応募時期に注意:福岡市と運営事業者のリバネスは、8月5日に「Deep Tech Expansion Program 2026」を発表した。申請フォームは本号翌日の8月10日(月)に公開予定で、締め切りは8月28日(金)午後5時。9月に5者程度を選ぶ計画である。現時点で採択者は決まっておらず、海外展開の成果もまだ生まれていない。

「グローバル展開」が政策用語になるはるか前から、博多商人は港が終着点ではないと知っていた。1世紀に中国から届いた金印、大陸へ向かった使節、外国客を迎えた鴻臚館、中世博多の商人網。福岡は日本の端にありながら、交流の中心に位置してきた。

福岡市はいま、その外向きの性格へ科学技術の形を与えようとしている。Deep Tech Expansion Program 2026は、スタートアップまたは創業予定者を5者程度選び、シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、インドネシア、ベトナム、台湾のいずれかで顧客、研究協力先、臨床・産業実証パートナーなどを探す。行き先は各技術に合わせて個別に決める。

一般的な舞台型ピッチイベントより意図的に狭く、深い。福岡市の委託仕様書は、参加者1者当たり海外商談候補を20件以上挙げ、10件以上の商談を実施するよう求める。さらに商談後も継続協議、概念実証(PoC)、共同研究、実証、契約へ進む支援を課す。リバネスの募集発表は、中間成果としてNDA(秘密保持契約)、LOI(意向表明書)、MOU(覚書)も挙げた。

この重点は、ディープテックが持つ不都合な現実を映す。ソフトウェアなら画面を翻訳し、ネット広告を出し、数週間で海外需要を試せる場合がある。新しいバイオマーカー、発酵工程、農業資材、炭素材料、医療機器を土台とする会社には、現地研究室、検体、倫理審査、規制助言、製造検証、試験を引き受ける協力者が要る。最初の海外売上は、入金より何年も前に始まる。

5者程度個別支援を受けるスタートアップまたは創業予定者
7市場東南アジア6カ国と台湾が対象地域
20件+10件1者当たりの商談候補先と商談実施件数の最低KPI
2,987.6万円事業全体の市契約上限。創業者へ配る現金ファンドではない

福岡市が買うもの

公的な業務委託とスタートアップ投資の違いは重要だ。福岡市は2027年3月31日までの事業へ、消費税を含む2,987万6,000円の契約上限額を設定した。この金額は募集、分析、メンタリング、連携先調査、商談調整、海外活動、フォローアップ、事務局、効果分析の費用である。5社へ分配する2,987万6,000円の助成枠ではなく、出資も約束していない。

海外プログラムの渡航費と宿泊費は補助する予定で、委託仕様書では原則として受託者が、1者当たりの上限内で負担するとしている。対象経費、支給条件、上限は採択者へ別途示される。全ての同行者、航空券、延泊が自動的に賄われると考えず、書面条件を確認する必要がある。

運営はリバネスが担う。7月の評価委員会を経て、応募5事業者の中から最優秀提案者に選ばれた。同社は2002年、理工系大学院生らが立ち上げ、研究開発型起業を育てるTECH PLANTERを日本と東南アジアへ広げてきた。シンガポール、マレーシア、フィリピンにグループ拠点を持ち、今回対象となるASEAN6カ国で研究者、スタートアップ、製造企業、投資家をつないできた。

市が買う中心資産はそのネットワークである。メールアドレスの一覧は市場アクセスではない。役に立つ仲介者は、どの病院が研究を承認でき、どの大学研究室が必要装置を持ち、企業のどの部門が課題を所有し、どの販売会社が規制製品を扱い、誰に決裁権があるかを知らなければならない。同時に、まだ渡航すべきでない会社を見分ける必要もある。

段階予定する作業答えるべき問い
診断技術、成長段階、海外活動、制約を分析する。何が本当に海外へ持ち出せ、どの証拠が欠けているか。
市場仮説対象市場を選び、規制、商習慣、顧客、連携先を整理する。なぜ漠然とした「アジア」ではなく、この国、この相手なのか。
候補パイプライン共同研究、事業連携、販路候補を20件以上挙げる。課題、権限、設備、予算を持つのは誰か。
渡航前準備接触方法、提案、検証計画、事前商談を組み立てる。各面談からどの判断または約束を得たいのか。
現地プログラム1者10件以上の商談に運営者が同席し、助言する。現地証拠は当初仮説を裏付けるか、覆すか。
継続支援協議、PoC、共同研究、実証、契約へ進める。次に誰が、いつまでに、何の資源で何をするか。

