結果を読む際の注意: この調査で測れるのは、日本の学習指導要領に基づく学力の一部分であり、子どもの知性全体や学校の価値全体ではありません。問題と難易度が年度ごとに異なるため、平均正答率の上下だけを厳密な経年変化とみなすことはできません。読書、画面時間、授業経験と成績の関係は相関であり、因果関係の証明ではありません。

小学6年国語の一問は、白い服と黒い服では熱や光の吸収がどう違うかを扱った文章を引用し、炎天下で涼しく過ごせそうな色を自分の考えとして書くよう求めた。意見にはたどり着いても、資料の言葉と自分の判断を区別し、引用を結論の根拠にするところで多くの児童が止まった。条件を満たした正答率は33.6%だった。

同じ「橋」が、2026年度全国学力・学習状況調査の随所に現れる。言葉とその効果の間、図と割合の間、英語の意見とそれを支える理由の間にある橋だ。弱点は、何も知らないことや無言であることとは限らない。「なぜなら」の後ろが完成していないのである。

文部科学省と国立教育政策研究所は7月16日に全国平均を、8月3日に全国データに基づく詳しい分析を公表した。対象は義務教育の二つの節目にいる小学6年生と中学3年生。対象者は関連校種を含めて約180万人、対象校は2万8000校を超えた。

61.1%小学校国語の平均正答率
56.6%小学校算数の平均正答率
64.2%/57.4%中学校国語/数学
499中学校英語4技能のIRTスコア
最も示唆に富む全国結果は、誤答が多かったことではない。結論には来たが、その結論を支える推論の鎖を最後までつなげられない解答が多かったことである。

五つの数字と「順位表」の限界

小学校は国語13問中平均7.9問、算数16問中9.1問が正答だった。中学校は国語15問中9.6問、数学16問中9.2問。全面的にコンピューターで実施された英語は項目反応理論(IRT)の尺度で示され、4技能の全国値は499、全国の各学校へ返却される「聞く・読む・書く」3技能は502だった。

調査全国値意味
小学校国語61.1%13問中平均7.9問正答
小学校算数56.6%16問中平均9.1問正答
中学校国語64.2%15問中平均9.6問正答
中学校数学57.4%16問中平均9.2問正答
中学校英語IRT 499聞く・読む・書く・話すの統合値。「話す」は当日実施500校のデータから全国値を算出

これは毎年同じ問題を使う定期試験ではない。出題内容も難易度も変わる。したがって、正答率が前年より数ポイント動いたことを、そのまま全国の基礎学力が同じ幅で上下した証拠とはできない。英語でIRTを導入したのはその課題への一つの答えで、全員が同じ問題を解いた割合だけでなく、どの難易度の項目にどう反応したかから能力を推定する。

秋には都道府県・指定都市別の分析が公表される予定だ。その時こそ順位づけの誘惑が強まる。しかし2007年の開始時から文科省は、この調査が測るのは学力の特定の一部分であり、学校の序列化や過度な競争につながらないよう求めてきた。

消えた「なぜなら」

公式分析は、誤答の中身を読むことで平均点に生命を与える。小学校国語の引用問題では、涼しそうな色についてもっともらしい意見を書いても、集めた情報を引用しなかったり、引用と自分の考えを明確に分けなかったりした解答が目立った。必要なのは単に長く書くことではない。「根拠」と「そこから考えたこと」を見える形で分けることだ。

中学校国語も同じ課題を別の角度から問うた。「きっぱり」という擬態語が表す具体的な様子と、擬態語がもつ効果を本文の言葉を使って説明する問題の正答率は39.3%。自信をもって言う姿は想像できても、その解釈を読んだ文章に十分結び付けられない生徒がいた。

英語でも構造は変わらない。インターネット利用について考えと理由を書く問題の正答率は53.5%で、43.6%は意見を書いたものの必要な理由を欠いた。留学生と一緒に何をしたいか、その理由とともに話す問題は28.4%。行動を言えても、理由を整理してマイクへ届けるところで落ちた。2019年度の類似する発話課題は45.9%だったが、問題が異なるため単純な経年比較ではない。

三教科に共通する「理由の鎖」
  • 国語: 資料を引用し、自分の考えと区別し、その根拠から結論がどう導かれるかを示す。
  • 算数・数学: 数量や図形の条件を見いだし、関係を表現し、答えを正当化する。
  • 英語: 意見や希望する行動を述べ、理由を添え、相手に伝わるまとまりにする。

