マップの読み方: これは総合順位ではなく、異なる四つの指標である。2025年12月31日現在の現職議員を都道府県別に集計している。市区議会の女性比率が高くても、都道府県議会や町村議会も高いとは限らない。また、示されるのは「誰が議席にいるか」であり、格差の原因や各議員の投票行動を直接証明する資料ではない。

色は、不平等を妙に整然と見せる。内閣府の新しい「女性の政治参画マップ」では、各都道府県が議会に占める女性割合に応じて塗り分けられている。輪郭は見慣れた日本列島だが、その内側にある民主主義の姿は、驚くほど一様ではない。

都道府県議会で女性比率が25%を超えるのは東京都だけだ。現員127人のうち女性45人、35.4%。対極の大分県議会は43人中2人、4.7%である。両者の差は、単なる小数点の違いではない。議席を女性が占める比率に7倍を超える隔たりがある。

ところが、議会の種類を変えると絵柄も変わる。市区議会では東京都が35.2%で首位、長崎県が10.2%で最下位。町村議会では東京都ではなく大阪府が36.4%で首位となる。ただし大阪の分母は107人と小さい。最下位は青森県の6.0%だ。

第四の地図は、さらに根源的な問いを投げかける。議場に女性が一人でもいるのか。調査対象の市区町村議会1,740のうち200議会には、女性議員が一人もいなかった。ゼロ議会がない都道府県は9。青森県では40議会中14、実に35%が女性ゼロで、山梨県が33.3%で続く。

14.7%都道府県議会の女性議員割合
21.1%市区議会の女性議員割合
14.9%町村議会の女性議員割合
200議会女性議員が一人もいない
この地図の核心は、どこか一つの都道府県が問題を「解決した」ということではない。日本には複数の政治への入口があり、その扉の開き方が同じではないということだ。

四つの地図、四つの物語

内閣府男女共同参画局は7月31日、政治参画マップを公表した。資料の出所は総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調」で、基準日は2025年12月31日。女性ゼロ議会の集計では、調査時点で改選中だった熊本県球磨村を除いている。

指標全国最高最低
都道府県議会議員2,599人中381人 · 14.7%東京都 · 35.4%大分県 · 4.7%
市区議会議員18,281人中3,858人 · 21.1%東京都 · 35.2%長崎県 · 10.2%
町村議会議員10,403人中1,548人 · 14.9%大阪府 · 36.4%青森県 · 6.0%
女性ゼロの市区町村議会1,740議会中200 · 11.5%9都府県 · 0%青森県 · 35.0%

分母への注意が欠かせない。東京都の市区議会比率は現員1,491人を集計する一方、大阪府の町村議会首位は107人に基づく。一議席の交代が比率に与える影響は大きく違う。また、すべての議員が同じ日に選ばれたわけではない。統一地方選で多くの選挙が同時期に行われるとはいえ、任期と改選時期は議会ごとに異なる。これは異なる選挙と有権者が生み出した議場を、同じ基準日に撮影したスナップ写真である。

県内のねじれも見える。京都府は府議会で24.1%の全国2位、市区議会も25.2%の6位だが、26市区町村議会のうち3議会は女性ゼロ。山口県は町村議会で23.1%と高く、女性ゼロ議会もないが、県議会は17.0%。愛知県の市議会は21.8%に達する一方、県議会は7.1%にとどまる。

こうした食い違いは、「保守的な地方」「進歩的な都市」といった短い説明では足りないことを示す。候補者の発掘、政党組織、選挙区定数、現職の強さ、市町村数、地域ネットワーク、直近選挙の時期がそれぞれ作用する。地図が教えるのは結果の違いであり、原因を一つに確定するものではない。

「空席」ではない不在の重さ

女性議員ゼロの議会があるからといって、その地域に女性リーダーがいないわけではない。日本各地で女性は企業や農業を担い、介護や教育、自治活動、ボランティア、防災を支えている。この数字が示すのは、もっと限定的で、それゆえ重大な事実だ。そうした経験を持つ女性が、正式な議決権を持つ議場には一人もいないということである。

女性は一つの政治集団ではない。保守、革新、中道、無所属があり、世代も政策観も異なる。女性議員がいれば自動的に「女性政策」が実現するわけでも、女性同士が合意するわけでもない。記述的代表性が変えるのは、議論に誰が参加できるかであって、参加者が何を信じるべきかではない。

それでも、存在は制度に影響する。内閣府が2025年3月に公表した全国調査では、「女性議員の存在により議論が多様化し、多様な住民ニーズが政策に反映されている」と回答した地方議員は、女性71.4%、男性51.3%だった。女性回答者の過半数は住民の議会への関心が高まったとし、43.6%は透明性が向上したと答えた。これは議員の認識を尋ねた結果で、政策効果を無作為比較で証明するものではないが、当事者が議場の変化をどう見ているかを示している。

ゼロと一の差は特に大きい。一人の女性が、それまで扱われなかった問いを提起し、傍聴する人に立候補を現実の選択肢として見せることがある。一方で、その一人が人口の半分を代表する役割を背負わされ、孤立し、取引や助言が行われる非公式ネットワークから外される危険もある。研究者が「ゼロ・ワン議会」と、一定数の女性が負担を分かち合える議会を区別するのはそのためだ。