応募できる人――地域との交換条件

対象は、福岡市内の企業、または2028年3月31日までに市内へ事業所などを設ける計画がある市外企業である。スタートアップは2026年4月1日時点で設立からおおむね15年以内。創業予定者は同じ2028年期限までに福岡市内で創業し、原則として製品または試作品を持つ必要がある。ただし、事業期間中に成果を出せると判断されれば、試作品のない研究シーズも例外的に応募できる。

共通して、海外展開の意思と事業推進体制が必要だ。興味があるだけでは足りない。創業者は意思決定し、資料を準備し、渡航または同等の現地活動へ参加し、商談後に返答し、技術的な質問が来れば研究者を割り当てる。5人の研究会社にとって、その機会費用は航空運賃と同じくらい重い。

所在地要件は、市の交換条件を明らかにする。公金で、すでに福岡へ根を張る技術、またはこれから根を張る技術を助ける。経済目的は地域型だが、福岡へ拠点を置く意思のない全九州スタートアップへ無条件に開いた制度ではない。市外企業は、自社の将来の一部を福岡に置く準備が要る。

応募締め切りは8月28日。9月上旬から中旬に選考・通知し、9月下旬に福岡市内で合同キックオフを行う。9~10月に個別面談、市場戦略、商談準備を進め、現地プログラムは2026年11月と2027年1月を予定する。12月から2月にフォローアップし、2月に福岡で成果報告会を開く。募集説明会は8月19日、九州大学病院キャンパス内のエフラボ九大病院で開催される。

募集が示す重点分野
  • ライフサイエンス、バイオ、ヘルステック:市の仕様書では、プログラム全体の対象分野に必ず含める。
  • フード・アグリテック:生産、センシング、生物資材、工程、食品システムの革新など。
  • クリーン・クライメートテック:排出、エネルギー、材料、循環、環境強靱化に関する技術。
  • その他のディープテック:事業期間内に海外で具体的成果を期待できる分野。

ディープテックは褒め言葉ではなく、資金問題である

「ディープテック」は拡大解釈され、科学者がいる会社なら何でも含むようになりがちだ。実務的には、正式な研究や高度な工学を基盤とし、通常の商品設計だけでは消せない技術的不確実性があり、長期開発と高価な検証を必要とし、売上を拡大する前に供給網、規制経路、新市場をつくらなければならない企業を指す。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)も、長い研究・事業化期間、多額の資金、高い不確実性、既存産業をそのまま使えないビジネスモデルを特徴として挙げる。そのため技術に高価な証拠が必要な段階で、民間資金はためらう。一般に「死の谷」と呼ぶが、谷は一つではない。

研究結果を再現可能な試作品へ変える技術の谷がある。試作品を一定品質と原価で量産できる製品へ変える製造の谷がある。医学的にもっともらしい効果を、試験・販売許可へ変える規制の谷がある。興味深い課題解決を、特定顧客が支払う課題解決へ変える市場の谷もある。海外展開は、言語、知財、データ規制、規格、輸入条件、診療報酬、現地の信頼を追加する。

海外支援プログラムは谷を消せない。だが限られた資本を間違った橋へ使う前に、正しい谷を見つけられる。病院が実証を断れば評価指標の不足が分かる。食品会社が処方は機能するが現地価格に合わないと言うかもしれない。大学協力者が、規制当局の受け入れる検証方法を示すこともある。早く得て計画を変えるなら、否定的証拠も生産的な成果になる。

ディープテックの市場探索は「このアイデアが好きですか」と尋ねることではない。事業になる前に、どの実験、許可、協力者、価格が必要かを知ることである。

一つの「アジア市場」ではなく、七つの行き先

福岡の位置は南と西を向く理由になる。市によれば空港、港、博多駅、国際会議地区はおよそ半径2.5キロに集まり、空港から中心部まで地下鉄で約5分。海の向こうには、若い人口、成長都市、医療・食料システムの課題、製造供給網、気候リスクを抱え、研究型解決策を必要とする市場がある。

しかし東南アジアは一つの試験市場ではない。シンガポールには資本、バイオ医学研究、企業の地域本社、厳格な規制が集中する。マレーシアは高度製造を持ち、州と連邦の制度が絡む。インドネシアとフィリピンは島嶼市場で、物流と価格が採用を左右しやすい。タイは自動車、食品、医療の厚い産業網を持つ。ベトナムの製造基盤と成長都市は別の協業機会をつくる。台湾は世界的な電子・精密製造、医療、農業技術を加える。

