日本の歴史を考えるとき、海を外すことはできません。島国という言い方はよくされますが、それは単に孤立を意味するわけではありません。海は守る壁であり、同時に外とつながる通路でもありました。海があるからこそ、食文化も交易も、外来文化の入り方も独特なものになったのです。
海は食の歴史を支えてきた
魚介、海藻、塩。海は日本の食卓を根本から支えてきました。地域ごとの魚の文化、保存の知恵、港町の食の個性は、いまの日本料理にも深くつながっています。
海は外の世界への窓でもあった
大陸との交流、港を通じた情報や技術の流入、交易による変化。海は日本を閉じる線ではなく、むしろ外の文化が入る入口でした。その入り方が断続的で、地域ごとに濃淡があったことも、日本の多様さを形づくっています。
海は日本を囲んでいたのではなく、日本の歴史を外へ向かって開いてもいた。
想像力の中の海
海は現実の交通路であるだけでなく、物語、信仰、畏れの対象でもありました。海の向こうに何があるのかという想像は、日本人の世界観の一部でもあり続けました。
