むつ市のご当地グルメが、東北のパン売り場に広がっている。工藤パンと大湊海自カレーの共同企画「おおみなと海自カレーパン」が第10弾を迎えた。今回は海上自衛隊大湊基地給養係がパン向けのオリジナルカレーを開発。大湊海自カレー普及会提供店舗部会が監修した。[1]
パンのために仕立てたカレー
県の発表では、隠し味はデミグラスソース。販売期間は8月28日から10月31日までの予定で、税抜き145円。東北6県のスーパーや一部のコンビニ、ドラッグストアなどが販売先として案内されている。[1]
工藤パンの商品紹介によると、生地にはバター入りマーガリンを練り込み、カレーと福神漬けを包んでいる。表面にパン粉をのせて焼き上げる作りだ。カレーに添えることの多い漬物を中に入れ、一つのパンで味わえる形にまとめている。[2]
部隊ごとに異なる味が出発点
大湊(おおみなと)海自カレーの背景には、海上自衛隊の部隊ごとの食事がある。普及会の公式サイトによると、大湊基地所属の艦艇などでは、それぞれ独自のレシピでカレーを作っている。その味を、むつ市内の飲食店で再現するのが地域の海自カレーの仕組みだ。[3]
「海軍カレー」と「海自カレー」は、名称も成り立ちも同じではない。公式サイトは、歴史的な海軍の調理書をもとに復元したものと、現在の海上自衛隊の部隊の味を再現したものを区別している。今回のパンの名称も「海自カレー」だ。[3]
レシピだけでなく、作り方も伝える
認定店になるには、部隊のレシピを受け取るだけでは足りない。普及会の説明では、調理員から作り方の指導を受け、試作を重ねたうえで、艦長や司令による審査を通る必要がある。分量を記した紙だけでは伝わりにくい工程も、実際の調理を通じて共有する。[4]
この認定制度は、飲食店で部隊の味を再現するためのもの。今回のパンは、パンに合わせて開発されたカレーを使う商品として紹介されている。認定店で味わう各部隊のカレーとは、別の楽しみ方ができる。
土地の料理と出合う、身近な売り場
ご当地料理には、現地を訪れて食べる楽しみがある。一方、日々の買い物で手に取れるパンは、旅の前から土地の名前や食文化を知る入り口になる。今回の共同企画は、地域の味を別の商品に仕立て、広い売り場へ届ける試みといえる。
パンをきっかけに大湊海自カレーを知った人が、次はむつ市の認定店で部隊ごとの味を比べる。そんな楽しみ方もできる。ただし、東北6県という販売エリアは、すべての店舗での取り扱いを意味しない。購入時には各店の入荷状況を確かめたい。