和歌山は、祈りの山と黒潮の海を、小さな展示室でつないで読む県です。
和歌山の博物館を歩くと、紀伊半島が単なる観光地ではなく、祈り、海、森、産業、防災の知恵を重ねてきた土地だと分かります。 和歌山城の城下町、岩橋千塚古墳群、高野山の仏教美術、熊野古道の巡礼、南方熊楠の知、湯浅醤油、紀州漆器、太地の鯨、串本の地質、防災の記憶。 それぞれは離れて見えても、海と山と人の移動によって一つの文化圏を形づくっています。
特に和歌山では、小さな資料館が強い意味を持ちます。醤油蔵の資料室、漆器の展示室、熊野古道の休憩展示、津波防災の記念館、町の歴史民俗資料館。 大きな物語は、こうした小さな館をたどったときに、生活の手触りをもって見えてきます。