8×8ではなく、8×8×8

算数では、一辺8センチの立方体の体積を求める式が出た。正解は8×8×8。しかし10.2%が8×8と書き、正方形の面積の公式を使った。さらに5.5%は8×6、8×3などと答えた。立方体に関係する数字は覚えていても、三次元の形と計算の意味が結び付いていない可能性がある。

赤いテープが白いテープの1.5倍になっている図を二つ選ぶ問題の正答率は34.5%。大きな誤答群は「1.5倍」を、基準量に1.5目盛りを足すことのように捉えたとみられる。掛け算的な比較と足し算的な差を混同する。この小学校段階のずれは、その後の数学、理科、金融、統計まで続く。

中学校数学では、二直線が平行であることを示す根拠となる角の組を正しく選べたのは49.6%だった。見た目が対になっている角を選んでも、同位角や錯角の正確な関係を捉えられない生徒がいた。公式分析は、図形を実際に活用する場面や、量と割合を図で表す指導を通して意味を深めることを求めている。

耳を持つコンピューターテスト

2026年度の英語調査は技術的な転換点となった。「聞く・読む・書く・話す」の4技能すべてをCBT(Computer Based Testing)で実施した。生徒は4月20日から5月にかけた実施期間に、画面、音声、マイクを使った。「話す」を除く3技能は参加校全体、「話す」の全国4技能値は指定日程で実施した500校のデータを基に算出した。

これは鉛筆をキーボードに替えるだけではない。発話を記録し、共通の課題で、紙では測れない力を測定できる。IRTを使えば異なる問題群を共通尺度に置ける。一方、数千校で端末、ヘッドセット、通信、合理的配慮、試験の安全性、技術支援を安定させる必要がある。

国は2027年度から全教科をCBT化する方針だ。4月の一日に全国が同じ冊子へ向かう光景は、実施期間と問題バンクを使う方式へ変わる。結果を早く、細かく返せる可能性がある一方、学校のデジタル環境そのものが測定条件の一部になる。

「つくるICT」と「消費する画面」

児童生徒質問調査は、学習のためにICTを使いこなすことと、学校外で長時間画面を消費することを分けて見せた。情報を整理する、発表資料をつくる、文章を書く、インターネットで調べることに自信がある児童生徒ほど、各教科の結果が高い傾向にあった。約9割はICTによって楽しく学び、友達と協力できると答えた。

一方、平日にスマートフォンなどでSNSや動画を見る時間が長いほど、全教科で結果が低い傾向だった。1日4時間以上と答えた割合は小学生21.7%、中学生28.5%。中学校英語では、4時間以上の層の平均IRTスコアは463、30分未満の層は548だった。大きな勾配だが、実験結果ではない。

長い画面時間が睡眠、読書、学習を押しのけている可能性はある。しかし、ストレス、家庭環境、学習からの離脱など別の要因が画面時間と成績の両方へ影響している可能性もある。自己申告の時間にも誤差がある。適切な結論は「スマホが点数を下げた」と断定することではなく、教育的な創作と受動的な消費を区別し、家族、学校、研究者がさらに確かめるべき大きな関連があるということだ。

教室を支える静かな構造

約8割の児童生徒が、学習指導要領の掲げる「主体的・対話的で深い学び」に取り組んだと答えた。課題解決へ自分から取り組んだと感じる子どもほど、各教科の結果が高い傾向だった。ICTへの自信、読書が好きであること、授業がよく分かると感じることも、より高い結果と関連した。

点数の外側にある重要な発見もある。「先生は、あなたのよいところを認めてくれる」と感じる児童生徒ほど、「学級で人と違う意見を言っても否定されない」と考えていた。相関係数は小学校0.316、中学校0.331。因果の方向を証明する数値ではないが、良い教室の条件を描いている。教師が自分の価値を見てくれていると信じられるとき、知的なリスクを取りやすくなる。

算数・数学の平均正答率に大きな男女差がない一方、「得意だ」と考える割合は男子の方が高かった。自信と実力は同じではない。国語と英語では女子が男子を大きく上回ったが、数学の結果は、実際の能力以上に自己認識を固定化しないことの重要性を示す。

全国テストは正答を数えられる。全国質問調査は、間違うかもしれない答えを口にできるほど安心しているかも尋ねられる。後者は、何年にもわたり前者を形づくるかもしれない。

「PISAショック」から全国の鏡へ

現在の全国学力調査は2007年に始まった。背景にはPISA2003、TIMSS2003で学力や学習意欲の低下傾向が意識されたことがある。2005年の「骨太の方針」は全国的な学力調査の検討を求め、中央教育審議会も義務教育の質と機会均等を保証する仕組みの一つとして実施を提言した。

