メドレーは、介護職・看護師向けのスポットワークサービス「Ucare(ユーケア)」事業をUSEN WORKINGから取得する。予定対価は3億3000万円で、実行時の価格調整によって変動する。単発の勤務と長期雇用を結ぶ事業拡大だが、介護現場での価値は、人を集める力を安定した勤務とケアにつなげられるかにかかる。[1]
12月1日に事業を承継する予定
メドレーが9月17日に公表し、USEN WORKINGは翌18日に吸収分割契約を締結したと発表した。効力発生日は12月1日の予定。対象はUcare事業で、USEN WORKING全体の買収ではない。9月24日時点で、承継は完了していない。[1][2]
Ucare事業の2025年8月期売上高は5億8400万円。メドレーは、既存の顧客や会員への案内によってマッチング機会を増やし、多様な就業ニーズに対応する考えだ。[1] これは会社が掲げる狙いであり、統合後の成果は今後確認する必要がある。
単発勤務を仲介する仕組み
Ucareのワーカー向け利用規約は、サービスを日々または臨時的に雇用される求人への職業紹介と位置付ける。求人者と働き手の労働契約を仲介し、賃金の立て替え払いなどを行う仕組みだ。[3] 運営会社がすべての働き手を雇用して施設へ派遣するという理解では、サービスの実態を捉えられない。
USEN WORKINGは、承継後もUcareの提供を続け、利用中の働き手や施設・医療機関との契約内容に変更はないと説明している。[2] 現在の利用者にとっては、事業の移管が日々の応募、勤務確認、支払いに支障を生まないかが身近な関心事となる。
勤務が決まった先にある受け入れの仕事
編集部の分析では、スポットワークの評価は求人が埋まる速さだけでは足りない。初めて訪れる施設で働く人には、担当する業務、連絡先、記録の方法、利用者ごとの注意点を伝える時間が必要になる。資格を持つことと、その施設の手順に慣れていることは同じではない。
例えば、短時間の勤務でも、前の担当者から何を引き継ぎ、次の担当者へ何を残すかが曖昧なら、常勤職員の確認作業が増える可能性がある。受け入れ人数を増やす際は、説明や引き継ぎにかかる負担も含めて効果を見たい。
同じ施設で繰り返し働く人が増えれば、互いの仕事を理解しやすくなる可能性もある。単発勤務を継続的な関係や長期雇用につなげられるかは、募集件数とは別の評価軸になる。
施設と働き手の双方に使いやすいか
施設側では、勤務の直前に欠員が生じた場合の対応や、応募者に提示する業務内容の分かりやすさが重要だ。働き手にとっても、到着してから想定外の業務を求められず、勤務時間や報酬を確認できることが継続利用の判断材料になる。
事業統合を評価する際は、実際に勤務が行われた割合、同じ施設での再勤務、長期雇用への移行、現場の受け入れ負担などを見たい。これらは今後確認したい指標であり、Ucareに問題が発生しているという指摘ではない。
地域の介護を支えるうえで必要なのは、空いた勤務枠を埋めることと、利用者の暮らしを途切れず支えることの両立だ。メドレーの事業拡大がその助けになるかは、取得後の利用実績と現場の運用によって明らかになる。