したがって最適な行き先は、企業が次に消すべきリスクで決まる。医療会社は販売代理店より臨床協力者を必要とするかもしれない。農業バイオ会社には熱帯での圃場データが要る。材料企業はパイロットラインを探し、炭素技術なら原料供給者と、削減価値を買う相手が必要になる。有名イベントがあるから国を選ぶより、一つの機関が次の決定的質問へ答えられるから選ぶ方が強い。

規制も国境で滑らかにつながらない。一国で受け入れられた臨床データが、別国で十分とは限らない。バイオ安全、遺伝資源、データ国内保存、医療機器分類、食品表示、環境表示は異なる。契約では既存知財、新たな成果、出版権、紛争時の準拠法を定める。覚書は扉を開けても、これらの条件を代替しない。

福岡が続けてきた「開く都市」の実験

市のスタートアップ政策は今回から始まったのではない。出発点は、コンパクトな地方中枢都市が、支店経済にとどまらず新しい本社と成長企業を生み出せるかという問いだった。2012年、高島宗一郎市長が「スタートアップ都市ふくおか」を宣言し、起業を若さ、都市利便性、アジアとの接続という物語へ組み込んだ。

2014年5月、国は福岡市を国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」に指定した。市だけでは入管、労働、国税の規則を変えられないため、この仕組みは大きかった。福岡は規制改革を提案・実験し、地域サービスと国の特例を組み合わせ、起業を行政の優先事項にできた。

2015年、福岡は国家戦略特区を使うスタートアップビザの日本初の都市となった。通常の経営・管理在留資格が求める事務所、雇用、資本要件をまだ満たせない外国人創業者へ、市の審査下で準備期間を与えた。移住制度を、起業支援の後付けではなくインフラとして扱った。

2017年4月、旧大名小学校にFukuoka Growth Nextが開いた。前の世代のための教室が、次の世代のオフィス、メンタリング室、スタートアップカフェに変わった。グローバルスタートアップセンターは法律家、会計士、専門家をワンストップ環境へ集めた。市はその後、実証支援、企業マッチング、家賃補助、海外拠点連携を重ねた。

1~11世紀 — 金印、大陸使節、鴻臚館に象徴される交流港として博多が発展。

2012年 — 「スタートアップ都市ふくおか」を宣言。

2014年 — 国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」に指定。

2015年 — 日本初の国家戦略特区型スタートアップビザを実施。

2017年 — 旧大名小学校にFukuoka Growth Nextが開業。

2022年 — 九州大学と九州工業大学を主幹とするPARKSが、九州・沖縄の大学を結ぶ。

2024年 — PARKSが2029年度までの大学発起業循環づくりへ国の支援を獲得。台湾、シンガポールとの連携も掲げる。

2026年 — 福岡市が具体的な海外協業へ重点を置く個別型ディープテック事業を委託。

会社をつくる段階から、難しい会社を育てる段階へ

福岡市の政策評価は、起業の裾野が広がったことを数字で示す。2023年度、スタートアップカフェの相談は4,117件。関連施設が入居支援した企業は累計635社となった。企業価値10億円以上の市内スタートアップは前年の51社から61社へ増え、官民連携ワンストップ窓口が支援した実証実験は累計101件に達した。

これらは活動の厚みを示すが、世界規模の成長を自動的に意味しない。同じ評価資料で、2023年度に入居企業26社が調達した資金は約53億円で、前年度29社の約111億円から減った。資金調達は年ごとに振れ、企業価値は売上、科学的成功、持続的雇用と同じではない。成熟した生態系は入口を祝うだけでなく、出口と途中経過を検証する。

ディープテックは次段階の課題を露出させる。一般的な創業支援は法人登記、机、ピッチを助けられる。しかし臨床試験、新材料の認定、発酵工場、海外病院へのアクセスを単独で用意できない。必要な網は、大学、製造企業、規制専門家、専門投資家、技術リスクを吸収できる大口顧客まで届かなければならない。

九州大学は医療、バイオ、農学から水素、有機電子、材料、高度計算まで幅広い研究基盤を持つ。2021年の発表では、2020年度時点で大学関連スタートアップ124社、うち4社がIPOを実現していた。研究成果を事業として試すギャップファンドも運営してきた。

