を確認したい。

沿線の商店や観光施設にとっては、従業員の出勤と来店客の移動の両方が課題となる。この記事で個別店舗の売上減や学校の欠席増を確認したわけではないが、長期不通の見通しは、営業や人員配置の計画を見直す判断材料になる。

復旧を生活の回復につなげるには、線路が通ることに加え、必要な時間に移動できることが欠かせない。当面は、代行輸送の具体化と運転本数の回復を区間ごとに追う必要がある。

出典

  1. JR東日本:9月24日以降の千葉県内運行計画(9月23日19時30分発表、PDF)
  2. JR東日本:関東エリア運行情報(9月24日午後確認)
  3. 小湊鐵道:運行状況(9月23日更新)
  4. 千葉市:外房線の運転再開に関する周知(9月23日)