成績は9月19日、七日目終了時点。大相撲秋場所は、横綱・大の里と大関・琴櫻が6勝1敗で先頭に並び、中盤へ向かう。その後ろには5勝2敗の10人。優勝争いの顔触れは絞られ始めたが、先頭と追走集団の差はまだ一つしかない。[1]
9月21日は九日目に当たる。国技館で13日に始まった今場所は27日が千秋楽。本稿は七日目までに確認できた成績を基に、後半戦を読むための現在地を整理する。[2]
1敗の二人と、幅広い追走集団
協会の成績優秀力士一覧に載る幕内の1敗、2敗力士は次の通り。番付順で並ぶ星取表を勝敗の順に読み直すと、横綱・大関だけでなく、新入幕力士までが同じ争いの中にいることが分かる。[1]
| 力士 | 番付 | 勝敗 |
|---|---|---|
| 大の里 | 東横綱 | 6–1 |
| 琴櫻 | 西大関 | 6–1 |
| 霧島 | 東大関 | 5–2 |
| 熱海富士 | 東関脇 | 5–2 |
| 藤ノ川 | 西関脇 | 5–2 |
| 美ノ海 | 西前頭3 | 5–2 |
| 狼雅 | 東前頭5 | 5–2 |
| 朝乃山 | 東前頭6 | 5–2 |
| 藤青雲 | 東前頭7 | 5–2 |
| 宇良 | 東前頭9 | 5–2 |
| 金峰山 | 西前頭10 | 5–2 |
| 寿之富士 | 西前頭16 | 5–2 |
出典:日本相撲協会。力士名のリンクは公式プロフィール。[1]
この表は優勝確率を示すものではない。対戦相手も取り口も異なる力士が、同じ勝ち星を持っている。ここから見るべきなのは、先頭の二人が白星を重ねるか、追う側が取りこぼさずに差を詰められるかという、一日ごとの変化だ。
大の里、秋の実績を足場に
大の里(おおのさと)は七日目、美ノ海(ちゅらのうみ)を押し出した。対戦前はともに1敗だっただけに、自らの白星を増やすと同時に、並走していた相手を一歩後ろへ下げる一番となった。日刊スポーツも、この日の結果として1敗が二人になったことを報じている。[15]
大の里にとって秋場所は実績のある舞台だ。協会の戦歴では、2024年、2025年の九月場所をいずれも13勝2敗で制している。一方、2026年は三月場所が0勝4敗11休、五月場所は全休、七月場所は9勝6敗だった。過去の優勝だけを見て今場所を語るのではなく、今年の足踏みを経た6勝1敗として受け止めたい。[4]
七日目の勝利から確認できるのは、首位を守ったことと、有力な追走者との直接対決を取ったことだ。残りの相撲でも同じ内容を続けられるかは別の問いになる。一度の力強い勝ち方を、そのまま千秋楽までの保証にはできない。
琴櫻は、勝ち越しから優勝争いへ視線を上げる
琴櫻(ことざくら)は七日目、藤凌駕を肩透かしで破って6勝目を挙げた。[3] 協会の公式表記は「琴櫻」。七月場所の成績は8勝7敗で、十五日間を終えて一つ勝ち越した場所だった。今場所は七日目までに、早くもその勝ち星に二つと迫った。[5]
6勝1敗からは、あと2勝で勝ち越しに届く。ただし、優勝を争う立場では8勝は通過点となる。勝ち越しを目指す計算と、先頭を譲らないための計算が重なってくる時期だ。好発進を最終成績へつなげられるかが、ここからの焦点になる。
安青錦―熱海富士戦が動かしたもの
七日目に争いの形を変えたもう一番が、大関・安青錦と関脇・熱海富士の対戦だった。安青錦が寄り切りで勝ち、3連敗を止めて4勝3敗。熱海富士は5勝2敗となり、1敗の先頭集団から離れた。[7][8][16]
ベースボール・マガジン社の相撲編集部は、この一番で安青錦が先に左のまわしを取り、動きを止めず、熱海富士に胸を合わせさせなかった点に注目している。[6] 大きな相手と十分な形で組み合う前に、自分の攻めを続ける。一つの白星の背後には、そうした攻防がある。
安青錦(あおにしき)は、協会の戦歴で七月場所の幕内優勝者でもある。[7] 今場所の4勝3敗は先頭から二つ差。優勝争いに再び近づくには、連敗を止めた次の白星を積み上げる必要がある。
熱海富士(あたみふじ)は五月場所9勝6敗、七月場所12勝3敗と成績を伸ばしてきた。[8] 共同通信は今場所を大関昇進を目指す場所と位置付けている。[3] ただし、昇進は途中の勝ち星だけで決まるものではない。本稿でも、七日目の黒星をもって可能性が消えたとは判断しない。首位との差は一つであり、まずはそこに踏みとどまっている。
霧島と藤ノ川、2敗からの追走
霧島(きりしま)は豪ノ山をとったりで下し、5勝2敗とした。共同通信が綱とりへの挑戦として伝える中で、連敗を避けた一番だった。[3] 協会の記録では、三月場所の優勝に続き、五月、七月も12勝3敗。直近の複数場所で白星を積んできた大関が、今場所も先頭を視野に置いている。[9]
同じ5勝2敗でも、藤ノ川(ふじのかわ)には別の意味がある。協会のプロフィールによると、今場所が初めての三役で、番付は西関脇。七日目には大栄翔を押し出した。[10][16] 新しい地位での勝ち越しを近づけながら、優勝争いにも名を連ねる。後半の一番一番が、初の三役場所の評価を形づくっていく。
平幕では、新入幕の寿之富士(としのふじ)も追走する一人だ。協会によると、初土俵は2024年三月場所で、今場所の番付は西前頭十六枚目。[11] 幕内での最初の場所を5勝2敗で進めることは、優勝争いへの参加であると同時に、勝ち越しへ向けた足場にもなる。
8勝を目指す、もう一つの後半戦
幕内の十五日間では、8勝に達すれば勝ち越しが決まる。七日目終了時点なら、6勝の力士はあと2勝、5勝ならあと3勝、安青錦の4勝ならあと4勝が必要だ。どの力士にも残りは8日あるが、その余裕の大きさは同じではない。
西小結・大栄翔(だいえいしょう)は2勝5敗で、残り8日間に6勝が必要。東小結・伯乃富士(はくのふじ)は1勝6敗で、7勝を挙げなければ8勝に届かない。両者の成績と番付は協会のプロフィールで確認できる。[12][13]
これは単純な勝ち星の計算であって、残りの相撲の予想ではない。それでも、先頭争いだけを追うと見えにくい緊張が表れる。負けが先行していても一番を取れば道はつながる。上位を走る力士にとっても、勝ち越しを懸ける相手との対戦は軽く扱えない。
秋の国技館で積み重なる時間
秋場所の舞台にも歴史がある。協会の年表では、1952年九月に土俵の四本柱が撤廃され、吊り屋根と四色の房に改められた。1954年九月には蔵前国技館が開館し、現在の両国国技館が開いたのは1985年一月だった。[14]
伝統の風景に見える土俵の周囲も、時代とともに変わってきた。その中で観客が追ってきたのは、優勝へ向かう白星と、地位を支える白星である。今場所も、同じ一勝が力士ごとに異なる重さを持つ。
七日目を終えた争いの中心には大の里と琴櫻がいる。だが、そのすぐ後ろに10人が控え、さらに下では勝ち越しを目指す相撲が続く。後半戦の見どころは、誰が先頭に立つかに加え、誰が自分の場所を立て直すかにもある。