1946年、開いた扉はすぐに狭くなった

2026年の地図の下には、80年の歴史がある。日本女性は戦後憲法よりはるか前から政治参加を求めて組織化していた。市川房枝、平塚らいてうらは、女性に選挙権がないだけでなく、治安警察法第5条によって政治結社への加入を禁じられ、1922年の改正までは政治集会への参加さえ妨げられていた時代に運動した。

敗戦後、参政権は驚くほど速く実現した。戦後対策婦人委員会は1945年9月、婦人参政権などを要求。幣原内閣は10月に選挙法改正を決め、12月成立の改正法で20歳以上の男女に平等な選挙権が認められた。

1946年4月10日、約1,380万人の女性が初めて総選挙で投票した。女性候補79人のうち39人が衆議院議員に当選し、議席の8.4%を占めた。華々しい出発だったが、その数字は入口の脆さも隠していた。女性当選者は1947年に15人、続いて12人、9人、9人、8人と減少。39人という記録が衆議院で再び超えられるまで、長い時間がかかった。

1919~20年:市川房枝、平塚らいてうらが新婦人協会を形成。

1922年:女性の政治集会参加が認められる。

1945年12月:改正衆議院議員選挙法で女性参政権が実現。

1946年4月10日:女性が初めて国政選挙で投票し、39人が衆議院へ。

1985年:日本が女子差別撤廃条約を批准。

1999年:男女共同参画社会基本法が施行。

2018年:政治分野における男女共同参画推進法が施行。

2021年:同法改正。ハラスメント防止と参画環境への対応を強化。

2026年7月31日:新しい全国政治参画マップを公表。

狭い入口を維持した要因は複数ある。戦後政治は現職、後援会、資金、知名度、長時間の人間関係づくりを有利にし、それらの資源は歴史的に男性へ集中してきた。有償労働と家庭内ケアの性別分業は、誰が政治を常勤の仕事として選べるかを左右した。政党の候補者選考も男性中心の既存ネットワークから人材を探し、その結果生じた女性候補の少なさを、あたかも自然にできた「人材不足」のように説明してきた。

クオータではない「候補者男女均等法」

2018年の政治分野における男女共同参画推進法は、考え方の転換点だった。衆参両院と地方議会の選挙で、男女の候補者数ができる限り均等になることを基本原則に掲げた。国と地方公共団体の責務を定め、政党などに数値目標の設定を含む自主的な取り組みを求めた。

しかし、女性のための議席を確保する法律ではない。拘束力のある候補者クオータも、男女不均衡への罰則もない。力点は情報公開、働きかけ、支援、そして政治的説明責任にある。2021年改正は実態調査、研修、家庭生活との両立、ハラスメント防止への規定を強めたが、強制的なパリテ制度に変えたわけではない。

2026年3月に決定された第6次男女共同参画基本計画は、2030年までに衆院・参院選候補者の女性割合をそれぞれ35%とする目標を掲げる。基準となる現状値は、2026年衆院選24.4%、2025年参院選29.1%。候補者の男女差が大きいままでは、当選者の均衡も生まれにくい。ただし候補になることは一つの関門にすぎない。勝てる選挙区への配置、政党資源、選挙運動支援、そして有権者の選択が議席を決める。

2018年法が定めること、定めないこと
  • 国政と地方議会の選挙を対象とする。
  • 男女候補者数を「できる限り均等」にする基本原則を掲げる。
  • 政党に目標設定と自主的な取り組みを求める。
  • 国と地方公共団体に責務を課す。
  • 拘束的クオータ、議席留保、未達成への罰則は設けていない。

政治への道を細くするもの

内閣府の最新大規模調査は、抽象論を具体的な回答へ変えた。2024年末に実施され2025年3月に公表された調査には、立候補を考えたが断念した1,000人、立候補して落選した98人、現職地方議員5,075人が回答した。現職回答者のうち女性は1,213人だった。

立候補を断念した女性が多く挙げた障壁は、資金不足、知名度不足、専門性・経験不足。しかし男女差が特に大きかったのは、性別特有の健康課題、「政治は男性が行うもの」という周囲の思い込み、同性候補が少なく気軽に相談できる相手がいないことだった。

現職女性議員の73.6%は、政治活動と家庭生活の両立に課題があったと回答した。男性は36.4%。両立に課題があった女性の78.5%が家事、40.3%が育児を挙げた。男性がケアをしないという意味ではない。回答者の間で、ケアの政治的コストが平等に分配されていないことを示す。

ハラスメントも周辺的な問題ではない。選挙運動、議員活動、日常の政治活動で本人・家族・支援者がハラスメントを受けたとした現職女性議員は53.8%、男性は23.6%だった。本人が被害を受けた議員では、女性の方が、性別に基づく侮辱的発言、不要な身体接触やつきまとい、性的な言葉による嫌がらせを大幅に多く報告した。

