雪国である
雪は暮らしを厳しくする。しかし同時に、景色、食、温泉、家の知恵を深くする。
Aichiでは宇宙船を点検された。Akitaでは、宇宙飛行士そのものが点検される。 雪、犬、米、酒、民俗、湖。ここでは、焦っている者から順番に負けていく。
秋田は派手な県ではない。だが、記憶が深い。 雪に鍛えられ、米に支えられ、祭りに叱られ、犬に見守られ、湖の青に黙らされる。 ここでは、静けさそのものが名物になる。
雪は暮らしを厳しくする。しかし同時に、景色、食、温泉、家の知恵を深くする。
秋田の食文化の底には米がある。米がうまいから、酒も、鍋も、漬物も強くなる。
大きく、静かで、堂々としている。秋田犬は、秋田の性格をそのまま歩いているような存在である。
ナマハゲ、祭り、雪国の道具、暮らしの知恵。秋田では、昔の声がまだ近い。
田沢湖、角館、男鹿半島、乳頭温泉郷。大声ではなく、余韻で人を連れていく。
秋田を知るには、急いではいけない。 湖、雪、武家屋敷、半島、温泉、犬、米、酒、祭り。 宇宙飛行士が計測器を出しても、秋田の本当の深さは、少し歩いてからでないと見えてこない。
深い青の湖。秋田の静けさを代表する場所であり、宇宙飛行士のヘルメットにも青く映る。
武家屋敷と桜の町。派手さではなく、道の幅、黒板塀、時間の残り方で旅人を止める。
海、夕日、岩、風、ナマハゲ。秋田の民俗と自然が、ひとつの半島に集まる。
山と湯と雪の世界。宇宙服では入れないが、心の防寒具は脱がされる。
県都としての入口。美術、歴史、食、港、祭りへの導線がここから始まる。
花火の町。夜空を使った芸術として、宇宙飛行士が一番理解しやすい秋田かもしれない。
秋田の食は、寒さに勝つための知恵である。 きりたんぽ、稲庭うどん、いぶりがっこ、比内地鶏、米、酒、山菜。 どれも派手ではない。しかし、食べると体の中心から理解が始まる。
秋田の博物館と文化施設は、雪国の知恵を見せてくれる。 ナマハゲの面、角館の武家文化、農具、祭り、工芸、暮らしの道具。 展示されているのは、古い物だけではない。 厳しい自然の中で人がどう暮らし、どう笑い、どう受け継いできたかである。
秋田は、雪だけではない。犬だけでもない。ナマハゲだけでもない。 米、酒、湖、温泉、武家屋敷、花火、民俗。 旅人がひとつの印象を持って帰ろうとすると、秋田は静かにもうひとつ差し出してくる。
秋田犬。 その落ち着き、忠実さ、堂々とした姿は、秋田の印象を世界に伝える。 宇宙飛行士が騒いでも、秋田犬はあまり驚かない。
田沢湖。 深い青は、写真よりも記憶に残る。 水面を見ていると、言葉を少し減らしたくなる。
ナマハゲ。 怖いだけではない。人を正す民俗であり、家族と地域の記憶である。 宇宙人より迫力がある。
秋田は、移動の時間も旅になる。 雪の季節、桜の季節、花火の夜、温泉の朝。 同じ場所でも、季節が変わるとまったく違う県に見える。
田沢湖 → 乳頭温泉郷。青い湖と山の湯で、秋田の静けさに入る。
角館武家屋敷 → 桜並木 → 郷土資料。時間の残り方を歩いて感じる。
男鹿半島 → ナマハゲ文化 → 海岸と夕日。自然と民俗が一緒に迫ってくる。
きりたんぽ → 稲庭うどん → いぶりがっこ → 地酒。寒い土地の知恵を食べる。
大曲方面。宇宙飛行士が「これは地球の技術ですか」と聞きたくなる夜。
秋田は、急ぐ者には少し冷たい。
けれど、立ち止まる者には、雪と湖と米と犬と祭りで、深く応えてくれる。
秋田は、宇宙飛行士の心まで静かにする県である。