2022年に発足したPARKS(Platform for All Regions of Kyushu & Okinawa for Startup-ecosystem)は、その取り組みを広域化した。九州大学と九州工業大学を主幹に、山口から九州、沖縄の大学とFFGベンチャービジネスパートナーズを結ぶ。2024年に採択された国の支援は、人材、知、資金が循環する仕組みをつくり、台湾・シンガポールと連携し、2029年度までに大学間組織を構築する計画を支える。

今回の市事業は、その研究パイプラインの下流にある。PARKSや大学ギャップファンドは研究シーズから投資可能な企業を生み出そうとする。Deep Tech Expansion Program 2026は、そうした企業が日本の外で証拠と相手を探すとき何が起きるかを問う。早過ぎれば、検証可能な提案のないまま海外を回る。遅過ぎれば、国内市場の前提だけで製品が完成してしまう。二つの段階を意識して接続する必要がある。

国の大きな賭けの中にある市の小さな事業

日本政府は2022年のスタートアップ育成5か年計画で、起業を国家成長戦略の中心へ置いた。2027年度までに年間スタートアップ投資額を10倍超の10兆円へ増やし、将来100社のユニコーンと10万社のスタートアップをつくる目標を掲げた。1,000億円規模の大学発起業基金、海外展開支援、ディープテック施策がその賭けを構成する。

国の大基金は研究と資本を扱う。都市は別の層――密度と調整――を扱う。創業者が大学技術移転担当、企業技術者、専門投資家、規制専門家、外国人起業家、市役所を、分断された六制度としてではなく一つの生態系として使えるか。OECDの国際展開研究は、ネットワーク、大企業との接続、海外専門プログラム、研究機関への統合、厳密な効果評価の重要性を指摘する。

福岡事業はその勧告とよく重なる。公的に委託し、民間が運営する。分野を絞り、研究と結び、海外仲介者を使う。継続支援とデータ収集を求め、成果が出た事例だけでなく出なかった事例の要因も分析させる。最後の点が最も重要かもしれない。アクセラレーター政策は数えやすいイベント、参加者、紹介件数を数えがちだ。ディープテックの効果は遅く現れ、写真に写りにくい。

1社20候補、10商談という活動KPIは説明責任を生む一方、逆効果にもなり得る。弱い10件の面談が、決定的な3件より価値を持つわけではない。受託者は継続協議、共同研究、実証、契約などの成果KPIを別に設定する。パイプラインの太さより、相手の質が重要だ。

商談から市場までの「紙の階段」

募集発表は、創業者にはなじみ深い進行を示す。NDA、LOI、MOU、PoC、共同研究、その先の商業契約。各文書は本物の前進になり得る。NDAは技術開示を可能にし、LOIは進みたい方向を記録し、MOUは協力範囲を割り当てる。PoCは証拠を生み、共同研究は作業、費用、知財を分担できる。

しかし紙は売上ではない。NDAは日常的に結ばれ、何も起きないことがある。多くのMOUは予算も購入義務もない友好表明だ。PoCを繰り返しながら調達へ進まない「実証地獄」もある。実質的成果は、意思決定者、成功基準、資源、日程、次の商業関門を明らかにする。病院試験が成功したら誰が規制申請するのか。工場試験が働いたら誰が量産費を払うのか。圃場実証で収量が上がったら誰が買うのか。

約6カ月の事業期間は、バイオや材料の時間軸では短い。2027年3月までに海外売上が計上できなかったという理由だけで、全企業を失敗と評価すべきではない。儀礼的活動と検証済み学習を分けるべきだ。署名済み研究計画、検体アクセス、承認済み実証予算、規制分類、共同開発契約、ライセンスデータ、海外活動に連動した追加調達、または不適切な市場へ進まないという根拠ある判断は、意味のある成果になり得る。

見える到達点実質を持たせる条件空洞化する条件
NDA正しい相手と定義済みの技術情報交換を可能にする。案件を特定する前に署名しただけ。
LOI / MOU範囲、責任者、日程、正式契約への道を記す。予算も意思決定権もない一般的な協力文。
PoC成功基準、代表条件、その後の調達判断を持つ。買い手も拡大計画もない無料実演。
共同研究作業、資金、データ、既存知財、新規知財を割り当てる。所有権や発表条件を決めず善意に頼る。
商業契約有償需要と反復可能な供給経路をつくる。経済的に製造・支援できない一回限りの小口販売。