孤立は負担を重くする。2026年7月公表の別の内閣府調査では、女性議員ネットワークへの参加を尋ねた。回答者1,797人のうち、調査定義に合うネットワークへ加入していたのは31.2%。都道府県や議会の種類で大きな差があり、都道府県議会と政令指定都市議会では回答者の半数を超えた一方、市・特別区・町村議会は約3割だった。匿名調査で全女性議員を完全に代表するとは限らないが、選挙地図の背後にある支援基盤の格差を照らす。

地図が明らかにするもの、歪めるもの

地図は全国的な不平等を物理的な形にする。青森の議員が山口と比べ、あるいは大分の政党組織が東京の候補者経路との違いを問うきっかけになる。同じ指標を継続して示せば、改革の効果が一度の選挙を超えて残ったかも追跡できる。

一方、色分けは境界を誇張する。区分線のすぐ上とすぐ下で色が変わり、実際以上に大差があるように見えることがある。小さな議会では一議席で比率が大きく動く。都道府県内の全市議会を合算すると、男女同数に近い市と女性ゼロの市が並存していても見えない。年齢、障害、民族、階層、性的指向、政党、在職年数、議長や委員長などの権限あるポストも地図からは分からない。

何より、相関は因果ではない。都市化、所得、選挙制度、政党間競争のどれが比率を生んだかを、このデータだけでは確定できない。高い女性比率も、包摂的な政治文化の保証ではない。女性が当選していても、ハラスメントが放置され、ケア責任のない議員だけを想定した日程が続く議会はあり得る。

「見える化」から候補者経路の改革へ

実務的な対応は、立候補届より前から始めなければならない。政党は候補者の発掘、公認、資金、勝ちやすい選挙への配置を握る。選挙ごとの数値目標を公表し、政治家一族や既存組織の外から人材を探し、新人へ資金とスタッフを配分し、誰が組織支援を受けたかを検証すれば、2018年法を儀礼で終わらせず測定可能にできる。

議会は、候補者が入ろうとする職場をつくる。出産、育児、病気、介護に対応した明確な欠席規定、予測可能な会議日程、法的・技術的に適切な場合のオンライン参加、保育支援、プライバシー保護、独立したハラスメント相談、実効性ある行動規範と処分制度は、議員の基準を下げずに担い手を広げる。

ネットワークは、とりわけ女性が一人かゼロの議会で重要だ。超党派のメンタリングは、届出、資金、選挙運動、委員会手続、住民対応といった「書かれていない知識」を伝えられる。女性模擬議会や議会モニターは、市民の関心を実務的な理解へ変える。研修は女性を「修理する」ためではない。男性中心の非公式ネットワークで長く受け渡されてきた知識を公平に配るためにある。

データも細かくする必要がある。全国マップを、市町村別の数字、候補者と当選者の比率、無投票、公認、改選、役職、育児・介護制度やハラスメント対策の実際の利用状況と重ねるべきだ。問うべきは女性が何人当選したかだけではない。どこで出馬を求められ、どんな支援を受け、政治を続けられたか、そして次の女性が後に続けたかである。

関門見るべき指標行動できる主体
発掘声を掛け、育成し、公認した女性数政党、市民団体、政治塾
選挙候補者比率、勝ちやすい配置、資源、当選率政党、選管、有権者
職場欠席制度、会議時間、遠隔参加、ハラスメント対応議会、地方公共団体
定着再選、役職、離職とその理由議会、政党、研究機関
次世代特にゼロ・ワン議会での助言とネットワーク接続超党派ネットワーク、公的機関

次の地図ができるまで

日本で初めて投票した女性たちは、80年前の一日で39人の国会議員を生み出した。その瞬間はしばしば「到達」として語られる。2026年の地図は、より厳しい物語を示す。法律上の扉が開いても、そこへ続く道は不平等なままになり得る。

前進は確かにある。今回の指標の一部では女性比率が3分の1を超え、9都府県では女性ゼロの市区町村議会がなくなった。市区議会の全国平均は5人に1人を超える。停滞だけを語って、これらを消すべきではない。

しかし全国平均が空白の議場を隠してもならない。青森と山梨では対象市区町村議会のおよそ3分の1に女性がいない。都道府県議会のうち12県は10%未満。市区議会の平均21.1%は男女同数ではなく、県議会と町村議会の平均は15%にも届かない。

地図そのものは候補者を探さず、選挙資金を出さず、家事を分担せず、ハラスメントを止めない。ただし、「問題が見えなかった」という言い訳を消すことはできる。次の版では色が変わったかが分かる。それまでに問われるのは、政党、議会、地域社会が何をするかだ。町役場を見上げる少女が、政治を誰かのための例外ではなく、自分にも当然想像できる仕事だと思えるようにするために。

取材ノート・主要資料

マップの数値はすべて日本政府の公式資料に基づき、小数点第2位を四捨五入した。「女性」の区分は原資料に従うもので、より広いジェンダー・アイデンティティのデータは掲載されていない。アンケート結果は回答者の状況を示し、因果関係の証明や全政治家の全数調査とはみなせない。