初回は国語と算数・数学を「知識」と「活用」に分けた。卒業試験ではない。国は政策を検証し、教育委員会は全国の状況との関係で地域を見つめ、学校は授業を改善し、児童生徒には個人票を返す。診断の鏡として設計された。

2007年: 小学6年・中学3年の悉皆調査として現在の制度が始まる。

2010・2012年: 抽出調査と希望利用方式で実施。2011年は東日本大震災を考慮し調査を見送る。

2013年: 全数を対象とする「きめ細かい調査」へ戻り、2014年以降は悉皆方式を継続。

2019年: 中学校英語が加わり、「話すこと」はコンピューターを活用。

2020年: 新型コロナによる学校現場への影響を受け中止。

2025年: 中学校理科と児童生徒質問のCBT化が進む。

2026年: 中学校英語4技能を全面CBT化。

2027年: 全教科CBT化を予定。

中断にも意味がある。東日本大震災で2011年度の実施は見送られ、パンデミックで2020年度は中止になった。教育データは社会から切り離されて存在しない。2026年度に受検した子どもたちは、小学校入学前後にパンデミックを経験した世代である。休校、マスク、端末の急速な配備、オンライン学習の定着を通ってきた。

PISAでも入試でもない

日本は国際学力調査で高い成績を収めているが、全国学力調査は別の問いに答える。PISAは15歳を抽出し、知識を実生活で活用する力を国際比較する。TIMSSは学年を対象に数学・理科を国際比較する。日本の全国調査は学習指導要領に直結し、対象学年のほぼすべての公立学校へ届き、学校へ結果を返し、児童生徒・学校質問調査と組み合わせる。

高校入試の代用品でもない。受けるのは児童生徒だが、目的は制度と指導の改善である。平均点が県の名誉や学校の評判になれば、テスト対策への偏り、教育課程の縮小、困難を抱える子どもの排除という圧力が生まれる。序列化への警告は形式的な注意ではなく、診断道具としての価値を守る防波堤だ。

参加状況にも注意が必要である。公立校の実施率はほぼ100%だったが、私立校は小学校で対象校のおよそ半分、中学校でおよそ4分の1にとどまった。全国値は参加した国公私立校を含むが、制度が最も「悉皆」に近いのは公立学校である。

9月の教室へ持ち帰るもの

結果は授業へ戻って初めて価値を持つ。国語では引用部分に線を引き、自分の考えを別の色にし、本当に前者から後者が導かれるか確かめる。算数・数学では、具体物、図、言葉、式の間を何度も往復する。英語では、試験の時だけでなく短いやり取りの段階から「意見+理由」を習慣にする。

国と研究所は教育委員会向けの分析ツール、詳細な報告書、授業アイデア、研究者への個票データ貸与を進める。政策は指導法だけにとどまらない。中学校35人学級、小学校の教科担任制、支援スタッフ、教師の働き方改革、ウェルビーイングを高める学校施設も挙げた。教師に一人一人の説明を読む時間がなければ、ワークシートだけで説明力は育たない。

秋の地域別分析では都道府県・指定都市の違いが見える。「どこが勝ったか」ではなく、「この地域ではどの誤答が繰り返され、どの子どもが見落とされ、明日の授業をどう変えられるか」を問うべきだ。

一つの文に宿る全国像

全国学力調査は、日本の国際順位への不安を背景に始まった。19年後、その最も有用な貢献はもっと身近なところにある。考えはあるが根拠に結び付けられない瞬間。公式は知っているが、その中に立体の形が見えない瞬間。したいことは話せるが、理由がマイクまで届かない瞬間を示すことだ。

それは子ども、教師、県へ貼る失敗の札ではない。授業を始められる正確な場所である。2026年度の報告は、教室にすでにある資源も映す。協働しようとする児童生徒、創造的なICT活用への自信、読書への愛着、そして先生が自分のよさを認めてくれるという感覚だ。

見出しになるのは五つの全国平均だ。しかし深い物語は、暗記から説明へ、同じ紙から調整されたデジタル測定へ、学校の順位づけから学びの理解へ進もうとする制度の姿である。日本の教室に必要なのは正解を増やすことだけではない。理由を最後までつなぎ、それを声にできる信頼を育てることである。

取材注記・主要資料

全国値、設問分析、質問調査の関連は文部科学省および国立教育政策研究所の公表資料に基づきます。相関関係は因果関係として記述していません。