無視できないリスク

第一は選考だ。科学的に優れていても、この日程へ準備できていない会社がある。逆に流暢な英語ピッチが、弱い知財や再現性を覆い隠すこともある。審査は発表の巧さだけでなく、創業者の実行力、基礎研究の権利、他者特許を侵害しない自由、品質体制、証拠パッケージ、海外で答えたい問いの具体性を試す必要がある。

第二は市場選択。全社を有名な同じ二都市へ送れば、物流は簡単になるが個別設計という前提を壊す。正しい相手は地方の農業研究所、専門病院、工業団地、会議場から離れた製造集積にいるかもしれない。リバネスの価値は会場の知名度ではなく、紹介の適合度で測られる。

第三は秘密保持と知財だ。早期開示が特許権を損なう国もあり、共同データは分離しにくくなる。大学と創業者が重なる権利を持つ場合もある。詳細な海外対話の前に、公開済み、秘密、大学承認が必要、未出願の請求範囲を分けた開示地図が要る。

第四は継続性。国際連携は渡航後の数週間で失速する。創業者は製品問題へ戻り、相手も通常業務へ戻る。各面談には双方の責任者、書面の次行動、期日が必要だ。事業は2月までフォローするが、公契約が3月に終わった後、誰が関係を維持するかがさらに難しい。

最後は政策の追加性である。市支援がなくても同じ会社と相手は出会ったか。公的価値が高いのは、市場だけでは得られない信用、専門アクセス、調整を供給するときだ。すでに国際化した企業の通常出張を補助するより、技術は確かだがネットワークを持たないチームが初めて国境を越える方が追加価値は大きい。

強い申請書が答えられること
  • データで裏付けた正確な技術主張と、まだ証明できていない主張。
  • 海外の課題所有者――病院、研究室、製造企業、農場、電力会社、規制当局、買い手。
  • 一つの対象国が、次に必要な証拠または商業関門を提供する理由。
  • 求める行動――検体検証、圃場試験、試作製造、規制相談、共同研究、有償購入。
  • 開示前の知財・規制上の位置。
  • 9月から2月まで会社が投入できる人材と時間。
  • 続行を正当化する到達点と、中止を正当化する証拠。

橋は重さを運ばなければならない

福岡は14年をかけ、スタートアップ都市の見える構造をつくってきた。宣言、特区、ビザ、再生した学校、相談窓口、実証制度、海外連携、街全体の技術週間。起業を見えやすく、利用しやすくした。次の試験は、もう一つのイベントが会場を満員にできるかではない。小さな研究会社が、その仕組みを使って証拠から採用へ渡れるかである。

街の歴史は正しい比喩を与える。博多港が栄えたのは船が港で立派に見えたからではなく、書物、薬、道具、食、言葉、資本が船を通って動いたからだ。現代のイノベーション橋も、両方向に測れるものを運ぶ必要がある。福岡の技術は海外の課題、検体、協力者、顧客を必要とし、地域研究室は規制、価格、利用方法を学ばなければならない。外国の協力者には、視察団が去った後もつながる理由が要る。

5者なら、一人一人の技術を学び、一般的な輸出講義で終わらせない規模である。候補リストと商談件数は規律を与え、渡航補助は現実の障壁を下げる。継続支援を入れたことは、ピッチツアーが終わる場所で事業関係が始まると理解した設計だ。

一方、5者しかいないから選考一つ一つが重い。契約上限は薬、材料、気候システムの開発資金に比べれば小さい。6カ月で生物検証や工場認定をソフトウェアの速度へ縮められない。MOUは良い写真になり、悪い事業になることがある。この限界は野心を弱めるものではなく、制度を誠実に評価する基準である。

福岡に必要なのは、海外へ行った5社ではない。難しい問いを一つ解き、信頼できる相手を一人動かし、次の実験へ誰かが資金を出す状態で帰る5つの技術である。

取材注記と主要資料

本稿は2026年8月8日午前6時(日本時間)までに公開された情報に基づく。その時点で応募窓口は未開設で、8月10日に申請フォームを公開する予定だった。2,987万6,000円は委託事業全体の上限額であり、創業者への助成金や投資ファンドではない。採択予定は5者程度だが、参加者はまだ決まっていない。商談候補・商談件数は活動KPIであり、PoC、契約、売上、資金調達、海外進出の成功を保証しない。歴史・生態系の数値は出典に記した年度時点のもので、現在値ではない。